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大阪泉州の名門蔵と実は地ビールだったアサヒビール

国内の大手ビールメーカーが現在4社有ります(オリオンビールを入れて5社とする場合もあります)が、それぞれに成り立ちが違いますし、また、それぞれに成り立ちが全く違います。

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キリンビールは、長崎のグラバー邸を立てた幕末の武器商人であるトーマスグラバー氏が設立者で、グラバー氏が破産後、あの三菱の創業者である岩崎弥太郎氏が支援し国内最大手のビールメーカーにまで成りました。

サッポロビールは、北海道開拓使によって設立された言わば国立のビール会社で、その後、新一万円札の顔である渋沢栄一公を中心に民間企業へとなった経緯があります。

サントリービールは、言うまでもなくウィスキーのサントリーさんが母体で、ビール事業もサントリーと言えば、「やってみなはれ」から出て来た事業で、ちょっと一般企業の常識的な部分では考えられない事をやって大手のビール会社になっています。

アサヒビールの母体ですが、実は堺の春駒という酒蔵の鳥井駒吉氏を中心に堺の日本酒蔵と灘の澤の鶴さんが出資して出来たビールメーカーで、元は大阪の堺の日本酒蔵が出資して作られた地ビールメーカーで、創業の地が吹田のビール工場です。

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では、何故、堺でビールメーカーが出来るくらい酒蔵の資本力があったかと言いますと、堺自体は古くから酒造りが行われていて、明治維新以降、一時的に灘の酒造りが低迷した際に、日本でも有数の銘醸地になりました。

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一方で、堺市自体は宅地が多く酒蔵の規模を拡大しようにもできない事情が有ったのと、堺自体の街の工業化が進むにつれて地下水が枯渇し、水の不足から酒造りが非常に難しくなり、堺の有力な酒蔵は灘へ移転を行いました。

現在では、堺に有る酒蔵は堺泉酒造さんだけで、それも近年造りを始めた酒蔵ですから、元々の堺の酒蔵は一軒も残っていません。

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その一方で、アサヒビールさんは1985年の阪神タイガースの優勝した頃が一番経営的にも苦しく、最後の最後で地元大阪のマーケットでのパイが残っていて、1987年にスーパードライを発売して、復活した経緯があり見ていて生き残れた理由が、結局最後の最後まで地元のマーケットを大事にした結果とも言えなくは無いかなと思います。

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現在、大阪泉州で酒造りをやっている酒蔵は、上記の堺泉酒造さんを含め、4蔵あり、岸和田市の「だんじり」の井坂酒造さん、泉佐野市日根野の「荘の郷」の北庄司酒造さん、本日お酒をご紹介する「浪花正宗」の浪花酒造さんです。

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日本酒テイスティングデータ
銘柄 浪花正宗 特別純米酒
主体となる香り 原料香主体、淡いハーブと柑橘系の香り有
感じた香りの具体例 炊いた白米、マシュマロ、カスタードクリーム、甘夏、スダチ、ミネラル、スペアミント、檜、カシューナッツ、瓜、和梨、上白糖
甘辛度 やや辛口
具体的に感じた
味わい ふくらみがありなめらかな飲み口、ふくよかで柔らかい旨味が主体、後味はキレよくシャープ、スダチやスペアミント、和梨を思わせる含み香
このお酒の特徴 ふくらみがあり、なめらか、後味のキレの良い醇酒
4タイプ分類 醇酒
飲用したい温度 20℃前後、45℃前後
温度設定のポイント 20℃前後にて、ふくらみがありなめらかな味わいを引き出す
45℃前後にて、ふくよかで後味のキレの良さを引き出す
この日本酒に合わせてみたい食べ物 鰤の照り焼き、イカの煮付、筍ご飯、たらこの煮付、棒鱈の煮付、シジミの佃煮等
お問い合わせは http://www.naniwamasamune.com/
※日本酒4タイプ分類に関しては、SSI(日本酒サービス研究会)の分類方法を引用し、参考としています。

※上記の画像につきましては、堺市立図書館HP、アサヒビールHP、日本経済新聞、阪南市HP、浪花酒造様HP以上より引用しております。

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