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赤と青の、 (シャニマス二次創作)

 本作はアイドルマスターシャイニーカラーズの二次創作であり、pixivに投降した同名の作品を転記したものです(犬飼は桃之字の別名義です)
 摩美々と三峰が事務所でダラダラ話す話。あとがき付きでお楽しみください。
 なお、あとがきパートに近況報告も書いてありますのでそちらもお付き合いくださいませ


『赤と青の、』


「──ドラマとかでさー」
「んー?」

 摩美々(マミミ)がふと口を開いたのは、結華(ユイカ)がちょうどレポートの最後の行を打ち終えた時だった。

 講義が終わって、レッスンまでの空き時間。二人きりの事務所で、摩美々はいつものようにソファに寝転び、スマホを眺めながら言葉を続ける。

「赤い線と青い線、どっちか切ったら爆発ーって展開、よくあるケドー」
「あるねぇ。こないだなっちゃんが出たドラマも、そんな展開だったっけ」
「うんー。まさしくそれ観てたー」

 摩美々はそう言って、手にしたスマホの画面を結華に向けた。映っているのは、"なっちゃん"こと有栖川夏葉。二人と同じ事務所のアイドルだ。

 視線で先を促しつつ、結華はレポートを上書き保存して、タブレットを閉じる。その間に摩美々はふわりと起き上がって、結華にその紫色の瞳を向けた。

「これってさー、両方同時に切ったらどーなるんだろうねー?」
「あらら、そんなメタなこと言っちゃう?」

 苦笑し、結華はタブレットを鞄にしまった。そして「んー、でも、そうだなぁ」と言葉をこぼした。

「ああいうのって、電気的なゼロイチで制御してると思うんだよね。だから、両方同時に断線してどっちもゼロになるんだと、エラーってことで爆発しちゃうんじゃないかなー?」
「…………おー」

 摩美々は一瞬、きょとんとした表情で結華を見つめ、そしていつものイタズラな笑みを浮かべて。

「──さすが三峰、爆弾作りのプロー」
「ふっふっふ、伊達に幼少の折より特殊な訓練を……ってンなわけあるかーい」
「ふふー」

 摩美々が笑うのに合わせ、わたあめのようなツインテールがふわふわと揺れる。なんだか少し偏っているのは、先程まで寝転んでいたせいか。

「まみみん、髪崩れてるよ」
「えー? 三峰、直してー」
「はいはーい」

 結華が立ち上がる。満足げな笑みを浮かべる摩美々の手元で、件のショートムービーはクライマックスを迎えていた。「どれどれー?」と結華が髪を触りはじめるのを感じながら、摩美々は少しだけスマホの音量を上げた。

『情熱の……赤よっ……!』

 パチン。果たして爆弾は無事に解除され、夏葉は爆殺を逃れることに成功する。決め台詞に続いて流れ出すエンディングテーマ。イントロと共に立ち去る夏葉──

「いやー、やっぱりこのなっちゃんカッコいいねぇ」
「だねー。いつも放課後軍団と全力で鬼ごっこしてるとは思えないカンジー」

 摩美々のトレードマークは、今日も今日とてふわふわさらさらだ。感心しつつ、結華はふと思い立って問いかけた。

「まみみんなら、どっちを切る?」
「えー? んー……」

 エンドロールが流れるスマホから目を離し、摩美々が遠くを見ながら思案する。結華は答えを急かすでもなく、摩美々の髪を整えていく。

「…………メンドーだし、両方?」
「だからそれじゃ爆発するって。──よし、でーきた」

 くすくすと笑い、結華は摩美々に鏡を手渡した。出来栄えを確認し、摩美々は「苦しゅうないー」とご満悦。

「三峰、もう完璧じゃーん。最初は遠慮がちだったのにー」
「そりゃあ、こんな美少女の髪の毛を触るなんて畏れ多すぎてね?」

 それはアイドルオタク・三峰結華にとっては全くの本心ではあるのだが、そうとは知らぬ摩美々はそれを「えー?」と言っただけで流してしまった。

 そして、鏡越しに結華を見つめて、問いかける。

「三峰はー?」
「へ? 髪?」
「じゃなくてー。爆弾の線ー」
「ああ。うーん……」

 赤い線と、青い線。
 夏葉は"情熱の赤"を選んだ。昔見たアニメだと、"運命の赤い糸を切るわけにはいかない"と、青い線を切っていたっけ。
 結局、最後の最後は自分の直感やポリシーで選ぶことになるわけだけど──

「んー、そうだなぁ。赤か、青か……」

 呟く結華の視界を染めるのは、ふわふわの紫色。赤と青が、熱さと冷たさが、混じりあってできた色。

「…………いやぁ、どっちも切れないかも」
「結局爆発じゃーん」

 くつくつと笑う摩美々。結華もまた笑いながら、そんな摩美々の隣に移動する。なにも言わずとも開けてくれたひとり分のスペースに、「よいしょー」と思いきり座る。

 エンドロールが終わった。当然のように寄りかかってくる摩美々の重みを感じながら、結華はぽつりと呟いた。

「まぁでも、三峰的にはさ」
「んー?」

 ふわふわの紫越しに、摩美々の声。紫色の瞳も、こちらを向いているのだろう。

「そもそも、自力で爆弾を解体する現場に居合わせたくないかなーって」
「それはズルじゃーん」

 そうしてまたふたり、笑い合う。
 レッスンまであと1時間。外から恋鐘(コガネ)の声が聞こえた。話し相手は咲耶(サクヤ)か、霧子か。

「ねえまみみん、こがたんならどうするかな?」
「"ばーりばりばーい"って言いながら、全部引きちぎって投げるー」
「それこそズルじゃない!?」

 事務所のドアが開く。恋鐘の元気な挨拶と、霧子の控えめな挨拶が聞こえてくる。

 ──ああまた、はじまる。騒がしくも愛おしいひとときが。

 結華と摩美々はどちらからともなく、小さく微笑みあっていた。

(おわり)


あとがき

 アイドルマスターシャイニーカラーズにハマって、早いもので70日が経ちました。「最近もものじ小説書いてねーな」と思ってらした方がもしいらっしゃったら、まぁその、すみません。シャニマスやってました。

 二次創作なのでnoteに載せるかは悩んだんですが、なんとまぁ最終更新から2か月が経とうとしているとのことでおいおいおいやべーじゃんと思い、生存報告の意味も込めてこっちにも掲載しました。生きてるよ! 元気だよ!

前回の記事もシャニの話でしたね

 割と初見のころから摩美々が好きだな~~~ってなってたんですけど、ゲームはじめたての頃にアンティーカのイベント(”マジーア・アンティーカ”と”見て見ぬふり”)が連続したおかげですっかりどっぷりになりました。アンティーカが好きな摩美々が好き。三峰も同じく。

 そういうわけで摩美々と三峰の小説を書こうとしたんですが、こいつら性格的に派手な動きしないというか、お互いの距離感をいい感じにわきまえていてオトナなので、物語が全然動かなくて苦労しました(結局物語を動かすことそのものをあきらめた)。いやぁ、これが恋鐘ちゃんとかだったら「よしやってみるばい!」とか言って東急ハンズに駆け出すんだろうけどさぁ。この子たちはさぁ……。

 さて。以下、近況報告です。

 まずシャニのほうは2ndライブ→ミュージックドーン→3rd名古屋と観れるライブは全部観て、ソロ曲集は全部買い、生放送やラジオの類もチェックし、グッズも買って……と、なんか数年前にアイドルオタクやってたころに負けず劣らずな熱量でハマりこんでいます。

 始めたてのころは摩美々か三峰か甘奈か……と悩んでたんですが、今ではすっかり摩美々担当になってしまいました。あと、ソロ曲「私の主人公は私だから!」を聴いて以来、小糸ちゃんが気になっています。そして芋づる式にノクチルも見守るようになりました。沼は続く。

 シャニマスに狂ってる様子は以下のTwitterアカウントから見れますので、ご興味の方はぜひ。

 本業の制作関連のほうですが、近々MVが完成します(2か月前も言った気がする/その件です)のでその報告ができそう。クロノソルジャー、アマガサのほうはマジで余裕がなくて(これはシャニマス関係なくマジで死んでた)全然進んでいません。1月~3月はなんかもう全体的に死んでたので、いい加減巻き返していきたいところですね。

 また、参加している電子同人サークル、ユダン・ナラナイ・パブリッシャの合同誌『無数の銃弾』への入稿が完了しました。桃之字はパルプアドカレで書き下ろした『ウィリアム古書店と悪魔の楽譜』をリライトしたもので参加します。このリライト版も近々noteにアップしますのでお楽しみに。そして、予定通りならあと2か月くらいで発刊されるはずなので、チェックのほどお願いします!

 ではまた。

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桃之字(制作本舗ていたらく)

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日曜朝のヒーローものが好きな主が描く、「特撮小説」の数々。名付けて【ていたらくヒーロータイム】で僕らと握手!