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映画「お葬式」の感想

オススメ度🌟🌟🌟
総合採点3.5

伊丹十三監督の初監督作品。

妻である宮本信子さんの父が急死した時の体験談を元に1週間でシナリオを書き上げたのだそう。私自身、人の葬儀に参列したのは介護の仕事をする中で関わりが深かった入居者の方が亡くなられた時や自分の祖父が亡くなった時の数回位やったけどこの映画で描かれるお葬式風景って不思議ですね。本来は亡くなった人をお見送りする暗い儀式のハズのお葬式も伊丹十三監督の手にかかればコミカルな人情劇になってしまう。初めて出すお葬式にあれやこれやと苦戦する一家とそのまわりでどこか他人事の様に呑気に過ごす人達の姿にクスッとしてしまう一方で亡くなった人はもう二度と戻らないと言う損失感が混在するリアルな空気感。中盤で入るあのエロシーンと宮本信子さんの丸太ブランコは葬式を題材にしてる割に不謹慎やなあって思う人も出そうですが生と死が同時に存在するお葬式と言う空間に良いアクセントを生んでいました。

終始悲しがるわけではなくてビデオ撮影したりお酒飲んでワイワイしたりしてたのが最後の最後でしっかり悲しさや寂しさが押し寄せてくる感じがほんとにリアルで終盤のある台詞が見終わった後にじわじわと効いてくるなんとも言えない余韻を感じる映画だった。

みんな最後はああやって散って行くんや。なんか凄くしょっぱい気持ち。 

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