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行くことが叶わないと思っていた場所へ

 拝啓

 怪しまないで読んでほしいのですが
 人は誰しも意識してないだけで、魔法を使うのではないかと考えたことありますか。
 わたしは、あるのです。
 微々たる、みんな「こんなこと思っても無駄」と思うようなことで。

 今日、十年以上行ってみたいと思いながら行けないでいた場所へ、わざわざ、何の予定もないのに行きました。

 休むためでも、遊ぶためでも、立派になるためでもなくて、ただそこに立つためだけに、行きました。

 着いて、立ちました。
 歩き回りました。
 バラの花を育てている途中だ、とか
 放置された昔の売店だ、とか
 見て、思いました。

 なんでここに来たんだっけ
 そうだ、来ようと思ったところに十年以上来れなくて来ました。
 すごい!
 来れないと思ってたけど、嘘だった。
 こんなに簡単に、来て、立っているんなら
 やってみたかったこと、まだ他にも
 出来るかも知れないよ!

 これは、呼ばれてなくても、必ず一人で、行きたいからという理由で行くことです。

 行ってみたいなぁと、ぼんやり思っていたのに行ってみようかともしてなかったこと、お恥ずかしい限りですが、行ってみようとすれば行ける場所は、いくらもありそうです。

 やってみたかったこと、行ってみたかった場所、思い浮かべるだけに留める魔法も、自分を解放する魔法も、やっぱりいつの間にか使っていた気がします。 草々不尽

 令和4年2月9日 水曜日付
 Y.J



11.729光年彼方へ枯渇しても愛を湧かす

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難しいです……。