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傷心旅行と銀座のレストラン

人生何度かやってられねえ時があると思います。
悲しくて、空しくて、自分にとってはその時だったので。
美味しい物を探しに行きました。

さて、行ってきたのは銀座の『オザミ・デ・ヴァン本店』です。じゃらんポイントも溜まっていたので、近くのホテルに宿泊してから行きました。食事付きのホテルに泊まるのも良いですが、こうして外のレストランを予約すると比較的安く、かつ美味しい思いができます(予約が大変ですけど)。

オザミ・デ・ヴァン本店は、銀座オザミビルの二階にあります。オザミビルは上階から順に最上級の『レストラン オザミ』、2階の『オザミ・デ・ヴァン本店』、1階の『ビストロ プティオザミ』に分かれています。
まさにオザミタワーです。オザミ系列のレストランはなかなか手広く展開していて、歌舞伎座の裏には『パリのワイン食堂』がありますし、スカイツリーにもあります。

今回は適度なポジションの『オザミ・デ・ヴァン本店』に入りました。ドレスコードは無いと思います。予約はインターネットで一発です。『レストラン オザミ』だけは、流石に電話で直に聞いてみる必要があるようですが。

当日は、伝統のメニューが出るプリフィックスコースを選択しました。
メニューを撮り忘れていたのが不覚でした。お陰で何を食べたかうろ覚えです。ただ、前菜からデザートまで、かなり多くのメニューから選択できるようになっていました。好き嫌いの多い方でもなんとかなりそうです。
注文した物を、写真付きで順番に紹介します。

まず食前酒にシャンパンを頼みました。
実はシャンパン、まともに飲むの初めてでして。
甘い物かと思っておりましたが、酸味が強いんですね。
白ワインとして考えてもかなり酸っぱいんじゃないかと思います。グラスの底から一列に並ぶ細かい泡が、どこから出てくるんですか、不思議ですね。

シャンパン
前菜は「ズワイ蟹とホタテのテリーヌ」。
ひとつひとつのお皿が大きいです。大盛りです。
実は飲んでいる薬の影響であんまり多く食べられません。いったい何をやっているんだ。しかし、こうして磨り潰すと蟹とホタテの風味が引き立って、美味いですね。

蟹と帆立のテリーヌ_50per
続いて「フォアグラととうもろこしのホットケーキ」。
これが有名なメニューだそうです。
とうもろこし生地のパンケーキの中にフォアグラが挟まれていて、ちょっと甘めなんですけど、周りがビネガーソースで埋まっていて、酢の酸味とパンケーキの甘みで食べる変わった食感です。フォアグラがとても濃厚です。
今回一番印象深かった料理かもしれません。

フォアグラのホットケーキ

シャンパンと白ワインを一気に飲んだら気分が悪くなってきました。全然飲める方ではないのに、ヤケ酒してしまいました。
メインディッシュの『鰆のポワレ』です。

鰆のポワレ_50per

左右のソースは左がラタトゥイユみたいなもの、右がオリーブソースです。個人的にはオリーブソースの塩気が好きかもしれません。
大きな切り身です。
皮がパリッと焼けていて、肉厚で、美味しいです。

貴族のプリン

デザートは『高貴なプリン』。
こちらも有名なメニューのようです。
酒が回って、物凄く具合が悪くなっていたので、味を考えている状態では無かったのですが、とても上品で美味しかったと思います。

こんな風に食事を楽しんで……(?)回った酒で苦しみながら帰ったのですが、いつかもう一度行ってもいいですか? ちょっと具合悪過ぎましたし。
フランス料理といえば、なんとなく小さいイメージですけど、写真の通り、ボリュームが多めなのでいっぱい食べられると思います。雰囲気も入りやすかったです。


翌日、レストランは大変美味しかったものの、自分のせいで不完全燃焼だったので私的な悲しみが癒えませんでした。
さらに美味しい物を求めてみます。

オザミと同じ通りを真っ直ぐ行った先に、石造りっぽい建物の『アンリ・シャルパンティエ 銀座メゾン』があります。フィナンシェ等の洋菓子を扱っているのですが、こちらではクレープシュゼットが頼めます。
昔、一度だけ食べたクレープシュゼット。もう一度食べてみたい……ということで、入ってみました。

お店の中は現代アート的な、灰色と鈍い銀色で構成された、若干無機質な空間でした。注文すると、しばらくしてワゴンで調理器具が運ばれてきます。
そう、目の前で調理してくれるのです!
写真撮影、SNSアップロードご自由にどうぞとのことでした。遠慮無く撮らせていただきます。

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調理方法について、口頭で説明しながらクレープシュゼットを作ってくれます。クレープは若干もっちりめの仕上がり、杏のお酒でフランベします。

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一気に火がつきました!
テンション上がります!

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クレープの味付け後は、カットした桃をソースに浸します。この桃も、一度冷凍して中をシャーベット状にすることにより、ソースの味を染み込ませ易くする等の工夫がされています。最後にクレープを皿に並べ、フライパン上のソースをかけ、桃とアイスを乗せて……完成です。

クレープシュゼット

すごい! この色味。圧倒的です。

バニラアイスの甘み、桃の果実感、ソースはオレンジの柑橘系さっぱり味と桃のこってりとした風味が合わさり、いくらでも飲めそうですし、ソースの味の染みたクレープはもはや……美味!
昨日飲み過ぎて荒れた胃も関係なく、クレープシュゼットは喉を通りました。お値段も張りますが、充分に美味しかったし、サービスが丁寧で人間になれました。

金平糖

お土産は泰明小学校の前にある、『緑寿庵清水』の金平糖です。こちらは皇室が記念日に配る、ボンボニエールの中身を作っている由緒正しいお店であります。流石銀座。
試食で摘まむような一粒を頂いたので、囓ってみたら、金平糖が割れる瞬間にロイヤルミルクティーの風味がブワッと広がって、美味い……と唸ってしまいました。主題の味をたった一粒で再現する。なんというクリエイティブな食べ物だろうか。

やはり銀座は深いです。財布をどこまでも吸い取ってゆきますが、接客丁寧で一流のお店が集まっています。これで悲しみも吹き飛んだ……とはいかないのが人間ですね。でも、何かやりきった気はしました。

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