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軽井沢のクラシックホテル(万平ホテル、2020年11月)

先日、軽井沢へ行ってきました。
といっても、大分経っているので記憶頼りだし、その記憶もだんだん欠けてきているので早めに書き残そうと思っていたのですが。

今回はまともに予定を組む時間が無かったので、着いた後はノープラン旅行です。しかも、雨が土砂降り状態で救いようがありません。

行き先はクラシックな「万平ホテル」です。地図で見れば明らかなのですが、駅から離れています。なんとか歩けないこともない距離です……周回する観光バスもありますけど、時間が限られていて頼れません。ならばタクシーか、もう一つの手段だ。駅前の「サイクルメイトQ」さんで自転車を借りることにしました。雨なのに。

サイクルメイトQさんでは、一泊二日等で日を跨いで自転車を借りることができるのです。あとは停める場所ですが、聞いた所では万平ホテルに自転車用の駐車場があるとのこと。軽井沢駅から自転車で行く人も多いようです。
借りられる自転車は、変速ギアの有無で料金が微妙に変わります。折角なのでギア付きにしましょう。レインコートも借りられるのですが、170円で新品も扱っているそうなので、これを買います。地図も頂きました。

雨の中、レインコートを着てふらふらと自転車を操り、軽井沢の大通りを進みます。過ぎてゆくおみやげ店、燻製肉店、どれも気になりますが、振り返ろうとするとレインコートのフードが顔にかかって見えません。ついでに後方から迫る車両も見えないのでそこそこ危険です。大通りから別れて、木々と落ち葉の道を行くも、やはり交通量は多いです。

昔、この森に囲まれた別荘地を歩いたものです。懐かしいです(別荘は持ってません)。鎖を引きずった大きな犬(どこかの別荘のペット)が遠くから現れ、この辺りの道を必死で逃げたりもしました。なんか尻尾を振りまくっていたので敵意は無かったみたいですが、中型犬以上のやつだったのでその時は死ぬかと思いました。

さて、びしょびしょに濡れて万平ホテルへ辿り着きました。前回の日光金谷ホテルもそんな感じで入館した覚えがあるのですが、今回もひどい状態です。激しい雨とレインコートが視界を塞ぎ、自転車を停める場所も分からない。取り合えずホテルマンの方に声をかけました。
宿泊で来た者ですが……。

停める場所を案内して頂き、入館しました。ロビー内に幾つもストーブが置かれ、今が寒い季節であることを認識させられます。この日は気温若干高めだったので、火はついていませんでしたが。レインコートをはたいて貰い、さらにタオルまで持ってきてくれました。自転車を停める場所も本来の屋外とは別の、屋根のある場所です。何もかもすみませんね……この時点でサービスが行き届いているのが分かります。なんかこう、親切って感じです。次の日に出発するまで色々ありましたが、全体を通してホテルマン的対応というよりも、シンプルに親切心という雰囲気の対応をして頂けました。
イレギュラーな事態の対応でサービスを測るとか、そういったやらしい意図はないのですが、ずぶ濡れ入館したお陰で分かった気がします。

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この暗い色の木目調、赤系の絨毯、照明、ステンドグラス。いいですね、この趣がクラシックホテルですね。入館時、写真奥のテラスでランチをやっていました。自分も何も食べていないので、入ってみました……。

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まずミックスサンドを注文です。お洒落なカットで出てきましたよ!
シャキッとした葉物にトマトの酸味、そしてスモークチーズの香りが奥から抜けて美味いです。外に面したテラスの雰囲気も良し。テラスの写真、撮ってなくてすみません。お客さんを巻き込みそうだったので。

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続いてスグリのシャーベットです。万平ホテルといえば、泊まっていたジョン・レノンのことが有名ですが、彼ゆかりのアップルパイとするところ、こちらにしてしまいました。やっぱりアップルパイが良かったかな……とも思いましたが……今も思っていますが……これも酸味があって爽やかな味です。

昼食後、おみやげのコーナーへ行きました。

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ショーウインドウの食器に鈴蘭の模様が配されています。夕食時に聞いてみたのですが、鈴蘭がホテルのシンボルとなる植物のようです。近くの郵便局の庭に群生していたとか、敷地内に沢山生えていた(ネット調べ)とか、そういったエピソードがあるのだそうで。

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館内の所々に、軽井沢彫があります。日光金谷ホテルほど彫刻全開という感じではありませんが、全体の重厚感を増しています。

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おみやげのノベルティグッズが強力です。装丁された、小さな本に見立てたお洒落な箱に入ったキャラメルに、糖衣のゼリー。内容量によっては手提げバッグ型もあります。これは綺麗です。

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淡いタッチの絵はがき、便箋もいいですね。

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テーブルマット、手ぬぐい等の布製品グッズです。やはりホテルのシンボルである鈴蘭等の植物が描かれています。写真じゃ伝わりにくいんですけど、いかにも欲しくなりそうな、若干女子向けなラインナップです。
昔訪れた時は、アルプス館(客室)に毎年泊まりに来たというジョン・レノングッズが多く並んでいたのですが、見かけませんでした。時代でしょうか。

館内の客室はアルプス館、アタゴ館、別館、ウスイ館の四つがあります。今回はウスイ館に泊まりました。一番後に作られた客室なのでしょうか。フロントから廊下をまっすぐ行った先のエレベーターに乗り、三階建てのところ、真ん中の二階に降りて、さらに右をずっと進んで、途中にあるエレベーターを使って三階上へ……というなかなか複雑な構造です。もちろん後で迷いましたが、ずぶ濡れで入館した時に対応してくれたホテルマンさんが丁度通りがかって案内してくれました。やはり親切です。

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客室はベッドを置いた箇所が格子窓で仕切られていて、そもそもが大きいです。本来、二人部屋だからというのもありますが・・・・・・。そしてやはり綺麗です。テレビと窓の先を観るためだけの空間がありますからね! オットマン付きの椅子で寛げるのです。丁度映画をやっていたので、観たかったです。後述のバーで飲み過ぎて寝込んでいたので、無理でしたが。

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洗面台とユニットバスです。大きいですね。右側に幾つもパイプの通ったタオル掛けがあるのですが、これがヒーターになっており、掛けたものを乾かすと同時にバスルームを暖めているのです。冬は寒い地域だからこその装備。高級ホテルは置かれたタオルの数が多いのも、例外なくその通りです。

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来ました! 夕食になりました。コース料理です。
メニューはこの通り。歴史あるメインダイニングルームの雰囲気をど真ん中で味わいたかったのですが、通り越して窓の席に案内頂きまして……多分いい場所なんだと思うんですが(ついでに一人客への配慮もあると思うのですが)。良い写真が公式ホームページにあるので、そちらをご覧下さい。

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まずはグラスでワインです。長野メルロー、重すぎず、しかしながら深い味わいでした。美味しかったので今度買いたいです。カメラをガチャガチャやっていたら、「撮りますか?」とボトルを置いてくれました。

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前菜。「信州大王イワナのマリネ ライム風味 ヴィネグレットソース 4種の大根を添えて」です。
やあお美しい。川魚らしい風味と味に、大根の青い香りが相まって……、押し出さず、美味しい入り口です。

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続いて「聖護院かぶらのスープ ゆり根を浮かべて」。
淡泊です……自分の舌ではちょっと分からないかもしれない。ゆり根も何も、ほぼ感じられない淡泊さです。

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一緒に出てきたパンは二種類、全粒粉のパンと、はちみつを練り込んだパンです。これが美味かった。バターを塗るとそれだけで戦えそうです。個別では売っていないとのことです。

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五香粉風味を付けた真鯛のポワレ ブールブランソース」。ポワレで塩気のある分厚い鯛です。鯛はほぐれる歯触りがいいですよね。五香粉がよく分からなかったのですが、上に乗っている野菜のことだったような気がします。

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国産牛フィレ肉のグリル マデラ酒ソース
これが美味かった。柔らかな肉に、濃厚なソース。焼き目の香り。最近食べた中で一番良い肉です。

デザート

りんごのコンポートとレーズンアイスのパイ乗せ(うろ覚え)」。
表現的に適切かどうか分かりませんが、マルセイバターサンドをアイスにしたような、お酒の入ったレーズンクリームの味です。甘さ抑えめ。

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最後は紅茶です。やはりカップが鈴蘭柄です。

それから、フロント近くのバーに入りました。
霧の軽井沢、軽井沢の夕焼け、森の妖精。
カクテルの名前が洒落ています。
ここはひとつ、「軽井沢の夕焼け」といきましょう。

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杏のカクテルです。故に夕焼けアプリコットカラー。
静かな店内、抑えた照明の下で光るようで、美しいです。そしてアルコールが強い。これは自分では危ないと思いつつ、ちびりちびり飲みました。
ああ、もう真っ直ぐ歩けない。
なんとか部屋に戻りましたが、しばらく意識を失いました。目覚めたら、観るつもりだったTVの映画は放送が終わっていました。

翌朝。朝食です!

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選べる卵料理、フレンチトーストもあって惜しかったですが、やはり定番のオムレツを選びました。新鮮そうな卵にケチャップを乗せて、こうだ。

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肉料理はハム、ベーコン、ソーセージの選択制。香草の混じったソーセージで行きます。コーヒー紅茶の他にジュースも選べるので、モモのフレッシュジュースにしました。
充実した朝食。やはりパンが美味いです。
そして昨日の天気とは打って変わり、すっかり晴れました。

来館時に雨で慌てていたので、自転車の鍵をソファに落としてしまったのですが、フロントでちゃんと保管していてくれました。弁償しなくて済みました……申し訳ないです。自分のような、よそった飯をこぼすタイプの人間にも、最後まで親切な良いホテルでした。


ホテルから出た後は全くノープランだったので、一番賑わっている旧軽井沢銀座をブラブラしたぐらいで大したことはしていません。

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有名なパンの浅野屋があったり・・・・・・。

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沢屋のジャムは割と手広く展開しているのですが、こちらのジャムはあまり見かけないです。ラインナップは両者とも重なる面は多いものの、コケモモのジャムというのは、こちらの「中山のジャム」でしか扱っていないようです。変わったジャムが欲しかったので、買いました。

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こちらモカソフトで有名なミカドコーヒー。モカソフトとセットになりませんけれど、飲んでみたいので三笠ホテルブレンドを選びました。

「大城レース」さんに是非行ってみたかったのですが、コロナウイルスの影響でしょうか、閉店していました。よく見ると旧軽井沢銀座もシャッターの閉まった店がちらほらと。影響は大きいです。

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万平ホテルの外観を撮っておけばよかったのですが、勢いよく自転車で出てしまったので……、写真はありません。これも公式ホームページで見てください。ホテル途中の道で撮った、別荘地の木々で終わりとさせて頂きます。良い天気でした。

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