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2023年 柴又100K 一応完走記録

2023年5月21日
9回目の「柴又100K」を走った。一応完走できた。
タイムは歴代ワースト2位。
家に帰るまでの時間を含めれば、断トツのワースト1位となった。
レース中、そして完走後も地獄の大会となった。

・天気

天気は曇り時々晴れ。
最高気温は25度くらいだったか。
暑かったけど、まだ5月といった陽気。最悪と呼べるほどではない。
風もきたみなみともに穏やかで、普通のランニングなら十分楽しめるコンディションだった。

・スタート前の心境

先月(4/16)「チャレンジ富士五湖(118kmの部)」を走ってたので、距離に対する恐怖心は薄かった。
「チャレンジ富士五湖」は、98km地点の関門で終わった。
関門まで12時間台で行けたので、制限時間14時間の「柴又100K」なら、理論上完走する自信はあった。また、コースのメインとなる江戸川は、タタハムのホームグラウンドでもある。地の利あり。

・レース記録

・0km(スタート)~55km
予定していた"1km5分半"前後のペースで走る。
天気も良かったし、変に緊張感もなかったので、実はちょっとばかり自己新を意識していた。
狙いはサブ10(10時間未満の完走)。
コースはほぼフラット。高低差を考える必要はないので、ペースの維持に専念できる。

今回はほとんど無心で走ってた。歩行禅ならぬ走行禅?
ポジティブな考えをするより、ネガティブな考えを無くす。

エイドで、ランナーをサポートする女子がカワイイ。部活動の一環か、ボランティアか。日曜日だというのにありがたい(もちろん女子以外も)。

トップ選手は、タタハムが38kmくらいの地点でもう折り返してきた(往路と復路は同じコース)。60km地点は通過してるだろうか。速すぎワロタ。

ほぼイーブンペースで、レストステーション(約46km地点)に到着。
ドロップバッグを受け取り、すぐに着替え、エイドで卵焼き、はちみつ、ごかりん焼きを頂く。
自分でも菓子パンとかカロリーメイトとか持ってきてたが、既に食欲はない。全部食べるのも時間がかかるので、菓子パン(ヤマザキのスペシャルサンド)だけ1つ、無理やり水で流し込んだ。

レストステーションを離れて後半戦にはいると、例年ガクッとペースが落ちる。長時間休憩すると、エンドルフィン(?)の作用が減り、痛みが露呈してくるからだと思ってる。
今回は、五霞町ごかまちエリア(46km~55km)まではペースを落とさず、まあまあちゃんと走れた気がする。

再び江戸川に戻れば、あとはゴールまで南下するだけ。
ここまでくれば気持ちが楽になるかと思ったが、ペースは落ちていった。
この時、"1km5分半"のペースを維持するだけでも相当な力を使っていた。感覚としては、けっこう真面目に走ってる。無理してたのだと思う。

・55km~70km
60km地点まで、タイム上はサブ10ペースで進んでいた。
とうとうこのあたりから、脚が攣り始める。
手始めに、左太ももの裏が攣った(なぜか最近攣りやすい部位である)。
ここだけならまだ致命傷ではなく、一応前進できる。
しかし、一回攣ってしまうと、怖くていつもの走りができなくなる。
残りの距離が半分を切ってるとはいえ、こうなってしまうとペースは上げられず、1kmがどんどん長く感じる。
「つらい、もうリタイアしたい」
この地点で弱音を吐いてしまうとは、昔よりメンタル弱くなったなーと思った。

・70km~90km
70km地点で、タイムは7時間を超えた。
サブ10は不可能となった。

この区間は、ほとんど歩いてた気がする。
何度も脚が攣ると、
・歩きながら回復するのを待つ(願う)か
・止まって休憩するか
いつも悩む。
大抵は前者を選択する。止まってしまうと緊張が切れ、完全に動けなくなってしまいそうだし、ゴールにも近づけないから。

今回も、歩きながら回復を待つ。
エイドで水を取り、両脚にかけて、だましだまし歩き続ける。
「こんなんで制限時間内にゴールできるのか?」と、不安になってくる。
「1kmを10分で進むと、10km進むのにかかる時間は? 100分? 100分って何時間だ?」
残念なことに正確な答えは出せなかったが、こんなペースでも制限時間内に完走できるという結論にはいたった。
ギリギリになってもいいから、前に進む。

……だが、85km地点くらいだったか。
ついに攣りの中で最も致命傷となる、ふくらはぎにきてしまった。
それも片脚だけでなく、両脚同時にきた。
近くにつかめる物はなく、場所が未舗装路だったので、倒れると砂利で痛そうだし、砂まみれになる。後続のランナーに与えるインパクトも大きい(はたから見れば、人がいきなりうなりをあげて倒れるのだ)。なので、痛みをこらえながら屹立きつりつするしかなかった(まさに弁慶の立ち往生)。

なんとかおさまってはくれたものの、こんな状態では走るのはおろか、歩くのすら怖い。ペースはさらに落ちる。もはや普段の徒歩より遅い。
その後も何回も攣ってしまうので、「海まで何km」と書かれた標識を見つけてはそれに捕まって休みつつ、ちょこちょこ進んでいく。
ギリギリゴールできると思ってたが、このペースだといよいよ怪しくなってきた。

ランニングが好きなのに、全然走れない。
脚が攣る恐怖におびえながら、のろのろ歩いてるだけ。
何が楽しくて今の状況にいるのか、訳がわからなくなった。
ウルトラマラソンなんか走らないで、10kmとかハーフとか、全力で走り切れる距離を全力で走ったほうが、タタハムの性に合ってるのではないか。
これが終わったら、もうウルトラマラソンは卒業したい。

ここまで来てもったいないけど、
今度こそ本当にリタイアしようと思った。リタイアする自分の未来が見えたし、1回くらいリタイアする年があってもいいのではないかと考えた。

・90km~100km(ゴール)
もうすぐ90kmという地点で、サロンパスおじさんと出会った。
サロンパスおじさんは沿道で私設エイドをやってて、コーラやファンタの他、足元にはたくさんのエアーサロンパス(スプレータイプの湿布)の缶が置いてあった。
最初はスルーしようとしたが、本能がエアーサロンパスを欲したので、それだけお願いした。
何も言わずとも、一缶なくなるんじゃないかくらい、念入りに両脚に噴射してくれた。

その効果は絶大。
なんと、脚が攣らなくなった。
サロンパスすげー!!

正確にいうと、それがエアーサロンパスという製品名なのか、そもそもおじさんという年代の人だったかもうろ覚えだが、あきらめ寸前で助けられた。
ありがとうサロンパスおじさん。もしここでスルーしてたら、マジで完走できなかったかもしれない。

流山橋を越えれば、景色は普段のランでも見慣れた江戸川コースとなる
(ただいま松戸、会いたかったぜ松戸)。
ゴールまでまだ10kmあるので油断できないが、ペースはちょっとだけ回復している("1km10分未満")。着実に進めば、ゴールに間に合う確信はあった。
どんどん後続のランナーに抜かされるけど、気にしない(60km地点から、既に抜かされまくってたけど)。

残り3km。
ラストスパートをキメたいところだが、最後まで走り切る自信がなく、また脚が攣ってきたので、歩いたり走ったりで中途半端な感じになった。
明かりが灯る大会会場を視認したあたり(残り500mくらい)で、ラストラン。

FINISHゲート見えた。
自分の名を呼ぶMCの声。
満面の笑みとガッツポーズでゴール。

後半ずっと完走できないと思ってたが、ようやったわ……。

・そして……

レースとしての「柴又100」は終わったが、
タタハムの「柴又100」は、まだ終わらない

つづく↓


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