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ドリルクライ スモウガール

tatacuuc
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​缶切りで缶を切っていた。
切った缶の縁で切った身はみかんの味で、オセアニア・カナカ族の骨で骨を打つ儀式を最後の思い出に、それは中毒症状を引き起こし、結局指が5本無くなるまでカラダみかんは続いた。

みかん漬けの指は、透き通ったオレンジ色の中で、光を反射しながら揺らいでいた。
さーっという草の音がして、網戸をくぐった風が部屋と自分に当たった。
傷口がめくれた。
一週間がとても長い。この時間がとても長いと思った。
お前は特別ではない、普通でもない。と先生が言った。

ドリルクライ、スモウガール。

流れるままに水田を刈る。

心臓は思ったより跳ねてないから笑いながら手を振っていくよ。
ブラインドをして、ゴミ箱をひっくり返したような独り言を洪水で流すよ。
あれは90年代だった。

…沈めてやろう。笑いながら手を振って。

理性が消し飛んだ。笑ってたね。可愛い男の子。

待ってた。
崩れ落ちた。
はっけよーいのこった。

君のナイフはたぶん君の世界だけを変える。
君は捕まったのかな。自殺したのかな。

少女の剥製?少年の剥製?
雨の音が止んだ。でも雨なんて降ってなかった。たぶん捏造したんだ。雨が地面に当たる音が男の子を閉じこめて封印した。
悲しそうな顔してるように見える。悲しいのかな。なんで悲しいのかな。怒ってたからお母さんを殺したのかな。願いが叶ったのに悲しい。しい?たくさん空白があってずっと白い日差しがテレビのある部屋にさんさんと。

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