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人口知能同士の推理バトル

探偵AIのリアル・ディープラーニング 
早坂吝 新潮文庫


あらすじ
人工知能を研究する父が密室で不可解な死を遂げる。警察が事故死と決めつける中、納得がいかない息子の輔(たすく)は父の部屋を調査するとSDカードが見つける。SDカードの中には探偵のAI・相以(あい)がデータで入っていた。犯人を相以と追う過程で父が作ったもう一つのAI・以相(いあ)を奪って悪用するテロリスト集団の陰謀を知ることになる。以相が起こした難事件に相以と輔は挑むことになる。

早坂吝は○○○○○○○○殺人事件というタイトル当てを題材にした異色の推理小説でデビューしている。今作も人工知能が探偵・犯人というかなりの最先端異色作の短編である。フレーム問題やシンボルグラウンディング問題など人工知能ならではの問題をテーマとしている。かっといって読者が置いてきぼりになるわけでなく読者への条件開示はしっかりされており、犯人当てに関してはロジックによって導くことができるのである。
犯人AIの以相が犯罪計画を人にやってもらい、探偵AIの相以は輔と一緒に推理材料を集めてもらい推理する形式になっており、人工知能を題材としながら人の手を借りる必要があり人工知能も成長していくそして人工知能同士の推理バトルが読者を熱中させていく作品である。

あわせて読みたい本
犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー 早坂吝 新潮文庫
続編である。相以と以相のさらなる活躍が読める。

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