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新車の慣らし運転7

婆様に
前回会ったのは3年前か。

初めてバイクで北海道上陸を果たした時以来だ。

そのときは、婆様のススメで釧路にいる叔父さんを尋ねて、カニをたらふく食べさせて頂いた。
しばらくは、カニを見るのが嫌になるぐらいな贅沢な経験をした。
10年以上振りに、従兄弟二人に会いその家族4人と共にカラオケに行った記憶がある。
『こんなに楽しいのは初めてだ。』と叔母さんが言っていたな。

なかなかそう頻繁には、関東から北海道へは来れない。
金と時間、たったこれだけの問題なのだがな。

婆様に会うのはコレで人生5回目だ。
3歳の時に妹が産まれるので、仙台で世話をしてもらったのが、1回目。
爺様が亡くなったときの葬式で、2回目。
就職した1年目の夏に、新潟からフェリーで来てカニ天国を味わったときが、3回目。
で、今回が4回目だ!
記憶がないときに会ったのを入れて計5回と言う計算だ。
ん?社員旅行で、冬の北海道に来たときも会ってるな⁉︎
合計6回か?

そんな久しぶりに会う婆様は、元気だった。
毎回淹れてくれるインスタントコーヒーには、必ずブランデーをたして、香付けをしてくれるし、食事は近所のスーパーに2人で毎回買い物に行って、食べたいモノを物色した。
親父の1番上の兄貴である叔父さんの蕎麦屋にも連れて行ってもらったりもした。
そこでも従姉妹二人に会うことができた。

そんなこんなしてるうちに、バイクの走行距離は伸び悩み、帰る前日まで留まることになった。

でも、これが生きてる婆様に会った最後だった。

2度と聞くことのできない、様々な話しを時間をかけて聴くことができたのは、間違いない選択だったと今でも思っている。

つづく!

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