人事評価の穴_つまり声が大きい人たち



穴につまずくのは

ここ数日で、下記の例をあげて人事評価の穴について書いてきました。

告げ口屋さん
否定する人
私生活を持ち込む人

こういう人たち、つまりは大きい声で甘えてくる人たち、と言えると私は思っています。
ほとんどの人はいろいろな不具合を抱えながらも、基本的に自分サイドで片をつけているもので、特に仕事においてはあえて言わない、という人も多いのではないかなと思います。

ですが、人間は大きい音にはつい反応してしまうものでもあります。
相談があるんです、と言って話しかけられれば聞きますし、聞けば何か解決策はないかなという思考も動きます。
場合によっては感情も揺さぶられます。

その大きい声が判断の誤りを誘発しうっかり穴に落ちる事態を招いてもしまうのだと思っています。

個々人の問題として捉えてしまう

そして、話を聞いているうちに、なんだか、今ここで話されていることは目の前の相手固有の特別な問題のように錯覚したりもします。
でも、たいていの場合は全然違って、もはや全員が持っているといっても過言ではない、不具合や、不安や、その他いろいろなことを、ただ大きい声で言っているだけ、ということが多いです。

声を上げることが悪い、ということではないです。
解決できることもあると思いますし、むしろ全員が持っているようなことで適切に改善できる方法があるのであれば、それは会社にとって必要な報告ということもあり得ます。

でも、個々人の問題としてのみ捉えて対応してしまったら、全体の改善の道は閉ざされてしまいます。

個別対応はしない姿勢で臨み、経緯を蓄積する

では、どうすれば?ということになりますが、評価においてはまず、個別対応しない姿勢が大事だと思っています。

特にスタートアップでは人事評価について、何ひとつ決まっていないことも多いです。
指標や基準はもちろん、いったいどんな従業員が必要なのかすらよく分かっていないこともあります。
そんな状態で行う個別対応は、アンバランスしか生みません。
しかも、何の蓄積もなく、ただその時その時に決めたことが流れていった結果のアンバランスなので、なかなか最悪です。

ですので、何か情報が入ってきたときに、まずは個別対応せず、

  • ほかに同じ状況はないか

  • その人に対して対応したときにバランスが悪くなる部分はないか

  • 本当に業務上必要なのか

など、常に全体に目を向ける姿勢を持ち、検討結果や判断基準、対応範囲を記録しておくだけでも最悪の事態は避けられるのではないかと思います。

是正できる機会に是正できるように

とはいえ、人事評価は難しいものです。
特に、スタートアップ初期には本当にいろいろな問題も生じます。

ですが、いざ人事評価制度をきちんと設計しようという段階になったときに、生じている問題をせめて理論的に解決するよすがは持っておきたいものです。

そのために、まずは個ではなく全体を見る姿勢でことに臨み、経緯を残すことで仮に判断自体が稚拙であったとしても足場にしたところに戻ってこれる状態を目指すのがおすすめです。
そうしておけば、是正できる機会に適切に是正ができる可能性はぐんと上がるのではないかなと思います。

人事評価の穴一覧


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