人事評価の穴_否定する人
どういう人?
ここでは下記のような人物像の方を想定しています。
入社してきたときに、これまでのやり方がおかしいと主張し、業務が滞る理由にする
新しい仕事を任せる際に、前任のやり方がおかしいと主張し、業務が滞る理由にする
仕事をする人なら?
状況にもよるとはいえ、基本的に最初は既存のやり方を踏襲
一度業務を完了させたうえで、既存のやり方に疑問があればその理由を確認
理由を踏まえたうえで改善案があれば提案
私はこのうち、2番目の「理由を確認」が最も大事だと思っているのですが、やる人は少ない印象です。
能力を買われて入社してきた人が、既存のやり方をダメ、と決めつけて、まるで一つの業務の正解は一つしかないかのようにやり方を変えてしまい、現場は大混乱、ということはありがちです。
雇った側も「変えてほしい」とは思っているのでなかなか止めるのは難しい事態だったりもします。
過去いろいろな会社で業務をしてみて、確かにあまりにも非効率な作業というのも存在しますが、案外、そこに至った理由を聞いてみるとやむを得なかったんだなと思えることも多いです。
少なくとも、目に見えていることだけを別のやり方にスイッチしても解決しない、むしろ悪化するということはあり得ますので、ともあれ、理由を確認し、それを踏まえたうえで適切な部分から改善する必要はあると思います。
対応方法は?
分析
考えられるのは例えば下記です。
業務のやり方は幾通りもあり、またすべてを網羅する完璧な方法というものも稀なので、既存のやり方を否定するのは分かりやすく自分を有能に見せやすい
「効率的で速い」ことが大切だと信じていて、故に業務の最善のやり方は効率化一択だと思っているので迷いなく非効率的な方法を一蹴する
対応方法
分析結果例の状態の場合、例えば下記のようにアプローチします。
前者のような「自分を有能に見せやすい」理由で否定してくる方は基本的にあまり改善自体には意欲的ではないことが多い印象です。
「こうすればいいのに」という案のようなものは出してきますが、自分で動いてその改善をする動きはあまり見せません。
ですので、基本的に何を言ってきても「具体的な修正案を作ってもらってもいいですか?」と返しておけば概ね対応可能です。
文句を言いたいだけの人なら言わなくなる可能性が高いですし、有能に見せたいのではなく、純粋に改善する気がある人なら持ってきた修正案を検討すればOKです。後者のような「選択肢一択」の方については、一人で突っ走らせるのを避けられさえすれば大事には至りにくいと思います。
ただ、結果的に効率重視ではない方法を採ることになった場合に不満を持つかもしれないので、その辺りのフォローは必要かもしれません。
穴は?
陥りがちなのは
前者の「自分を有能に見せやすい」理由の方については「言ってることを鵜吞みにして上司などが修正対応をしてしまう」
後者の「選択肢一択」の方については「任せてしまう」
ことかなと思います。どちらも「修正案(に見えるもの)を野放しにしてしまう」状態です。
特に前者の場合は、その後何度でも「やっぱりこのやり方もダメ」と言ってくる可能性が高いです。
提案してくれる人、というのはスタートアップ初期のバックオフィスにおいてとてもありがたい存在ですので、やってやって、と無条件で背中を押したくなる気持ちは分かります。
が、いったん冷静に受け止めて、その人がどの程度の覚悟をもってその提案をしているのかを見極めてからお願いしても遅くはないかな、と思います。
人事評価の穴一覧
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