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雑誌「a+u」に「DECODE」に関する記事を寄稿しました

雑誌「a+u」612号、特集「アーバン・サイエンスと新しいデザイン・ツール」にEUの「DECODEDecentralized Citizens-Owend Data Ecosystem、分散型市民保有データエコシステム)」に関する記事を寄稿しました。



特集のゲストエディター・監修を東京大学アーバンサイエンスラボの吉村有司先生がやられており、お声がけいただきました。


2019年に渋谷未来デザインの仕事でバルセロナのスーパーブロックスやDecidim等のスマートシティの施策を視察しに行った際に、コーディネートしてくれたのが長年バルセロナ市の都市政策に関わってきた吉村先生でした。

本特集は、データという可視化しづらいテーマを扱っているため、どうしても文字が多くなりそうなところを、様々なダイアグラムやCGなどでビジュアライゼーションしている意欲的な試みになっています。

巻頭にある吉村先生のイントロダクション「建築家にとって科学とは何か?」は、データサイエンティストとして、バルセロナの都市計画を担ったインデフォンソ・ゼルダと丹下健三(!)を照射しつつ、アーバン・サイエンスと建築家の架橋を自負する吉村先生による気合いの入った論考で、その思想がコンパクトにまとまっています。

スマートシティや都市政策・まちづくり分野では「猫も杓子もバルセロナ」とでも言うような状態ですが、「市民生活の質の向上のためにデータや技術を使う」という思想と長期的な戦略に基づく膨大なトライ(とエラー)があり、決してハイプではありません(膨大なプロジェクトの一部についてはヘッダー写真の右側の『Plans and Projects for Barcalona 2011-2015』などを参照)。

それとともに、同じやり方が日本では通用しないこともこの特集は突きつけてきます。

日本らしいやり方の可能性については、本特集でいくつか紹介されている米国や日本の事例とともに、「中長期的かつ戦略的な視点に基づいた」今後の取り組みに委ねられているのだと思います。


P.S.

わたしのチェック漏れで誤植が一点あります。

P52 「自己情報決定権」→「情報自己決定権」

お詫びして訂正いたします。

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