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はじめてのアラジン編【初心者向け】劇団四季ミュージカルの選び方【超個人的!】

今回は、劇団四季の人気作「アラジン」をご紹介します!
日本上演が始まってからまだ6周年ですが、初演からなかなかチケットが取れない、超大人気作品です。
こちらも近年実写映画化され、ジーニー役のウィル・スミスの青塗り顔が話題になりましたね!

まずは、総評から。

【概要】
ジーニーのジーニーによるジーニーのためのミュージカル
そして貧しい青年アラジンと、アグラバーの姫ジャスミンの恋物語

【立ち位置】
陽  ■□□□□ 隠
明解 ■□□□□ 難解

【オススメ度】
ストーリー  ★★★☆☆
曲・歌    ★★★★★
美術・衣装  ★★★★☆
演出     ★★★★☆
子供向け   ★★★★★
大人向け   ★★★★☆

【どんな人にオススメ?】
とりあえずミュージカル初心者の方全般!
うきうき、わくわく、楽しい気分になりたい人へ!

では、詳細の説明に入っていきます!

1.概要

アグラバーに住む貧しい青年アラジン
ワル仲間のオマールバブカックカシームの3人と、市場で盗みを働いては、衛兵に追われる日々を過ごしていました。
時を同じくして、アグラバーのお姫様ジャスミンは、求婚してくる他国の王子のアプローチにうんざり。
自由を求めて、姫という身分を隠し、王宮をこっそりと抜け出します。
市場に降りて来たジャスミンは、そこでアラジンと出会い、自由を求める2人は徐々に惹かれあっていきます。
その頃王宮では、大臣のジャファーが、王座を狙い計画を立てていました。
彼の目的は、魔法のランプを手に入れ、アグラバーを手中におさめること。
しかし、魔法のランプがある洞窟には「ダイヤの原石」しか入ることが許されません。
アラジンが「ダイヤの原石」であると睨んだジャファーは、ランプを取ってくれば何でもくれてやると説き伏せ、洞窟へと向かわせます。
ジャファーの誘導により洞窟へ入り、魔法のランプを見つけたアラジン。
しかし約束を破り、洞窟の中に閉じ込められてしまいます。
途方に暮れたアラジンがランプを擦ると、いきなり目の前に魔人が現れました。
ジーニーと名乗るその魔人は、俺は君の理想の相棒さ、願いを3つ叶えてあげよう、と歌い、アラジンはジーニーの力で洞窟を脱出するのでした。
(一幕終わり)


2.立ち位置

ライオンキング同様、明るく分かりやすい作品ですが、よりエンターテイメント性の強い演出になっています。

劇団四季版のアラジンはディズニーアニメとは異なる設定がふたつあるので、ぜひ観る前におさえてください。

違い①
各キャラクターの相棒が動物じゃない

ディズニーアニメ版のアラジンには、アラジンやジャスミン、ジャファーの相棒とも言える動物たちが出てきます。
しかし、劇団四季版では
アラジンの相棒サルのアブーは、陽気な3人組オマール、バブカック、カシームに
ジャファーの相棒オウムのイアーゴは、名前はそのままで部下となり
ジャスミンの相棒であるトラのラジャーの代わりに侍女たちが出てきます。
姿が動物から人間に変わっていますが、彼らがアラジンたちの理解者である立ち位置は変わりがないため、すんなり受け入れられると思います。

違い②
魔法のじゅうたんの出番がそれほどない

ディズニーアニメ版のアラジンに出てくる魔法のじゅうたんは、意思を持って身振り手振りでコミュニケーションを取る、チャーミングなキャラクターです。
しかし、劇団四季版では動く魔法のじゅうたんは出て来ません!
もちろんホール・ニュー・ワールドのナンバーで、アラジンとジャスミンはじゅうたんに乗って空中散歩を楽しむわけですが、そこにお茶目なじゅうたんはいないのです…。

ディズニーアニメ版をよく知る方からすると、少し寂しい部分もありますが、その違いも含めて楽しんでもらえたらと思います!


3.オススメ度

ストーリー  ★★★☆☆
分かりやすいストーリーですが、演目全体を通して振り返った時、物語の中心となるアラジンとジャスミンの恋模様の印象が薄く、バランスが悪く感じます。
総評の【概要】にも「ジーニーのジーニーによるジーニーのためのミュージカル」と書きましたが、バランスが悪いと感じる理由として、ジーニーのキャラクターが強すぎる…のだと思います。
ジーニーが歌い踊るシーンは、いつも華やかで明るく、彼自身のファニーさも合わさって、強烈な印象が残ります。
個人的に、ジーニーというキャラクターへの期待値が高く、さらにジーニーを演じる俳優さんの演技がその期待を簡単に超えていくので、余計にジーニーの印象が強いのかもしれません。
また、オマール、バブカック、カシームの3人の曲が新規に追加され、アラジンとの友情も描かれています。
その結果、アラジンとジャスミンの2人のシーンの配分が少なくなり、全体として恋愛要素のシーンが少なく(短く)感じるのかなと思います。

曲・歌    ★★★★★
ノリの良い曲がたくさんです!
主要キャラクターに男性が多いため男性のみの曲が多いのですが、とてもハーモニーが華やかで、男声ならではの力強さが加わり良曲揃いです。

・アラビアンナイト
冒頭、観客をアグラバーへ誘う一曲です。
とても妖しく魅力に満ちた音作り、華やかなコーラス、極彩色が眩しい衣装、妖艶なダンスで、気分は一気にアグラバー。
物語が始まるというワクワク、ドキドキ感が高まっていくナンバーです。

・ダイヤの原石
ジャファーとイアーゴが、アラジンに魔法のランプを取りに行かせるために口説き落とすナンバーです。
ジャファーは本作のヒール(悪役)ですが、ジャファーのバスと、イアーゴのテノールの素敵なハーモニーに、思わず魅了されてしまいます。
アラジンをヨイショするために褒める歌詞の所々に、本音の悪巧みや悪口(笑)が見え隠れする面白い一曲なので、ぜひ歌詞にも注目してみてください。


・理想の相棒 -フレンド・ライク・ミー
有名すぎる一曲ですね。
ミュージカル用にアレンジが加えられ、約8分にもわたる長いナンバーです。
その間、ジーニー役の俳優さんはずーーーっと歌って踊っていて、休む暇もありません!
なにせ、ジーニーの独壇場ですから!
ハモリもほとんどないので(コーラスは有りますが)、俳優さんの力量が試される曲だと思います。
アレンジが加わった箇所には、ディズニーミュージカルや劇団四季ミュージカルが好きな方ならピンとくる小ネタも仕込まれていて、それに気付くのも楽しいですよ。
ぜひ、手拍子してノリノリで楽しんでください!

・危険な冒険
オマール、バブカック、カシームが、囚われたアラジンを助けにいくために歌います。
陽気な3人組のハーモニーが、気分を高揚させます。
歌詞の本筋は、勇気を出してアラジンを助けに行くぜ!なのですが、途中にちょいちょいツッコミが入ったり、彼らの臆病さが出てくる、クスッと笑えるナンバーになっています。
この曲で、一気に3人組のことが好きになってしまいます。

美術・衣装  ★★★★☆
アラジンの舞台はアグラバーという架空の国ですが、建物や服はインドやアラブの文化を模しています。
魅惑の街アグラバーを表現する、目にも鮮やかな色彩の衣装や小道具。
とても煌びやかで華やかです。
物語の冒頭「アラビアンナイト」や「逃げ足なら負けない」のナンバーでは、舞台上のアグラバーの街並みが次々と変化していくのですが、舞台装置は全て遠隔で制御しているそうです。
劇場は広いので、遠くの席からはなかなか見えないのですが、衣装も小道具も細部までこだわって作られています。

演出     ★★★★☆
アラジンは劇団四季の演目には珍しく、アドリブがOKなのだそうです。
とはいえ、誰も彼もいつでもアドリブが可能なのではなく、ジーニーにのみ許されたものです。
ジーニーのお茶目さを表現するためにこういった演出がされているんですね。
俳優さんにとっては、とても頭を悩ませるところらしいですが…笑

子供向け   ★★★★★
ジーニーは子供たちが大好きなキャラクターですよね。
面白くて凄い力を持っている、まさに「理想の相棒」!
ストーリー展開も分かりやすいヒーローものであり、恋愛展開もあり、飽きずに見ることができると思います。

大人向け   ★★★★☆
ホール・ニュー・ワールドは、フレンド・ライク・ミーと並んで、アラジンを語る上で外せない一曲です。
劇団四季版のアラジンにおいても、ホール・ニュー・ワールドのシーンは、ロマンチックで2人の歌声にうっとりします。
大人の方でも、十分楽しめる要素が盛り沢山です。


4.どんな人にオススメ?

ミュージカルを観たことがない方や
楽しい気分になりたい!という方にオススメです。
登場人物も人間ばかり(ジーニーは魔人ですが、見た目は人間)なので、物語の中にスッと入っていきやすいと思います。
前回ご紹介したライオンキングは、登場人物がすべて動物なので、違和感を感じてしまう人はいるかもしれません。
そういう人のはじめてのミュージカルは、アラジンがおすすめです!


さて、はじめてのアラジン編はいかがでしたか?
劇団四季ミュージカル アラジンは、東京汐留(新橋)にある四季劇場[海]でロングラン上演中です。
誰もがハッピーになれる夢と魔法の世界を、ぜひ体験してみてください!

この記事が、誰かのミュージカル第一歩の手助けになれたら幸いです。
ではまた次回(^O^)

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