見出し画像

はじめてのライオンキング編【初心者向け】劇団四季ミュージカルの選び方【超個人的!】

今回は、言わずと知れた劇団四季ミュージカルを代表する作品「ライオンキング」!
日本上演22周年を迎え、未だにロングラン上演を続ける大ヒット作を紹介します。
近年、実写映画化もされましたね。

まずは、総評から。

【概要】
プライドランドの王子シンバの成長物語。

【立ち位置】
陽  □■□□□ 隠
明解 ■□□□□ 難解

【オススメ度】
ストーリー  ★★★★★
曲・歌    ★★★★★
美術・衣装  ★★★★☆
演出     ★★★☆☆
子供向け   ★★★★★
大人向け   ★★★★☆

【どんな人にオススメ?】
とりあえずミュージカル初心者の方全般!
特にファミリーにはオススメ!

では、詳細の説明に入っていきます!


1.概要

シンバは、プライドランドの王様ムファサを父に持つ子供ライオン。
やんちゃで生意気な盛りで、ムファサの執事であるサイチョウのザズーを困らせながらも、周りから愛されて育ちます。
そんな中、ムファサの弟スカーが、その王座を奪おうとある作戦を立てていました。
その作戦にハマってしまったシンバは、ヌーの大群に襲われてしまいます。
シンバを助けようとしたムファサは、ヌーの大群に飲まれ、死んでしまいました。
シンバが泣いていると、スカーが現れ「お前のせいだ!プライドランドから出ていけ!」とシンバを追放しました。
プライドランドを追われ、当てもなく走り続けたシンバは、疲れ果て、倒れてしまいます。
そこへ、ミーアキャットのティモンとイボイノシシのプンバァの陽気な2人組がやってきて、「ハクナ・マタタ」と、シンバを元気付けるのでした。(一幕終わり)

2.立ち位置

明るく分かりやすい作品です。
シンバを中心に話が展開し、善と悪がハッキリしているので、子供も楽しめます。
ただ、1.概要で書いた通り、この作品には「父の死」というファクターが存在します。
小さなお子さんには少し衝撃的な展開なので、保護者の方は気を付けていただくと良いかなと思います。

3.オススメ度

ストーリー  ★★★★★
分かりやすいストーリーです。
劇団四季の演目の時間は、休憩を入れてトータル3時間ほどになりますが、テンポ良く進んでいくので中だるみせずに楽しめると思います。

曲・歌    ★★★★★
素晴らしい楽曲の数々は、皆さんも聞いたことがある曲ばかりだと思います。
楽曲の中から、私の好きなものをいくつか紹介します。

・サークルオブライフ
ライオンキングといえば、という楽曲ですね。
呪術師のヒヒラフィキの「ナーチゴンニャー」という独唱から始まる曲です。
幕が上がった瞬間のその歌唱力に圧倒され、続々と現れる動物たちに、気分は一気にサバンナ。
体に響くリズムと壮大なハーモニーで、私は初っ端から必ず泣きます。
何度観ても良い。
聴いた瞬間、きたきたー!と心が躍る。
そう感じさせてくれるのが、このサークルオブライフです。
ちなみに、ラフィキを演じる女優さんで有名な青山弥生さんは、劇団四季のテレビCMで「劇団四季」と言ってるお方です。

・食っちまえ
この曲は知らない方が多いと思います。
ムファサの弟スカーと行動を共にする、ハイエナのバンザイシェンジエドの3匹が歌うナンバーです。
スカーの指示でシンバとナラを襲うときに流れます。
この曲の何が良いか、一言で「カッコいい!」
Aメロは静かに、ゆっくりと、俺らのことをコケにしやがって…という感じで始まります。
お前たちを食っちまおうか…?とシンバたちを取り囲みながらゆっくりと、だんだん盛り上がり…
「チチチチチチチャウダウン!(Chow Down=食っちまえ!)」
とドラムとギターでアップテンポに曲調が変わり、こぶしとシャウトがとってもクールな一曲。
ハイエナたちはスカーと手を組んでプライドランドを乗っ取ろうとする、いわばヒール(悪役)なのですが、ドジでいい加減でマヌケに描かれています。
そんな彼らのズル賢さ、ヒールとしてのカッコ良さが詰め込まれたナンバーになっています。

・ハクナ・マタタ
ライオンキングを語る上で外せない一曲です。
ティモンとプンバァの陽気な2人組が歌います。
ハクナ・マタタとは、くよくよするな!悩むなよ!という言葉。
軽快なリズムで心が晴れやかになります。
芸人の大西ライオンのネタ「心配ないさー!」はこの曲から来てます。
厳密には、「心配ないさー!」の言い方が本家とは少し違うのですが…笑
父の死、プライドランドからの追放、という辛い経験のあと、ハクナ・マタタが流れて一幕終了→幕間となるので、観客も楽しい気持ちで休憩に入ることができます。

・スカー王の狂気
これも馴染みのない曲ですね。
プライドランドの王となったスカーの哀愁を歌ったナンバーです。
そもそもスカーは周りから好かれていなかったので、王様になってもその扱いは変わらず…
「なぜみんな俺を好かぬのだ…」
と悲しみ、どうしたらいいのかと思い悩みます。
悲壮感もありつつ、音に遊びがあって、ファニーな一曲になっています。
スカーの寂しがりで弱く、少しお茶目な一面が見える曲で、彼の憎めないキャラクターを表しています。

美術・衣装  ★★★★☆
演出     ★★★☆☆

とても優れた作品なので「美術・衣装」「演出」も星5つを付けたいのですが、「初心者向け」「はじめての」という観点から、こんな評価になりました。
と言うのも、今までの経験上、ライオンキングの衣装や演出を「奇抜」と感じてしまう方も少なからずいらっしゃるのです…。
登場人物が全て動物という作品を、生身の人間が演じるので、衣装や演出には、通常のそれとは違う工夫が凝らされています。
それを「表現」と取るか「奇抜」と取るかは、人それぞれの感性によるものだと思います。

アフリカサバンナのむわっとした暑さを感じさせる美術。
動物の質感や、動いた時の羽や毛の動きまでを表現する衣装。
本当にそこに動物がいるような、そして動物の心情を表す、演者の動きの一つひとつ。
ストーリーやキャラクター、音楽だけでなく、こういったところも、演目全体を素晴らしいものに作り上げる要素のひとつです。

特に私が好きな演出が「ムファサがシンバに、生命の連鎖(サークルオブライフ)を説く」シーンです。
ムファサは王様なので、威厳のあるライオンの顔を常に着けているのですが、シンバに生命の連鎖の話をするとき、そのライオンの顔を取ってしまうのです。

(劇団四季ホームページより)

私的な解釈ですが、これは王としてではなく、シンバの父として大切なことを語りかけているという、ムファサの心の表れなのだと思います。

が、初めてライオンキングを観た知人と話した時、「あれ脱いじゃうの?!ってびっくりしたわー笑」と言われてしまい、そうか、そう感じてしまう人もいるのだな…と思ったのです…。

そんな背景もあり、はじめて観る方にとって好みが分かれるところだなと思い、星の数を少なくしました。

子供向け   ★★★★★
動物がたくさん出て来て、お子さんもとても楽しめると思います。
子供が大好きな、カッコいいライオンが主人公ですし!
ストーリー上、シリアスな展開もありますが、ティモンやプンバァ、ラフィキ、さらにはスカーも、笑えるシーンがあり、緩急のバランスがとても良いです。
さらには、幼少期のシンバやナラと、自身を重ねて観ることもできると思います。
観劇後は、この動物が良かった!自分がシンバだったら、ナラだったらどうする?と言った会話で、盛り上がれるのではないでしょうか。

大人向け   ★★★★☆
もちろん、大人の方でも楽しめます!
特に、ヤングシンバ、ヤングナラ(シンバとナラの幼少期を演じる子役さん)に注目していただきたいです。
小さいのに、歌もダンスも上手で、可愛いんですよ〜〜〜(*´꒳`*)
「はやく王様になりたい」のナンバーでは、がんばれ!がんばれ!と、その子の親のような気持ちになってしまいますし、
「ハクナ・マタタ」では、ヤングシンバから大人シンバへの入れ替わりがあるのですが、ヤングシンバ退場のときは、盛大な拍手を送ってしまうことでしょう。
小さな体で、舞台上ではとっても大きな存在感で、私たちを魅了してくれます。


4.どんな人にオススメ?

とりあえず、
ミュージカルなんて見たことない。
何を見ればいいのか分からない。
という方にはオススメです。
ストーリーも曲も知っている、というのは、舞台で起きてる出来事に置いて行かれない、ということです。
何も知らないと、舞台で何が起きているか分からないまま終わってしまい、何も楽しめなかった、という結果になってしまいます。
そういった点では、知っている、と言う安心感に勝るものはないですね。

ストーリーをうろ覚えだったり、子供が受け入れられるか(ムファサの死)不安な方は、先にディズニーアニメで予習してから観に行くのも良いかと思います。


さて、はじめてのライオンキング編はいかがでしたか?
書けば書くほど、まだ伝えたいことがたくさんありますが、今回はこの辺で終わりにしようと思います。

最後に!
ライオンキングは2021年9月から、新たな専用劇場「有明四季劇場」で公演を開始します。
今までは、浜松町にある「四季劇場春」→今は大井町の「四季劇場夏」で公演をしています。
新たな劇場で始まるライオンキング、今からとても楽しみです!

この記事が、誰かのミュージカル第一歩の手助けになれたら幸いです。
ではまた次回(^O^)

この記事が参加している募集

#おすすめミュージカル

1,434件

#おすすめミュージカル

1,479件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?