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ヒト科の人類、ネアンデルタール人とデニス人、そして我々人類。同時期に暮らしており、しかも交雑していた!

#ホモ・サピエンス #デニソワ人 #ネアンデルタール人 #人類史  
#サイエンス #科学  

ネアンデルタール人は、1856年ドイツのネアンデル谷で初めて発見される。以前から、よく知られた、化石人類。およそ、4〜3万年前に絶滅したようだ。かつては旧人に分類されていたが、現在我々と同じホモ族に分類されている。学名は、ホモネアンデルタールンシス。

一方で、デニソワ人は2008年ロシアのシベリア・デニソワ洞窟で見つかった。出てきた女性の人骨から、ミトコンドリアDNAを採取。分析の結果、我々人類やネアンデルタール人とも異なるところから、デニソワ人と言われている。約3万年前には生存していたようだ。

我々ホモサピエンスは、約20万年前にアフリカに出現する。我々人類は、6万年前ころにアフリカを出て、世界に散らばった。

この3系統の人類が、約4万5千年前の時期に活動している。当然のこと接触があり、それが我々人類のDNAのなかに残されていた。つまり交雑があったと言うことだ。

この2系統の人類は、約80万年前に我々人類と同じ祖先から分岐したもの。ネアンデルタール人は、主に中東やヨーロッパに住んでおり、デニソワ人は主にアジアに暮らしていた。

デニスワ人とネアンデルタール人は、約64万年前にわかれた非常に近縁なグループ。我々人類とは、1.5から2.1%遺伝子が違っているが、この両者は約0.12%が異なっているだけのようだ。

アフリカに住む人類以外の現代人。そのゲノムの2%がネアンデルタール人由来のもの。オーストラリア先住民や南太平洋の島々の人たちのゲノムを見ると5%がデニソワ人由来のようだ。これが、皮膚の色や免疫にもかなりの影響を与えていると見られている。

デニソワ人やネアンデルタール人は、我々人類よりも体が大きく、筋肉が発達していたと見られている。いま彼らが生きており、オリンピックに参加したならば、到底我々は勝つことができない。しかし、これが絶滅になった原因の一つとも見られているから、不思議だ。

主に狩猟採取生活で、食料をまかなっていた人類。筋肉が多いということは、必然的に食べ物を余計にとって来なくてはいけない。我々人類よりも20%ほどエネルギーを多く摂取する必要があったようだ。これは生存にとっては、かなり不利に働いたと見られる。

テニスワ人とネアンデルタール人との違い
*デニソワ人は、より大きな臼歯を持っていた。アフリカに生まれた初期の人類4百年前から2百年前のアウストラロピテクスを思わせる。
*ネアンデルタール人は、目が上に張りだしていて、顔が前に出ている。胸の骨が短く深く広いのが特徴。
ただこの両者は非常によく似ていたようだ。黒い肌や目や髪を持ち、体格や顔立ちもほぼ同じだった。

絶滅理由とは
よくわかっていないというのが本当のところ。以下は全て仮説である。
⑴先に述べたように、熱消費量が多かったこと。筋肉質であると、それだけ食料は多く必要となる。これが生存には不利に働いた。
⑵我々人類との競争と交わり。これによって、遺伝子が我々人類に吸収されてしまったとする説。今の北海道のアイヌ人も、これに当たるだろう。
⑶気候変動によるもの。彼らの生息域の環境が大幅に変わり、対応ができなくなったとする説がある。
⑷我々人類が、水辺を好んで生活の場にしていたことが良かったとする説。水辺は、意外と食料が多い。魚介類や海藻類が豊富だ。
⑸火を使ったことで、我々人類は生き残れた。暖を取れるだけでなく、調理に使えるメリットがある。積極的に使えたのが良かったとする説だ。

まとめ
とにかく、現代人の私たちの中に、デニソワ人やネアンデルタール人の遺伝子が残っている。いやー驚きと言うしかない。日本人がよく観光で行くオーストラリア。先住民のアボリジニの顔は、デニソワ人によく似ているという。彼らの顔を思い浮かべるとき、この話を思い出してほしい。

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