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「おばさん」呼びのモヤりはいつまで続くのか | 四十を超えた女のエッセイ

43歳女、わたしは所謂「おばさん」で間違いない。だからといって、おばさんと呼ばれることに慣れてはいない。同年代の女たちは、人生のステージをひとつ上がるように、大人として自然に受け入れている様子を見せる。
私はまだその域に至らないヒヨッコおばさんのようです。


「おばさん」と呼ばれるとざわつくのはなぜ?


「お姉さん」呼びにも違和感があったが、他に呼び方もなく、やり過ごした。他人を呼ぶときの呼称で、性別が女性だからというシンプルな呼び方と思える。
しかし「おばさん」呼びには、シンプルに人を呼びとめるだけではない悪口要素が入っている。おばさん未満おばさん以後の線引きや、図々しいとか失礼な要素が含まれる。魅力的と思う人、尊敬している人には使わない言葉だ。
「おじさん」にも同じように失礼な要素が含まれることもあるが、おばさんのそれよりは濃度が薄い。イケオジは褒め言葉として使われるが、イケオバはない。

3つの「おばさん」使用例 


「おばさん」呼びの種類を次のように分類しました。その辺の他人を指す言葉、蔑む要素が入る言葉、親族を指す言葉の3つに分けます。

その辺の他人を指す言葉

「おばさん」呼びは、シンプルにその辺にいる他人を呼ぶときに使われる場合もある。
悪意の要素は含まれないことも。おばさんという呼称が失礼なものという認識を全く持たない人種が使うときには、そこらにいる女性を指す言葉としてフラットに使われます。

一方、悪意が込められる場合。「おい!おばさん!」のように使われる場合です。この場合は、おばさんという言葉と悪口要素が絶妙にかみ合います。

しかし、他に言葉がないので単純に責めるわけにいかないのも難しいところ。
「おばさん」と呼ばれたら、イラっとしつつも確かに私はおばさんではあると収めることになる。

低評価要素が含まれる「おばさん」

否定の為の「おばさん」例は、「おばさんのくせに」「おばさんだから」です。これは、低評価を下す悪口ですね。
図々しい、褒められない見た目、意地が悪いなど、言葉に怨念がこもっています。
「ブスのくせに」「ブスだから」が使用法では近いかもしれません。これは、とても悲しい。

親族を指す「伯母さん、叔母さん」

もう一つ、わたしがモヤモヤすると思うのが、親族を示す「おばさん」です。
「おばさん」というワードが失礼要素を含んでいることが、現代では共有されつつあり、使用を控える人が増えた。妹夫婦はわたしのことを「ママのお姉さん」とか「○○さん」と表現する気遣いが垣間見える。しかし、母は孫に私を「おばさん」と呼ぶように教育するのだ。確かにわたしは伯母である。ただ、母におばさんと呼びかけられるとひどく気分が悪くなる。

わたしは親にはお姉ちゃんと呼ばれ、名前で呼ばれない方の子供だった。これは今でも恨みがあるが、母の思考は変えられないようなので諦めるしかない。


「おばさん」と共存したほうがラク


「おばさん」に代わる言葉はそう簡単に生まれそうもない。うまく共存することを考えた方が生きやすそうです。
結局、自分の人生を歩めていれば、呼ばれ方なんてなんだって構わないのだ。解決策は自分に集中すること。わたしのことは呼びたいように呼んでください。

それにしても、わたしは現役でお姉ちゃん呼びを恨んでいる人間なので、おばさんをモノにできるかどうか、かなりあやしいと思う。


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