好きになるのに理由は必要?
友達に「お互いのどこを好きになったの?」と質問をすることがあるし、私も質問されることがある。
だいたいの人は絞り出して何かしらの答えをくれるし、私も好きな人が好きな理由を自信を持って答えられていた。
ある時、ベットで何気なく彼に「私のどこが好き?」と聞いてみた。
私はどんなところを言ってもらえるのかワクワクしていた。
だけど、彼から「どこが好きなんだろ。」と困られてしまった。
内心めちゃくちゃショックだった。
まだ幼かった私はパッと出てこないってことは好きじゃないってこと?と悲しくなってしまった。
だけど3年半経って思う。好きな理由なんてあっても無くてもいいと。
なぜなら、彼のあの時嫌いだった所さえも、
今は愛おしく思ってしまっている。
好きな所が増えてきて、私自身、彼を好きな理由が分からなくなってきたからだ。
私は彼の自分勝手な所が嫌いだった。
予定立てるのが苦手で、
予定が無くても気分が乗らないと遊んでくれない、次はいつ会えるか分からない、
そんな飼い慣らせない気分屋の野良猫のような人だ。
そんな彼がふいに尻尾を振って寄って来くるとき、ありえないくらい可愛く感じてしまうし、そんな自由さ・自分の気持ちに正直な姿に憧れている節もあった。
彼から自分勝手さを取ったら、
私の好きな彼の素敵な所もなくなってしまうのかと思うとやっぱりそんなところも含めて、
全部まるっと好きだなと思った。
そうして、全てを愛おしく感じるようになってしまった。
人を好きになるきっかけなんて些細なことだと思う。
傷つけないように言葉を選んで、あの人の文章がやけに長くなっていると感じた瞬間とか、
同じ香水を愛用してて好みが似てるんだなとか、言い回しがいちいちウケるとか、
酔った勢いで声聞きたいって電話掛けてきてかわいいとか、
そんな些細な「ちょっと好きかも」の積み重ねが「この人がすき」なんじゃないか。
「人を好きになるのに理由なんて必要ない。だって、その理由がなくなったとき、相手の事を愛せなくなるでしょ」
私の尊敬する大人が言ってくれた言葉。
この言葉が深いのか浅いのかも今の私にはまだ分からない。
だけど、理由があっても無くても好きってことに変わりはないから、自分の気持ちに自信を持って好きでいていいのだと思う。
無理に理由を作らなくても、“理由がないこと”があってもいいのではないだろうか。
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