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パンチのある信州名物を挟んで、最強のおやきを作りたいんですよ~

こんにちは、わんこそばです!
突然ですが、信州名物「おやき」はご存じですか?

「おやき」は、小麦粉と蕎麦粉を水または湯で溶いて練り、薄くのばした皮にあんや野菜など旬のものを包み焼いたもので、信州を代表する郷土料理。地域によっては「やきもち」とも呼ばれる。上水内郡西山地域が発祥といわれており、その歴史は古く、小川村の縄文遺跡からは雑穀の粉を練って焼いた跡が発見されている。

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/oyaki_nagano.html

この「おやき」、有名な具材として同じく信州名産の「野沢菜」、「切り干し大根」、「きのこ」などが挙げられますが、いずれも日本食らしく脂質が低いです。
また、その具材を包んでいる皮に使用されている信州名産の「蕎麦粉」は、食後の血糖値を急激に上昇させにくい「低GI食品」としても知られています。

そうしたことから、近年「おやき」は、低脂質・低GIの健康食品として、日本のみならず世界からも注目を集めています

ここで、何か良からぬことを考えてしまった方はいませんか?
私はその事実を知ったとき、こう思いました。

じゃあ、めちゃくちゃ高カロリーな食品挟んでも罪悪感なく食べられるんじゃね!?

「おいしいものは脂肪と糖でできている」とはよく言ったもので、一人暮らしを始めて料理をするようになってから、好きだった料理を作ろうと思ってレシピを見た際に「こんなに砂糖入れないといけないの!?」「こんなに油使ってるの!?」など、驚くこともしばしば。最近は健康に気を使って自炊するときには砂糖や油を使い過ぎないように、お肉もバラ肉ではなくモモ肉を選ぶように気を使っています…
しかし!もともとの「おやき」が、ヘルシーなら、少々カロリーの高い食材挟んでもプラマイゼロ、むしろマイでしょ!いや、きっとそうだ…!

というわけで今回は信州が誇るヘルシーフード「おやき」に信州が誇る様々な具材を挟んで、最も相性のいい組み合わせを見つけていきたいと思います。

検証方法

・おやき3種類と、具材5種類を用意し、そのすべての組み合わせを試して最も合う組み合わせを見つける。
・おやきは加熱した状態で半分に切り、具材を投入する。
・具材は必要に応じて調理、調味し、最もおいしくなるよう工夫する。

判定員:わんこそば
食べることが大好きで、Instagramでは全国各地の
大食いチャレンジメニューに挑戦する投稿を行っている。

https://www.instagram.com/gatsugatsu_tsugawa/?hl=ja

エントリー食材

おやき

それぞれのおやき断面

1.野沢菜 

野沢菜おやきの断面


言わずと知れた信州名物。九州の「高菜」、広島の「広島菜」とともに日本三大漬け菜に数えられる。

2.きりぼし大根

きりぼし大根おやきの断面


寒い長野県の冬に古くから作られていた保存食。 

3.ねぎみそ

みそねぎみそおやきの断面


信州の名産品「みそ」と、ネギを合わせた一品。

具材

1.ソースカツ 

市販のカツに手作りのソースをかけた。

上伊那地方のご当地料理「ソースカツ丼」の具を拝借。千切りキャベツを載せる/載せないの論争はあるが、今回は載せない。

2.山賊焼き

広島県在住の中高生時代から慣れ親しんだ青春の味。
2018年⇒2019年、2019年⇒2020年、2022年⇒2023年の年越しの瞬間はラ・ムーにいた。

味付けした鶏もも肉を油で揚げた中心地方のご当地料理。今回は激安スーパー「ラ・ムー」のものを使用。「ラ・ムー」は西日本を中心に展開されているが、全国的に「山賊焼き」を販売している

3.信州牛

予算を抑えるべく、スーパーを6軒はしごして見つけた割引品。

信州が誇る黒毛和牛。丹波牛の改良種で、肉質に優れた、まろやかなおいしい牛肉。今回はすき焼き風の味付けで投入。

4.信州サーモン

今回唯一の魚類。相性やいかに。

長野県水産試験場が約10年かけて開発した品種。ニジマスとブラウントラウトをバイオテクノロジー技術を用いて交配した品種で、完全養殖により生で食べられる。今回はわさび醤油で味付けした刺身を投入。

5.ジンギスカン

今回はおやきとの相性を考えて薄切りのものを用意。

信州新町では羊肉食が盛ん。今回は柔らかく臭みがない、むさしや食品の「羊肉ロース」を使用。

そして、これらをおやきに入れられるよう、調理・カットしたものがこちらです!

具材の集合写真。長野県の美味しい食材が5つ集まった夢のプレート。

これらの「おやき×具材」15通りを、中に入れる具材ごとに食べ比べて、
おいしさ、相性、相乗効果の3点から、100点満点で採点していきます!

いざ実食!

もとの味を知らないで、アレンジを語ることはできない!というわけで、まずは、エントリーされたおやきを袋に記載されていたおすすめの食べ方、「レンジ+フライパン」で温めていただいてみましょう。

野沢菜

野沢菜おやき断面

電子レンジで加熱したあと表面をフライパンで焼いたことにより、表面の皮はカリっと仕上がっています。
たっぷり詰まった野沢菜は、通常の漬物ほど味が濃くなく、わずかに野沢菜のシャキシャキとした食感も感じられる非常においしいおやきです。

きりぼし大根

きりぼし大根おやき断面

こちらのおやきには切り干し大根だけでなく、長ネギやニンジンなども入っており、やさしいみそ味がつけられています。切り干し大根は軟らかく、短めにカットされているので噛み切りやすく食べやすいです。

ねぎみそ

ねぎみそおやき断面

みそ味がつけられた刻み長ネギが入っているこちらのおやき、野沢菜、きりぼし大根もみそベースの味付けでしたが、今回用意した3つの中では最も味が濃く、長ネギの甘さと味噌の塩味が非常に良いバランスでした。
また、ネギは刻まれており、パン粉を使ってみそと絡められているためペースト状のもったりとした食感でした。

ソースカツ

いよいよ実際におやきをアレンジしてみましょう!
最初はソースカツから。上伊那地方の名物料理とおやきの相性やいかに!

3つのソースカツおやき

野沢菜おやき×ソースカツ

野沢菜に包まれたソースカツ

噛んだ瞬間に豚肉の食感は感じられます。口に入れた瞬間は通常の野沢菜おやきですが、咀嚼するたびに豚肉の風味が口に広がっていきます。
しかし、あれだけたっぷりまとわせたソースの味はほとんど感じることができませんでした。
味自体は美味しかったのですが、全体的にソースカツが野沢菜に負けてしまっている印象で、相乗効果は生まれていない気がします。
総合評価 82点

きりぼし大根おやき×ソースカツ

きりぼし大根に包まれたソースカツ

こちらも噛んでいくたびに、口に豚肉の香りが広がっていきます。また、野沢菜の風味には負けてしまったソースの味ですが、きりぼし大根ではその輪郭を詳細に感じ取ることができます。
しかしながら、酸味のきいたソースと優しい味のきりぼし大根の相性は抜群とまでは言えず、個人的な感想では別々に食べたいです。
総合評価 76点

ねぎみそおやき×ソースカツ

ねぎみそに包まれたソースカツ

ねぎみそがペースト状であったため、先の2つに比べて豚肉の食感は感じ取りやすく、また、濃いねぎみそと豚肉の相性は非常に良かったです。
一方でソースの味は完全に消えてしまっているため、わざわざソースカツを入れる必要はなく、塩焼きの豚肉を入れるだけで十分な気もするため、「相乗効果」という面ではいま一つ物足りない気がします。
総合評価 85点

おやき×ソースカツの総評
ソースカツのサクサクとした食感は、おやきに入れることにより完全に失われてしまい、これといった相乗効果を生む組み合わせもありませんでした。
しかしながら、味の濃いおやきと豚肉の相性がいいことはわかったので、調理法によっては輝けそうです。

山賊焼き

3つの山賊焼きおやき

野沢菜おやき×山賊焼き

野沢菜に包まれた山賊焼き

鶏モモの一枚肉を使っていることもあり、口に入れた瞬間鶏肉の食感を強く感じました。また、野沢菜のシャキシャキ感と油で揚げたことによりオイリーになった鶏肉が合わさったことで和風ユーリンチーのような味わいになりました。想像していた通りの味でしたが、相性はよく、それぞれ単体では出せない味なので、相乗効果も生まれていました。
総合評価 91点

きりぼし大根おやき×山賊焼き

切り干し大根に包まれた山賊焼き

口に入った瞬間、みずみずしいきりぼし大根が主張してきましたが、その後鶏肉や衣の味も感じることができました。味自体は美味しいですが、お互いの良さを引き立てあっているということもなく…端的に表すと「唐揚げ弁当を10回振った味」でした。
総合評価 85点

ねぎみそおやき×山賊焼き

ねぎみそに包まれた山賊焼き

味の濃い山賊焼きと、味の濃いねぎみそ、一見すると喧嘩してしまいそうですが、以外にも両方の味をバランスよく感じられ、甘辛いねぎの風味と山賊焼きはかなり相性が良かったです。また、ねぎみその柔らかさが鶏肉の食感を感じやすくさせており、それによりねぎみその濃い味に負けず、山賊焼きの存在を強く感じることができました。
総合評価 90点

おやき×山賊焼き講評
体肉自にしっかりと味付けがなされた山賊焼きは、おやきの味に負けることがなく、高得点の組み合わせも生まれました。激安スーパー「ラ・ムー」で購入したこともあり、今回用意した具材の中でも最安だったので、非常にコスパに優れています。

信州牛

3つの信州牛おやき

野沢菜おやき×信州牛

野沢菜に包まれた信州牛

噛んだ瞬間、いや、手に持って口元に近づける段階からその香り以上のオーラを感じるこの組み合わせ、期待度MAXで口いっぱいに頬張りました。すると、その期待通り噛むごとに信州牛の心地よい牛肉の味が口いっぱいに広がりながらも、野沢菜が信州牛の豊富な脂を中和させ、全くくどくありません。信州牛入りのおやきを食べているのか、野沢菜入りのすき焼きを食べているのかわからなくなるほど調和していました。
総合評価 97点

きりぼし大根おやき×信州牛

きりぼし大根に包まれた信州牛

先ほどの高得点を受け、自ずと期待は膨らみます。第一印象は「信州牛」、上品な牛肉の風味が口の中を支配します。そして噛めば噛むほど…「信州牛」。これは完全にきりぼし大根が負けてしまっています。味はめちゃくちゃおいしいですが、これでは高得点をつけるわけにはいきません…
総合評価 85点

ねぎみそおやき×信州牛

ねぎみそに包まれた信州牛

すき焼きの原型となった「牛鍋」は、もともと味噌を使って味付けされていてこともあり、一口目に期待を寄せます。まず最初に感じたのはねぎみその味。前の2つとは違った印象に期待も膨れます。しかし、牛肉の味は感じるものの全体的にはねぎみそに押され気味の印象でした。もちろんおいしかったですが、期待の枠を出ることはありませんでした。
総合評価 90点

おやき×信州牛講評
日本が世界に誇る「wagyu」は、おやきとの相性も抜群で、素材の力をひしひしと感じました。しかし、その味が強すぎておやきの味をかき消してしまうこともあるため、合わせるおやき選びは慎重に行いたいです。

信州サーモン

3つの信州サーモンおやき

野沢菜おやき×信州サーモン

野沢菜に包まれた信州サーモン

唯一の魚類かつ、「刺身」ということもあり、一抹の不安を抱きながら口へ運びました。しかし、結論から言うとその相性は抜群でした。これまでの食材も脂っぽいものが多かったですが、たっぷりとのった信州サーモンの脂は野沢菜の風味との相性も素晴らしく、みずみずしい食感とも相まって「食べたことがない美味しいなにか」に仕上がっていました。
総合評価 93点

きりぼし大根おやき×信州サーモン

きりぼし大根に包まれた信州サーモン

先ほどの成功を受け、期待しながら勢いよく口へと放り込んで咀嚼してみると、きりぼし大根の奥に泳いでいる信州サーモンの魚影をはっきりと視認できました。相性も悪くはないです。しかし、抜群に相性がいいわけでもなく、きりぼし大根のうっすらとしたみそ味と相まって「寒い地方の郷土料理」みたいな味になっていました。
総合評価 84点

ねぎみそおやき×信州サーモン

ねぎみそに包まれた信州サーモン

結論から言います、ダメです。信州サーモンの味が完全にねぎみそに負けているうえに、信州サーモンとねぎみその食感が驚くほど一致しており、そこに生魚が存在しているという事実のみが脳内で反響して、嫌な気持ちになります。一方で、味噌に負けないよう、強火で焼いて軽く焦げ目をつけると食感も変わり「ちゃんちゃん焼き」のようになっておいしいかもしれません。
総合評価 0点

おやき×信州サーモン講評
食べる前は不安があった信州サーモン、合わせるおやきによってはとんでもないものができあがってしまうので注意は必要ですが、おいしい組み合わせもありました。第二弾があれば刺身以外も投入してさらなる可能性を探ってみたいです。

ジンギスカン

3つのジンギスカンおやき

野沢菜おやき×ジンギスカン

野沢菜に包まれたジンギスカン

肉系と相性がいい野沢菜おやき、当然期待は高まります。肉類の中でも比較的香りが強いジンギスカンは野沢菜に包まれてもその存在を強く感じ取ることができます。全く臭みのないジンギスカンと野沢菜おやきが合わないわけもなく、味も非常においしいですが、野沢菜との「相乗効果」に限って言えば、もう少し肉の臭みがあってもよさそうです。
総合評価 87点

きりぼし大根おやき×ジンギスカン

きりぼし大根に包まれたジンギスカン

これまで目立った結果が出ていないきりぼし大根おやき、その主な原因は「優しいきりぼし大根の味付けが具材に負けること」でした。しかし、噛むほどに広がる羊肉の風味と優しいきりぼし大根の味付けは非常に相性がよく、ジンギスカン自体の味付けが薄いわけではないのに、お互いを引き立てあっていました。また、やわらかいロースの肉質とそれよりさらに柔らかいきりぼし大根の食感も非常に合っていました。
総合評価 92点

ねぎみそおやき×ジンギスカン

ねぎみそに包まれたジンギスカン

今回の検証で殿を務めるねぎみそジンギスカンおやき。有終の美を飾り、記事もきれいにまとまることを期待しながら口に運ぶと、まずは強いねぎみその主張。そしてその後にジンギスカンの香りが口の中に漂ってきました。ジンギスカンの食感も存分に感じられます。しかし、これも想定通りの味。2つを合わせることで飛躍的においしくなっているとまでは言えませんでした。
総合評価 85点

おやき×ジンギスカン講評
「硬い」「臭い」といったイメージを覆す今回のジンギスカンは、全体的におやきの味を邪魔しない名脇役的ポジションでした。今回食べてみた限り、合わないおやきも少なそうなので、何を入れるか迷ったときにはジンギスカンを選ぶといいかもしれません。

総合結果

本日の結果は以下のようになりました。

1位 97点 野沢菜おやき×信州牛 
2位 
93点 野沢菜おやき×信州サーモン 
3位 
92点 きりぼし大根おやき×ジンギスカン
4位 91点 野沢菜おやき×山賊焼き
5位 90点(同率)ねぎみそおやき×山賊焼き・ねぎみそおやき×信州牛
7位 87点 野沢菜おやき×ジンギスカン
8位 85点 ねぎみそおやき×ソースカツ・きりぼし大根おやき×山賊焼き    
      (同率)きりぼし大根おやき×信州牛・ねぎみそおやき×ジンギスカン
12位 84点 きりぼし大根おやき×信州サーモン
13位 82点 野沢菜おやき×ソースカツ
14位 76点 きりぼし大根おやき×ソースカツ
15位   0点 ねぎみそおやき×信州サーモン

まとめ

今回はしょっぱい系のおやきの具材について検証しましたが、「かぼちゃ、くるみみそなど甘い系のおやきでも検証したいな~」と、デザートに食べた粒あんおやきを食べながら考えていました。

デザートの粒あんおやき

おいしかったな…

またいっぱい食べたいな…

いっぱい

いっぱい…





あれ?どんだけヘルシーなおやきでも19個も食べたら意味なくね!?
今回の記事作成にあたり、1食で19個のおやきをいただきました。基本的に1個150cklほどのおやき、GI値も低く、1~2個食べるぶんにはいいのですが、高カロリーな具材を入れて19個、重さにして約2㎏食べると総カロリーは4000kclを大きく超え、成人男性の摂取カロリー約2日分に相当します。
ということで、おいしくヘルシーなおやきですが、食べ過ぎには注意しましょう…

~完~

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