教師の仕事を続けるかどうか考える


私が教師になりたいと思ったのはなぜだろう。

私自身は中学校までは学校が好きだった。学校は自分にとって友達と楽しく話をして、新しいことを学んで、自分が活躍できる場所だった。
あとは、田舎の農家の家に生まれた私にとっては、家の仕事の手伝いは日課であり、学校に行っている間は仕事が免除される(子どもの仕事は勉強って感じの家だったから)癒やしの場所でもあった。繁忙期はそれこそ寝る間も惜しんで出荷の準備とかしていたので、そういう意味では、学校はゆっくりできるし、50分授業が終われば10分の休憩があってトイレとかにも行けるから、かなり人道的な場所だった。


高校はそこまで好きな場所じゃなかった。地元の進学校に進んだので、学習内容は高度になったけど、生活と結びつく勉強が好きな私にとって、大学受験に向けた知識詰め込み型の勉強は合わなかったし、宿題の多さや部活時間の長さに体も限界だった。あとは、田舎の少人数の人間関係の中で育ってきた私にとって、同学年ですら名前がわからないほどの人数の学校はストレスだった。


2年で退学し、駅前のファミレスでバイトをした。海外に行ってみたかったし、実家の農業をやる道もあった。ただ、中卒の就職状況の厳しさは身にしみて感じた。大学を出ていなきゃ話にならない、と言わんばかりの大人や元同級生たちからの目にも腹がたった。専門学校の説明を聞きに行ったとき、その学校の先生から「君は大学に行ったほうがいい」と言われた。その先生の話が自分の中でストンと落ちて、私は大学受験をした。


理系の大学に進んだ。生活は高校とは比べ物にならないくらい忙しかった。研究は忙しく、ベッドに入って何日も寝れない日もあった。一人暮らしをしたり、バイトをしたり(高校で迷惑を掛けたので、できるだけ金銭面は親に頼らないようにしたかった)友達と遊んだり、本当に忙しかった。よく、大学は人生の夏休みなんて言うけれど、盆と正月が一緒に来たような忙しさが4年間続いた。

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