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介護事業所の評価は管理者で180°変わる

管理職の話を書こうとして、見出しの画像を使うと、「管理職は男というイメージを与えようとしている」と差別発者だと言われる。それでもいいよ。

って話はさておき

ある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の場合。


一年に一度の受審義務のある外部評価でのこと。

殺伐とした雰囲気のグループホーム。
異食を防止するために、テーブルの上にはなにもない。
完璧に整理整頓され、どこかのショールームかモデルルームのようだ。
観葉植物もない。
入職1年目の職員に話を聞くと、「そういうものだ」と教えられている。

お昼、入居者と一緒に食事を摂る。
食事中に突然立ち上がった入居者に、管理者が、「立つときは職員呼んでって言ったやん!」と強制的に座らせる。
すこし唖然としている調査員に対して、「あはは、認知症とはいえ躾は大切ですから」とのたまう。

いったい何様だ?認知症のことがまったく理解できていない。
それで、認知症対応型共同生活介護の管理者をやれてしまう。

思わず調査員は「あはは、管理者が身体拘束や虐待の概念がないと、こんなグループホームになるんですね」と。


そして約1年後。同じグループホームに評価に行くと


玄関を入った時点で違和感が。
なんだか暖かい。温度ではない。雰囲気だ。

まるで、というと言いすぎだが、家の中のような雰囲気だ。

ユニットでは一人ひとりの入居者が思いおもいのことをしている。
ソファーで寛いでいる人もいれば、テーブルで新聞を読んでいる人、廊下を歩いて運動している人。

職員は大忙しだ。
付き添いに声掛け、それとない見守り。
加えて昼食の用意に、選択やら記録書きやら。
でもイキイキと仕事をしている。

昨年の若手職員に話を聞いてみる。
管理者が変わってから、まったくやり方が変わった。
研修もしっかりやってくれ、前管理者のやっていたことがどれだけ間違っていたのかがわかった。今は仕事が楽しい。忙しくて身体はしんどいが、早く夜勤を任せてもらえるようになりたい。
とのこと。

リビングはある意味雑然とし、テーブルやソファーの場所も歪んでいたりくしゃくしゃのタオルケットが置いたままになっていたり。

管理者に話を聞く。
最初は驚いたそうだ。
介護施設の体をなしていない。
まるで刑務所。
介護施設のあるべき姿。
グループホームのあるべき姿。
職員の接遇。
認知症の研修。
その他研修。
数ヵ月で職員は変わってくれたそうだ。
最初は若干の抵抗があったらしいが、『今まで通り』と『あるべき姿』を比較すれば、行動は変わるってことだ。

組織で大きな変革を起こしたいなら、その組織のトップを変えろ、ってことだ。


そしてなによりも、『信賞必罰』これしかない。


管理者よ!自ら変わるか、辞めるか選べよ。


そんな感じ。

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