影法師
小さい頃の夜道
わたしの影法師はわたしの背丈より長く伸びたり縮んだり
わたしの影であるにも関わらず
わたしを哂うようにカタチを変える
えぇい、と踏んづけてやろうにも
到底、影法師をこの足で踏むことは叶わないのであった
それが何とも悔しくて
実体たるわたしが、わたしでもある影を
自在に扱えぬもどかしさ
憤懣やるかたなく、ソレを睨んだものだ
いっそ、大人になった今
法師よ、にょきっと巨大化し、その口あぅーんと開けて
中指立ててファッキュー!とー
わたしに挑んでくれまいか、
嘲笑ってくれまいか、と願うのだ