覚書:母の誕生日
大好きなモンブランを買って、
ついでに、ホワイトデーのラッピングがキュートなお菓子の詰め合わせを持参し、
母の誕生日を祝う。
スプーンを使わずに、手に持ち、あっというまに消えたケーキ。
唇についたクリームを拭う。母はその間も待てないように、新しい箱を開け始める。
あけるというか、破る。
私が小学校の頃だろうか。
「お母さん、何歳になったの?」と訊けば
「35よ、ずっとこれからは、36.増えないの」と
朗らかに笑ったヒト。
常に唇に紅をさし、自身の美を知り維持を怠らなかったヒト。
入院した当事、開口一番
「鏡と化粧ポーチ、持って来て。あと、美容院に予約とって」と、
私に指示したヒト。
おめでとう、おかあさん。
貴女は、今でも十分に美しいわ。愛らしくて涙が出ます。
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