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プロレスと私#2-1:DRAGON GATE①

前回にもお話したが私はDRAGONドラゴン GATEゲート(ドラゲー)
というプロレス団体のファンである。
かのアントニオ猪木さんが立ち上げ、現在は
世界的にも人気の新日本プロレスなどとはその
規模など比べるべくもないのだが、それでも
興行収入は国内でもトップ3に入る団体である。

ドラゲーは神戸に本拠地を置く所謂”地方団体”だ。
馬場さんの全日・猪木さんの新日の2大団体時代から
変化が起こり始めた90年代。
みちのくプロレスをはじめとする”地方ルチャ”な
団体が乱立する中で神戸に”上陸”した団体、
『闘龍門JAPAN』が起源となっている。


体格が小さいために新日への入門が叶わなかった
あるレスラーがメキシコに修行へ向かい、その後
マスクマン”ウルティモ・ドラゴン”として世界を
股に掛ける活躍を見せる。

世界の”究極龍”ウルティモ・ドラゴン。

そのウルティモ・ドラゴンがメキシコに立ち上げた
道場が「ウルティモ・ドラゴン・ジム-闘龍門-」だ。
そこでかつての自分のようにレスラーを目指す
日本人たちを育成し、次々と日本のマット界に
デビューさせる。
そして満を持して新団体『闘龍門JAPAN』として
日本へと”上陸”したのだ。

やがて『闘龍門JAPAN』は”校長”ウルティモ・
ドラゴンの手を離れ、DRAGON GATEへと名を
改めて再出発することになる。

実はUDG闘龍門出身のレスラーはドラゲーだけに
留まらない。
かつて新日Jr戦線で戦い現在は解説席に座る
ミラノコレクションATや現在新日に所属する
石森太一。
かつて全日やW-1に所属、現在はフリーで各団体に
参戦する近藤修司。
そしてかつての新日の象徴であり、現在はアメリカ
AEWで世界的に活躍するオカダ・カズチカらも
皆ウルティモ・ドラゴンを師と仰いだ選手だ。

一度は袂を分かつ事になったウルティモ・ドラゴンも
現在は選手兼最高顧問としてドラゲーに参戦中だ。


プロレス団体としてのドラゲーの魅力は何と
言ってもまず”スピード感”だ。
ドラゲーでは他団体では選手が交代する時に
行われる”タッチ”がルール上存在しない。
(選手交代のアピールとしては行われる)

リング上の選手が場外に出た場合、別の選手が
リングに入った時点で”交代”が認められる。
このため目まぐるしくリング上でレスラーが
入れ替わり立ち代わり、余所見厳禁のスピードで
試合が展開されていくのだ。
このためドラゲーの試合は主にシングルより
複数人同士のタッグマッチで行われる事が
ほとんどである。
もちろんシングル王座のベルトもあり、至宝の
ベルトを賭けた試合も面白いのだが、やはり
ドラゲーの持ち味はハイスピードチームバトルが
中心となっている。


もう1つ、ドラゲーのウリとなっているのが
”ギミック”である。
”ギミック”とはプロレス用語で簡単に言うなら
「レスラーの個性を出すためのキャラクター設定」
といったところだろうか。
マスクやコスチューム、レスリングスタイル、
メイク、キャッチコピー…その内容は多彩だ。
多くの団体がデビュー間も無い選手はこうした
個性付けはなされず、徐々にキャラクターが
設定されていくものなのだが、ドラゲーでは
「デビュー前」からこうしたギミックがすでに
与えられている。
デビュー時点から覚えやすい個性があるため、
ファンにも定着しやすいのだ。

また”ギミック”のひとつに”ユニット”がある。
今でこそ”ロス・インゴ・ベルナブレス・デ・ハポン”を
はじめ各団体に様々なユニットが誕生しているが、
ユニット抗争の概念をいち早く取り入れたのが
旧闘龍門JAPANであり、現在のドラゲーにも
これは色濃く受け継がれている。

前述のハイスピードチームバトルとこのユニット
同士の抗争という2つが噛み合う事でドラゲーの
試合はさらにその輝きが増す、という”仕掛け”だ。


今回はドラゲーのルーツとその醍醐味である
スピード感、ユニット抗争を含めたギミックに
ついてお話させていただいた。

次回はここからの続きで私のイチ推しの選手や
地方団体ならではの取り組みなど、さらなる
ドラゲーの魅力的な部分をお話したいと思う。

現 オープン・ザ・ドリーム・ゲート 王者
”全知全能”YAMATO。ユニット”PARADOX”所属。
レシピ本も複数出版している料理人でもある。

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