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【美術さんぽ。遠足編】串本応挙芦雪館へ行ってきた。

応挙芦雪館へ串本まで行く。
昨年の暮れ、大阪中ノ島美術館で「生誕270年長沢芦雪」展へ行ったきっかけで、念願の無量寺 串本応挙芦雪館へ。
というか、正直、串本へ行く展開になるとはという感じ。

1786年(天明6年)無量寺再建成就を祝い、応挙に襖絵の依頼あり、『波上群仙図』や『山水図』等、障壁画12面を描いたところで弟子の芦雪を京から呼び寄せ障壁画制作を託したという経緯。
そこで生まれたのがかの有名な《虎図襖》や《龍図襖》。

《虎図襖》重要文化財 和歌山 無量寺・串本応挙芦雪館


《龍図襖》重要文化財 和歌山 無量寺・串本応挙芦雪館




「1786年(天明6年)、応挙と古く親交のあった愚海和尚が、若き頃に応挙と交わした「蓋し愚海若かりし頃芦雪の師円山応挙と親交あり、或る日応挙和尚に向いひて曰へるやう、師若し他日一寺を建立するあらば、余は必ず寺のために揮毫を惜まざるべし」との約束をもとに無量寺再建成就の際、本堂の襖絵の依頼のため応挙を訪ねます。応挙は祝いに『波上群仙図』や『山水図』等、障壁画12面を描きましたが、多忙な上に年齢的なこともあったため、弟子芦雪に障壁画を託し、名代として京から南紀に向かわせます。それは芦雪33歳の頃、兄弟子たちを飛び越えた異例の抜擢でもありました」

無量寺


『捕鯨図』

実は、中ノ島美術館でいちばん心に残ったのは『捕鯨図』(「絵替り図屛風」六曲一双の一枚)。この黒い陸は何ぞや?と思ったのはクジラの背中!その上部に浮かんでる小さな船がなんとも可愛らしく、この船で捕鯨?と笑みがこぼれそうな大らかさ、この作風。
「中ノ島で観たんですか!私は図録でしか見たことないです」と仰るのは芦雪館の方。実は個人蔵。
ところが、展覧会で巡回しているかと思いきや《虎図襖》と《龍図襖》がそろって展示されている。
中ノ島美術館(大阪)の後、福岡へ回って長旅を帰って来たそう。
ガラスの向こう側からは観えなかった虎のまつげがはっきり見える近さ。
力みがないのに力強く躍動する筆致。
大迫力なのにずっと観ていたい心地よさ。

「水平線がまぁるく見えますよ」
潮岬、本州最南端の地から見える太平洋はとにかくデカかった。
まぁるい水平線には、外国の大きな平べったい船が静かに航行しているのが見えた。









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