過敏性腸症候群(仮)の次男が通信制高校に通うようになってからの話② 母のセンチメンタル編

チラホラと、同じ中学だった友達が
修学旅行に行ってきたという話が耳に入る。
コロナ禍で中学の修学旅行は行けなかったので、
次男はもうこの人生で修学旅行というものは未体験のまま大人になってしまう。(ちなみに逆上がりも未体験のままだ)
(小学校は、修学旅行というよりは林間学校という感じだった)

先日、元の公立高校で合唱コンがあり、
次男のクラスが金賞だったそうな。
小中学とピアノを習っていた次男は、
高校でも合唱コンのピアノ伴奏をやりたいと話していたっけ。
でも、中3の冬から、受験でレッスンをやめ、その後、ほぼ触ってないから、実際は無理だったと思うけど、でも心残りだよね。
去年は保護者の見学は無かったから、
私は次男の合唱コンは見れてないんだ。


ここ最近は、
職場が忙しい時期だったのもあって、
あまりママ友とも会わず、
日々考えて改善するためにネット検索したりする日々だった。

たまに聞く次男の話から、よく考えたことの一つは、
普通の全日制高校を選ぶ理由は、「物理的に通える範囲内での偏差値」
が一番大きな要因だと思うが、
通信制高校を選ぶ理由は生徒の数だけあるな、ということだった。

公立の高校を選ぶとき、長男の時も長女の時も、
文化祭にも行ったし夏の説明会にも行った。
私立の併願選びのために、冬の初め頃まで
子供と駅から高校までの道のりを歩いた思い出がある。

そりゃそうだよね、高校なんて大きな居場所、
いくつも見て、よく調べて、やっと決めるのが普通だった。
なのに今回、我々が通信を選ぶ時、そんな余裕もなく、
日々ゲーマーに邁進する次男をどうにかせねばという一心で
藁にもすがる思いで選択したような・・・

調べれば調べるほどに、
通信制という高校は、ある意味可能性が大きいことがわかる。
ここ数年で一気に数を増やしていることからもわかる。
年々増える不登校児の受け皿が必要なのだ。
それこそ子供の数だけある理由に応えるべく、
まるでチョコザップのように様々なコース選択が用意されている。

ここでやっと出会えた!という満足度の高い親子さんもいるだろうし、
ま、これでいっかという消去法の子もいるだろうし、
こんなもんんだろという諦めの子もいるだろう。

決めては何?
まるで塾のようだ。
個別指導?ベテラン講師の授業?
わかるとこまで遡ってくれる手厚いサポート?

魅力的なスクーリング?
なんちゃって高校生活が楽しめる?
(ごめんね、どうしてもなんちゃってにしか見えないんだ次男の高校)
バイトも、音楽活動も、自分の時間を活用できる?

高校って何さ。
学校って何さ?
何が今後の人生で必要だよ?
今必要なものだけで今の時間使っていいものなのか!?
それを親の金でやるのか。

じゃ、例えば高校受験の時、公立落ちて私立に行ったとしよう。
公立と同じような時間が流れるだろうな。
もしかしたら先生達がサービス業的に生徒を扱ってくれるかもしれないが、
やはり進路に関してサポートしてくれて、無事卒業させてくれるんだろう。
そこに親の金を使うことは受験の時に覚悟済みだ。

そこで、そこをはみ出した子はどうなる?
その太くて丈夫で、びくともしないレールから、
途中下車しちゃった子は、どうなるんだよ。
選ぶ理由が生徒の数だけあるなら、
卒業後の進路も同じだけあるかもしれない。
この時点で正解なんてわかるわけがない。

何度も書いたけれど、
合唱コンも修学旅行も、逆にこっちこそが高校生活だろう!?と思う。
これこそ結局お金で買えないものじゃないか。
今頃わかったわ。
同じメンバーで1年間の行事を体験する、
教室に行けば、顔馴染みや仲の良い友達がいて、
四季を感じながら登下校し、
フツーに体育も理科の実験も調理実習もやって、
先輩後輩、先生生徒という上下を体感し、
流行りについて語り、進路について語り、
社会の理不尽について語り、
時に同じ目標を目指したりもする。

なんて貴重なものを手放してしまったんだろうと今更悲しくなる。
全日制の卒業は無理だったから仕方ないけど、
せめて定時制とかもうちょっと粘ればよかったかも。
もうこのまま「青春カテゴリ」のモロモロとさよならなんて、
寂しすぎる。

母が全く割り切れてない。
全く諦め切れてない。
ネッ友としか話さず、おそらく人恋しくて
帰宅後の母でいいからとちょこちょこ話しかけてくる次男が
不憫で、しょうがない。

君は、まだ、若くて、幼くて、わからないのか。
どれほど大きなものを失ってしまったのか。
そんな腹痛以外は健康な体に、当然手に入るはずだった思い出が
するすると手からこぼれ落ちていったことを、
いつ振り返って後悔するのか。

いや、あるいはしないのか。
どうか、一発逆転してくれよ。
そんな器じゃないって薄々感じてはいるけど、
せめて、
せめてゲーム以外で充実した人生に舵を切ってくださいよ。
母のお願い。

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