過敏性腸症候群(仮)の次男が通信制高校に通うようになってからの話 番外編 介護事業との共通点とは、

気づいたことがある。
介護現場の現状の問題を特集した番組を見ていた時のことだ。
現場では、どんどん企業の参入が進んでいるという。
これは今回通信制高校を調べていた中でも感じたことだった。

番組では、その介護施設を全国展開する企業が、
株主総会で、どうやって介護の現場を効率を良くするか、
どうやって利益を上げるか、
AIを活用したり、ハイテク技術でどこまでカバーできるか、
を、株主たちに説明していたんだという。

実際の現場で働いている介護士さんが、
この傾向が恐ろしいと感じるって。
つまり、老人たちは、どう効率よく介護されるか、
どうビジネスライクに処理されていくかということだ。

これが進むと、どうなるか?
例えば、声の大きい企業が政治家に忠言する。
もっと効率良く、安く、介護して、
国民から巻き上げた介護保険料や健康保険料を
利益として入る仕組みにできますよ、
だからもっと都合のいい法律に変えちゃいましょう、
国もその方が安上がりに超少子高齢化に対応できるんじゃないですか?
ってさ。

企業に金が回って、
でも現場の人の給料は上がらず、
高齢者たちは濡れたおむつを我慢して、
夜中に呼び鈴を鳴らし続ける。
そんな現場の職業を選ぶ人はおらず、
施設に入れない高齢の親を抱え、
団塊ジュニア世代が後期高齢者となる頃、
老老介護で共倒れだ。

何が言いたいかって、
これが、多分、
通信制高校にも、言えるんじゃないかって話。

企業が参入して来てるんだって、驚いたことも前に書いた。
いろんなニーズに対応する専門科がある通信制が増えてるってことも書いた。
ガチ通信だったら、30万くらいで済むところを、
ここですでに専門学校並みに金を取って、
まだ他の子は親元で衣食住なんの心配もしなくていい年齢で、
もう大人の社会に入る準備をし始める。
もしくは、大人の真似事をさせてもらえる。
そんなとこ出たって、すぐに食えるわけない。
なのに、夢に近づくよ、なんて甘い事言って、
公立校や、良心的な通信からパイを奪ってくる。

そんなところに、本当に、その子が求めている夢があるのか。
そんなところに、高齢者が心安らかに過ごせる介護があるのか、
そんなところで、レールに乗っていられなかった子供が生活していけるだけの忍耐、コミュニケーション、効率、社会の理解ができる大人になれるのか、
そんなところに、早く死ねばいいのにって思われないような介護現場があるのか、

利益に変える仕組みを思いついた人が出現した瞬間に、
高齢者やレールに乗っていられなかった子供たちがお金に見えた瞬間に、
もう、人間として扱われなくなってしまうのではないか。
商品として、もしくは道具としてみられてしまうだけじゃないのか。

なんてことを考えてしまった。
夢を搾取されて、
余生を絞り取られて、
弱者はいつも、奪い取られていくしかないんだろうか。

逆に、そこで、本当に目の前の子の将来を考えてくれる人、
安らかな余生を願ってくれる人、
そんな先生や介護士の人がこんな現場では自分の理想の仕事が
どうしてもできないと、諦めてしまうのではないか。

悪循環じゃないか?
誰も得しない。得するのは儲け主義の企業だけだ。
悔しいなぁ。なんとかならないかね、ほんとに。

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