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【研究 vol.8】期末発表


カレー食べたい。
関大前にパリワールっていう美味しいインドカレー屋さんあるので良かったらぜひ。

さて。
6月頭にはキリン(自団体)の本番を作演出として迎え、7月頭には学園座の夏公演を主役として終え、そっから一週間と経たず期末発表です。そろそろ倒れるぞ。
怒涛の上半期。でも下半期のほうがもっと怒涛になる予感がします。

さて、この春学期に自分がやってきた研究のまとめをしましょう。
これまでの【研究マガジン】の総集編のような内容です。

私のテーマは「境界知能の人々に対する行政のセーフティーネットの提言」です。


境界知能とは?

知能指数(=IQ)で平均的とされる部分と、障害とされる部分の境目にあたるところが境界知能。主にIQ70〜84の子供たち。知能分布から算定すると14%、1,700万人いることになり、35人クラスでは下からの約5人。境界知能は「平均的とは言えないが、障害とも言えない」とされることが多い。日本において境界知能は認知度が浅いことが課題。
※知能指数の平均はIQ85-115
※IQ70以下は知的障害の可能性が考えられる範囲。

発見した課題


・境界知能は軽度知的障害には分類されない現状がある。療育手帳の交付についても地域差があり、児童扶養手当が受け取れないない、またそれについても地域差がある。
そうした場合、
☞高等特別支援学校に入学できない
☞障碍者雇用での就労ができない
という循環が発生する。

行政の対応

療育手帳


内閣府が定義する「障害者の範囲」における「療育手帳制度の概要」

1.概要
知的障害児・者への一貫した指導・相談を行うとともに、これらの者に対して各種の援助措置を受けやすくするため、児童相談所 又は知的障害者更生相談所において知的障害と判定された者に対して、都道府県知事又は指定都市市長が交付する。
根拠:療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知) ※ 本通知は、療育手帳制度に関する技術的助言(ガイドライン)であり、各都道府県知事等は、本通知に基づき療育手帳制度につ いて、それぞれの判断に基づいて実施要綱を定めている。

内閣府が定義する「障害者の範囲」における「療育手帳制度の概要」より

2.交付対象者
児童相談所又は知的障害者更生相談所において知的障害であると判定された者に対して交付する。

同上

👉地域差が指摘されている。

内閣府資料
障害者の範囲👇
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1031-10e_0001.pdf

児童扶養手当の交付


特別児童扶養手当について

特別児童扶養手当の対象者の説明を見ると、
①療育手帳A・B判定程度の方
②身体障害者手帳1~4級程度の方
③発達障害やてんかんなど精神の障害があり、上記と同程度の常時介護が必要な方
④血液などの疾病があり、上記と同程度の常時介護が必要な方
が給付対象になっています。

厚生労働省>特別児童扶養手当について👇


👉判定に地域差。同じ基準でも、地域によっては審査を通らないことも。
・高等特別支援学校への進学

・GIGAスクール構想に基づく、インクルーシブ教育の推進
👉各児童に合った活用をしなければ十分な効果を発揮することはできない。

課題と研究の社会的意義


・境界知能者を取り残さない行政・教育上のセーフティーネットが必要なのではないのか。
そう思った理由👇

・障害に分類されないために、支援級か普通級かの判断が難しい
・児童扶養手当の審査に落ちる
・知的障害の併存障害が認められなければ高等特別支援学校への入学資格がないと判断される
・努力不足など、学習などの部分においてできないことが本人の資質の問題にされてしまう

という現状が見えてきたためである。

知名度が低く、制度面でのカバーがおいついているとは言えない境界知能について、行政・教育双方からセーフティーネットを提言すること。
これが私の研究のゴールになるのではないだろうか。


今後の展望

この発表が終わり次第、メール文面を作ります。

メール調査/インタビューで聞きたい事。
〇具体的にどんなことに困ったか(行政・民間サービスともに/日常生活)
〇必要な制度とはどのようなものか
👉保険・特別支援高等学校の入学資格の引き下げ。療育手帳交付基準の全国統一などを仮定。

収集方法


保護者らから事例を収集。仮説と照応。
👇
・行政、支援学校教育委員会、研究を行っている方(宮口先生など)などにインタビューを行い仮説をぶつける。
・各アクターから見た問題・解決の障壁を明らかにする。
👇
・まとめとしての提言
・卒論の執筆

以上。

R6年度 高等支援学校 職業コース 入学者選抜実施大要 (pref.okayama.jp)



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