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乗れる気がする。vol.1

「終わりです」
私を見下ろす男は言った。遊技終了のアナウンスを無視し1枚でも多く獲得しようと、私はギリギリのギリギリまで攻めていた。が、とうとう終わりが来てしまった。
取り切りたかった。なんせ5千枚以上出ていたんだから。あの調子だったら万枚出ていたかもしれない。5スロの話だ。

私が初めてパニック発作を経験してから7年。その当時の自分に言っても、パチンコに行けているなんて信じないだろうな。という今、完全に回復したわけではないんだけど。それでも少しずつ出来ることが増えてきているから、そんな話をしようと思う。

私は職場の労働環境や家族のことなどで、正直自分でも多いと思うぐらい日々ストレスを感じていた。
常に頭の中は考えたところで解決しない悩みに覆われ、何をやるにしても、その悩みのせいで「ながら作業」に。解決しないのに解決したい気持ちが溢れていた。きっと何年もそんな感じで過ごしていた。

ある日の仕事中、一服から席へ戻ったとき、それは突然訪れた。その時はわからなかった「パニック発作」。
あれには本当に驚いた。突然「死」が迫ってくる恐怖。それも現実に。
まさか、突然死? なるほど、こいつは突然死らしいな。残念だ。でもなんで?しかも今?なんで?え?死ぬんだけど?急だな!だから突然死?突然すぎるって!人生ってあっけないな…まだ生きていたかったな…あーダメだ!ヤバい!死ぬ!どうしたって死ぬみたいだ!みんな、バイバイバーイ!
まあ実際にはこんな生ぬるいもんではないのだが、、

これを読んでいるあなたには全く想像もつかないことだと思うが、パニック発作とはそういうものらしい。何もないところで突然死ぬという感覚が迫ってくる。それもガチだ。どうすれば、経験のない人にもわかってもらえるか考えていたが、誰かが絶妙にそれだ!という例えを言っていた。

「墜落している飛行機に乗っている状態。」
まさしくコレだ。死は迫るが、自分ではどうしようもない状況。何もない場所で突然このような状態になる。この病気が厄介なのは、周りの人からは至って普通の人に見えることにある。そして、これから話すことがパニック障害の人が抱える最も回復を困難にし、失望させるものだ。

今日はこの辺で。

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