見出し画像

ぶつかられる側の人

朝の通勤では特に、そうじゃなくても人にぶつかられることが多いという側の人がいる。

私は完全にそちら側だ。

こちらから言わせてもらうと、ぶつかってくる側の人は絶対に人を選んでいる!
たまに間違えるからトラブルというものが発生するのだが。

大事になるのが面倒だし、もう私はこちら側だと自覚しているから諦めているのだ。あと電車遅れるの嫌だし。
心穏やかに、やり過ごすのだ。
トラブルはできるだけ避けたい。

まぁ、痴漢とかハラスメントとか諸々が同じようなことだが。相手を選んでやっているのをこちら側が気付いている、ということがまた腹立たしいポイントなのだ。
ストレス発散に使わないでおくれよ。

「こういうのは慣れちゃダメなんだよね」
「と言いつつ上手くやり過ごせる、というより見なかったフリをできるようになっちゃったよね」
「自分ごとになると急にね、我慢すれば良いかって」

脳内会議でざわざわを鎮める日々だ。

ある朝、いつものように出勤時の電車に乗り込む。私が乗る時にはすでに乗車率は95%ぐらいだ。そんな電車に平気で乗り込める程には成長している、社会人5年目の春。
目の前でおばちゃんが私と同年代の女性に突進していく。

うわぁ、乗りたいのはわかるけどさ、並んでるじゃん!
みんなこうやって!

その女性は明らかに肩を落とすが、彼女も後ろで見ていた私も電車に乗らなければならない。だって仕事行かないとだし。片足だけでも入れば乗れたも同然というメンタルで電車に乗り込む。
顔面スレスレのところで扉は閉まり、発車する。

私もしょっちゅうぶつかられる。なんなら乗車時に突き飛ばされて車体に激突したり、乗ったとしても押し出されて扉に挟まれたりもした。こういうのはよくある、あるあるだ。

それでも仕事が始まるまでに気持ちを整えなければならないのだが、これがとても難しい。好きな音楽を爆音で聞いてどうにかするのがいちばん。それでも無理なら元気になれる推しの動画なんかを見るしかない。
あとはなんかこう、

「私、見てましたよ、朝からダルいですね」

なんて気軽に言い会えたならば。
まぁ、少しは気分が晴れるかもしれない。
そんなやりとりを想像していたらなんだか嬉しいような恥ずかしいような。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?