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この春、社会人5年目
世界だったり制度を変えるには、どうしたって力がいる。
経済力だったり、影響力、統率力、求心力に説得力も。
変えたいという情熱は若い頃がいちばん大きいのではないだろうか。今まで触れたことのない社会で、いちばん多くのことを感じる。そうして思うのだ。
「社会人って、なんなんだ」
どうしてこんなにも課題が山積みで、うまく回っていない社会で知らないふりして過ごせているのだ。
到底理解できない社会で揉まれた人の思考回路を想像して、私は大人になるのをやめたいと思った。こうだからって、こうしてきたからって諦めるのが大人なら私は大人にはならない。自由でいたい、諦めたくない、見ないふりをしたくない。
そうは言っても大人にはなるのだ。
どんな風になりたいのかは、まだわからなくて。
反抗したい訳ではないし、なんなら大人しくしていたいとも思うのだ。大人になりたくないのに。
私はこの春、社会人5年目になる。
桜の花びらがひらりと舞う空を見て、どうか新しい芽が大きく育ちますようにと願ってしまう。
どんな大人になろうかな。
遊びごころとユーモアと穏やかさと。
美味しいと楽しいと嬉しいと。
それだけを忘れずにいられたら、今はいいか。
仕事のことはまぁ、ほどほどで。
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