番外編:サッカーの世界観を広げるには?

前回の記事で、Jユースの選手にはもっとサッカーに対する世界観が変わる経験をさせた方がいいのではないかと、提案しています。

そもそも、世界観ってなんだ?ってところかもしれませんが、誰しも自分の知識や体験などに基づいてあらゆる物事に対し、ある種の世界観を作っていると思います。
言い方を変えると「既成概念」みたいなものでしょうか。「バイアス」といってもいいかもしれません。

「百聞は一見にしかず」という言葉を作った人凄いなぁって改めて思いますが、まさにそういう事なんでしょう。
人は自分が経験したり体験した事以上の想像がそこまで出来ないと思っています。

もちろん想像力を鍛える事はできると思いますが、その想像力を鍛えるには、やはりある程度の知識や経験が必須になるかなと。

ここで、一つ「世界観の壁」を感じてもらいましょう。

みなさん、よくご存知の「エジプトのピラミッド」を想像してみてください。

本やテレビなどの映像では、見た目の形などといった情報を見てきた方も多いと思うので、ピラミッドといえば、綺麗な四角錐で巨大な石が積み上げられた物凄い建造物、くらいなのは想像できると思います。

そんなピラミッドですが、中の構造はどうなっているのでしょうか?

実は、これについては誰もまだ分かっていない謎になっています。ただし、いくつかの仮説は考えられています。というのも、周りに点在する様々な大きさのピラミッドの中には途中で建造が終わったものや、風化などによって崩れかけたものもあり、そういったピラミッドの内部構造を調べる事で、仮説を立てる事が出来るようになります。

今の仮説では、ピラミッドの内部には、間隔の大きい階段状のコア構造が存在しているのでは無いかと言われているようです。

今の話はピラミッドのコアといったスケールの大きな世界ですが、もう少し細かいスケールの部分にフォーカスしてみましょう。

ピラミッドの一段一段の石の高さは同じでしょうか?

綺麗な四角錐に見えるピラミッドですが、実は一段一段の石の高さは異なっており、更には不思議な規則性がある事が分かっているのです。

有名なエジプト考古学者の河江さんの動画から画像を拝借させていただきます。

https://youtu.be/GqM9EhMxcqs?si=84g4jyJWf1yXapKP

以前、河江さんが出演した「世界ふしぎ発見」の番組内でピラミッドの頂上を目指しながら一段ずつ石の高さを測っていったようです。

そうすると実は石の高さは段を上がるごとに徐々に低くなっていき、ある段までくるとまた高くなるというのを繰り返しているのです。

そんな事、専門家や興味を持った人でないと知らない話だし、想像もできない事ですよね!

ここに「バイアス」は隠れているのです。

サッカーの世界でもあらゆる物事に「バイアス」がかかっていると思います。それは色んな形で獲得した知識や経験によって、こういう状況ではこう動くべきといった「バイアス」が無意識のうちにかかっていると思うのです。

こうした選手らが個々に持つ「バイアス」は、サッカーという世界観に無意識の壁を作っていると思っています。

SBはこういう動きをするもの、という「バイアス」。

本来、フィールド上で自由にプレーしていいものを、後々の人々がポジションと役割というものを作っていったんだと思います。

もちろん、そうする事で今の近代的なサッカーが根付いて日々発展していってるのですが。

でも、もっと自由にプレーしていいし出来るはず。それこそ、前に記事に書いた「番外編:理想のポジションについて」ように、ポリバレントな選手たちで構成されたチームを作り上げられれば、ポジションフリーで戦えるようになると思っています。

頭がまだまだ柔らかくて、吸収力が非常に高いユース世代では、とにかく頭をたくさん使う練習も取り入れてみてはいかがでしょうか?

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