かけっこ1
兎と亀がかけっこすることになった。
山のてっぺんまで競争だ よー、いどん!
スタートの合図とともに兎は猛然と走り出した。
兎はペースを崩さず、ひたすらゴールを目指して走り続ける。
コースには障害物がいくつか設けられていて、急な坂道や川を越える必要があったが、兎は素早くそれらをクリアした。
途中で兎が振り返ると、亀の姿は小さな点のようにしか見えなかった。
「ぽつん」
勝てると確信した兎は不敵に笑った。
「ニヤリ」
兎の前歯は半分欠けてなかった。
亀はまだスタート地点にいた。亀はゆっくり歩くどころか、歩き始めることすらしていなかった。大きなあくびをして、余裕の表情を浮かべている。
兎は油断することなく全力で走り続けた。亀がスタート地点でのんびりしている間に、兎はゴールに到達しようとしていた。その瞬間、亀は眉をキリッとさせた。
「ガ、ガ、ガ、ガ、ガー、ガシャッ! ガオー」
突然、亀は巨大な姿に変身した。
「ギャオー!」
『ドーンッ!』と音をたてて、亀は大きな一歩を踏み出す。兎は驚いて飛び上がり、空中を駆け回る。
「ピョコ! ピョコピョコ!」
『ドスンッ、ドスンッ、ドスンッ!』
その衝撃で多くの鳥獣が飛び去り、地面に転げた。
巨大な亀は、口から炎を吐いた。
『ブシャー!』
そして、ジェット噴射で空高く飛び去った。
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