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かけっこ2

 兎と亀がお茶会をすることになった。

 亀は時間厳守の性格。兎はいつものように遅刻しがち。

 でも、この日は違った。兎が先に到着し、亀が遅れている。

 兎はチョッキのポケットから時計を取り出して言った。

「亀さん、どうしたんですか? スーパーヒーローにでもなったんですか?」

 亀は慌てて答えた。

「いや、その、実は途中で忍者タートルズに間違えられて、ニューヨークを救うミッションに巻き込まれちゃって…」

 兎は目を丸くして言った。

「それは大変でしたね。でも、ニューヨークではなくて、ここは日本ですよ」

 亀は顔を赤くして言った。

「それはそれは、地図を逆さまに持ってたみたい」

 その時、お茶会に、宇宙からイカのゲオルギーがやって来た。彼は言った。

「この星のお茶会に参加するのが夢でした」

 亀と兎は困惑しながら、ゲオルギーを歓迎した。

 パチパチパチパチ

 そして三者三様、別の世界から集まった彼らは、お茶を飲みながら、地球と宇宙の平和について語り合った。

 亀はふと思った。

「あっ! これはリモートお茶会だった」

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