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にゃん
2023年6月14日 08:04
1.殿さまバッタ 少女のアリスは退屈していた。彼女は草の上に寝転がり、雲が流れるのをぼんやりと眺めていた。そのとき、アリスの目の前を白いバッタが車輪のように回りながら通り過ぎた。白いバッタは時計を取り出し、何かをつぶやきながら急いでいる。「もう時間がない! どうしよう…」 すると、森から時計が飛び出して叫んだ。「ここにいるよ! 時間ならあるさ、ポッポー」 白いバッタが草むらの中に消
2023年6月13日 19:14
山道を走り続ける車の中、緊張感は車内に充満していた。 茂上治夫と朋野明美の間には、言葉以上の隔たりが生じていた。茂上は時間を確認することが癖になっている。その都度、彼の胸中に、もう片方の針が刻まれていく。0時44分44秒、この時間はなにかを意味しているのか? それとも単なる偶然に過ぎないのか? 明美はその答えを求めていたが、茂上の無頓着さは、彼女の不安をより一層煽るだけだった。 道は七
2023年6月8日 19:59
「グリ下の少女」 佐藤美桜。16歳。 美桜は、グリ下の暗い路地を歩いていた。彼女はいつものように孤独を感じながら、足早に進んでいた。 突然、美桜は明るい笑顔を浮かべた少年、賢人に声をかけられる。「こんにちは、俺は賢人!」 美桜は驚いたが、少年の親しみやすい雰囲気に心が揺れるのを感じた。 今井賢人。17歳。 彼は児童相談所から逃げて来たという! 事実。彼のようなグリ下に居場所を見