或る少年、或る人生
笑うことはできないのに、泣くことはできるんだ
身体への痛みは耐えられるけど、心の寂しさは耐えられない
親からの抱擁を知らないから、ぎこちなく子供を抱きかかえる、子供は無邪気に笑っている
傷跡は今も心と身体に共に残っている
どれだけ表面を取り繕っても、逆に強固に浮かび上がってくる
呪いみたいだ
暗く狭いところが好きだ、そこは昔から安心出来る場所だから
暗く狭いところが嫌いだ、そこは昔を思い出させる場所だから
今はただ漠然と生きている
地獄から抜け出しただけで、天国に行けたわけじ