「光る君へ」のための平安準備情報⑳

いよいよ放映まで1ヶ月半。
前回も書いたように、道長以外の人はみんな道長を恨んでる、以上!で
前情報は十分だと思っているのですが、それでもせっかくだからこの機会に
詳しくなりたいなぁ、という方のために、オススメ図書を書いてみようと思います。

今、平安関連の新書が爆発的に出ていて、いいものがたくさんあるのですが、でもまずは小説から世界観を一気に理解するっていいよね、と思い、小説からです。

オススメ1 『むかし・あけぼの』(田辺聖子)

一番のオススメです!主人公は清少納言。
『枕草子』の翻案ですが、清少納言が、そして定子が、一条天皇がとても
魅力的です!語り口が軽やかで、ほろっとして…登場人物みんなが大好きになり、悲しいこともたくさんあっただろうけれど、一生懸命人を愛し、生きていた人たちなんだな、という気持ちになります。「光る君へ」の核となるストーリーがわかりやすく理解できると思います。

オススメ2 『この世をば 上下』(永井路子)

書評記事があったのでそちらを載せておきます。
歴史小説の大家、永井路子さんの作です。
永井路子さんは、パートナーが歴史学者の黒板伸夫氏だったことも影響しているのか、史料に基づきつつも、豊かな物語性があってのめり込んでしまいます。

オススメ3 『月と日の后』(冲方丁)

藤原彰子を主人公としています。
私個人は円融天皇と藤原詮子の関係の描かれ方が非常に印象的でした。

オススメ4 『煩悩無限』(瀬戸内晴美)

瀬戸内寂聴氏が瀬戸内晴美さんだった頃のものですが、時代はかなり古いです。かつ、和泉式部ということで直球「光る君へ」ではないのですが、
最後のほうの一条天皇との邂逅の場面が私は大好きです。

さて、このあとからは小説以外にうつります。

オススメ5 『あさきゆめみし』(大和和紀)

もうなんといってもですね、『あさきゆめみし』に勝るものはないです。
「光る君へ」はもちろん『源氏物語』ではないのですが、平安の用語に慣れる、雰囲気に慣れるのにこれほど適したものがあるでしょうか…
公立図書館には結構入っていると思います。
また、これから高校生になるお子さんがいらっしゃるご家庭は、
これを機にそろえてしまうのも一石二鳥かと。
絵の美しさ、世界観……最高です!!

オススメ6 『なんて素敵にジャパネスク』(氷室冴子)

私の青春のバイブル、平安への扉を開いた作品です。
フィクションですが、これまた平安の用語に慣れる、雰囲気に慣れるのに
これほど適したものがあるでしょうか…
ぜひ今の中高生にも読んでいただきたい名作です!!
高彬派ですか?鷹男派ですか?吉野の君ですか?帥の宮ですか?
私は高彬派です!

オススメ7 『紫式部と藤原道長』(倉本一宏)

「光る君へ」の時代考証の方です。
時代考証の方針として、監修するはするけど、基本現場に任せる、自分の考えはこの1冊にこめてある、と明言されているので、読んでおいて間違いないと思います。

オススメ8 『紫式部 女房たちの宮廷生活』(福家俊幸)

https://www.heibonsha.co.jp/book/b633650.html

日記文学研究の第一人者のひとりである福家先生の新書。
できたてほやほやで私も読んでいませんが、間違いないものとして
先にオススメしておきます!

オススメ9 『源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり』(山本淳子)

当初、時代考証は山本先生かな、、と推測していたくらい、やはりこの時代の第一人者です。
まさに「光る君へ」が描こうとすることど真ん中なのではないかという1冊です。

よろしければぜひ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?