教員から見た学校建築の課題〜学校を作るを読んで〜

教育というものはいつの時代も課題を抱えている。
現代の学校の課題は大量生産時代の脱却である。
学校現場は、均質で受動的な労働力の生産の場から、変化に適応しうる能動的な知的探究者の育成される場へと変化を遂げようとしている。

学校という場が受動的な学びの場から能動的な学びの場へと変化するためには二つの変化が必要だ。一つはソフト面の変化で、もう一つはハード面の変化である。
ここで私のいうソフト面とは、現場の教員や教え方といった人間環境を指していて、
ハード面は、学校教育が行われる街や、学校という建築物、学校の中のインテリアといった物質環境を指している。

ソフト面については、指導要領や受験システムの再考など、改善への動きが高まっている。教員と親たちの考え方も新しくなりつつある。

一方で学校の施設というハード面はどうだろうか。日本の学校はほとんどが、片側廊下式校舎という形式の学校が多い。これは戦後焼けにくいコンクリート校舎を作るために画一企画で作られたため似た形の物が多い。
これらは全て大量生産時代の一斉教授型を想定した教室形式ばかりである。
つまり、
現状の学校建築は受動的学びの場として想定されていて、能動的な学びの場を想定されていないのではないか。
というのが私の疑問である。
今回は問題提起でこの文を閉じるが、能動的学びの場を想定して作られた、オープンスペースの学校や、諸外国の先進的な学校建築を比較しながら、能動的学習の場としてふさわしい教育建築について考えていきたいと思う。

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