aya hito

一日一冊本を読む私の、 良かった本を忘れないための備忘録

aya hito

一日一冊本を読む私の、 良かった本を忘れないための備忘録

最近の記事

遺伝子の瓶

私は口に含んだ彼の遺伝子をそっと瓶に吐き出した。なぜこんな行為がどうしようもなく愛しくて思えるのだろう。自分でも不思議だ。 寝室に戻ると彼はもう寝ていた。彼は自由である、今日私といても明日私といるかはわからない。そんな不安定な人だ。 昨日は酔った勢いで、『私は重い女だから早く捨てて、、』『田舎の価値観で生きてるの、人に言えない関係は持ちたくないの』『好き学生の頃から好き、都合のいい女でいいから好き』とか支離滅裂なことを口にしたような気がする。彼は覚えているだろうか。覚えて

    • 久しぶりの雨はザリガニの水槽のような匂いがする。

      仕事場の扉を開けて外に出ると雨が降っている。 雨だなぁ、靴下濡れるな。 『先生さよなら』そう言って通り過ぎる教え子たちを見送る。 雨というのに子供たちは楽しそうだ。大人と違っなむしろ濡れることを楽しんでるようにも見える。いいな、素敵だ。 そんな子供のうちの1人が 『先生、今日の雨ザリガニの水槽みたいな匂いだね』 とそんなことを言って帰って行った。 素直な良い表現だなと1人で感心した。 きっとそこには臭いというマイナスなイメージは無く、思ったままの言葉なんだろな。 久しぶり

      • 嫌いになるなら好きになり方を探そう

        誰かを嫌いになるのは損だでも好きになり方はわからない。 それでも好きになる方法を探してるんだよな。

        • 〜愛とは何か〜エーリッヒフロムを読んで

          エーリッヒフロムの愛とは何かは、ロングセラーの名著です。友達に借りて読みました。 世間には色々な恋愛指南書が溢れていますがこの本はそう言った本とは別で研究論文のような書き方で恋愛についてを記述しています。 すごく要約すれば、愛は技術であり、愛され方の技術を磨こうとすると、他人に依存してしまうから不幸になる。 他者を愛するという自分が主体となれる行為の力を磨こう。 と言う内容でした。今日も誰かを愛せる1日にしよう。そう思います。

        遺伝子の瓶

          一年の計は元旦にあり

          一年の始めの一日、1番大切にしたい1日が終わる。 今日という1日を一年の始めとして悔いなく過ごすことができた。 家族を敬い、友と過ごし、書を読み、体を動かし、文を書く。間違いなく今日は全てを出し切った。 自反尽己  今年一年の目標の言葉です。自らを顧みて日々全力を尽くす。そんな一年にしたい。 昨年の私はとても傲慢なところがあり、それは教師をしていても感じる。子供達を教える事ばかり意識して、子どもから学ぼうとしなかった。 子供から教わる、、教師とは教える達人ではなく、教わ

          一年の計は元旦にあり

          寒暁愛歌

          朝日燃え 濃い影誘う 冬の街 乞い路の旅に はるきたるや

          寒暁愛歌

          教員から見た学校建築の課題〜学校を作るを読んで〜

          教育というものはいつの時代も課題を抱えている。 現代の学校の課題は大量生産時代の脱却である。 学校現場は、均質で受動的な労働力の生産の場から、変化に適応しうる能動的な知的探究者の育成される場へと変化を遂げようとしている。 学校という場が受動的な学びの場から能動的な学びの場へと変化するためには二つの変化が必要だ。一つはソフト面の変化で、もう一つはハード面の変化である。 ここで私のいうソフト面とは、現場の教員や教え方といった人間環境を指していて、 ハード面は、学校教育が行われる

          教員から見た学校建築の課題〜学校を作るを読んで〜

          家をセルフでビルドしたいを読んで

          家をセルフビルドする。 それは、 『やれたら楽しいけど大変そうだなぁ』 と誰もが尻込みをする夢の一つです。 私が今回紹介するこの作品は、夢を現実で叶えた人のお話です。 作者は大工経験はなく、旅行写真家として生活してきた坂口さんという方で、家を作るまでの8年間の悪戦苦闘を描いています。 『旅とは未知を愛して道を歩く事だ。』 この本を読みながら私が思いついた言葉です。この本の作者は秩父で8年間家を建てる事に腐心するのですが、その過程はまさに未知を愛して道を歩く旅のようです。

          家をセルフでビルドしたいを読んで

          ビースターズという漫画の魅力はなにか

          皆さんはビースターズという漫画を読まれたことはあるだろうか。 私がこの漫画と出会ったのは大学生の頃で、もう4年も前になる。 絵の不思議さ、そして動物のことなのになぜか身近に感じてしまう話の展開に惹かれて、何巻も購入する事になった。 この漫画は肉食獣と草食獣が共存する社会で生きる狼が主人公となっている。肉食獣は体も大きく力も強い、狼である彼はそんな肉食獣の一員として生まれた。そんな彼はあることがきっかけでうさぎに恋をする。 少しでも力加減を間違えれば容易に死んでしまううさぎ

          ビースターズという漫画の魅力はなにか

          バーストゾーンを読んで

          久しぶりに作家の執念を感じられる作品に出会った。 それは吉村万壱さんの バーストゾーン・爆裂地区 である。 小説家にとって自分の描いた作品は我が子のようなものである。我々も我が子に望むように小説家も自らの子供たる作品たちは美しく綺麗であることを望んでいる。 しかし、この本は決して美しい子供ではない。赤子のように無垢で純粋な可愛らしさなど微塵も含まない小説である。作中でも出てくる例えだが、みるに耐えない醜いアヒルの小説である。作者がこの小説を描くのには大変な苦労が伴ったことだ

          バーストゾーンを読んで

          バニラさまを読んで

          山本文雄さんは『自転しながら公転する』を読んで以来ずっと好きな作家さんでした。ふとした一文の威力が強い作家さんです。 今作のバニラ様は6つの短編集でした。街に沢山いる量産型の女の子たち、私たちがわかったつもりで分類している彼女たちの内面を丁寧に描いています。 小説のほとんどは日常の描写を短くまとめてしまう事が多いです。しかし、山本文雄さんは一般人の日常の描写に1番力を入れて書いています。特別では無い一日を捉え直すことのできる一作でした。 今作の表題作バニラ様に出てくる一節

          バニラさまを読んで

          新生児を見て

          私は今日、兄の家にいる姪に会いに行った。生まれてまだ一週間の小さな新生児の女の子である。 私にとって新生児を間近に見る経験はは初めだった。初めて見る赤子は生きていくにはあまりに小さく、無力な存在だった。体の長さなんてりんご4つ分しかないのだ。儚いという言葉は彼女のためにあるのだろうと思えた。 儚いねと兄に伝えると、兄からはミルクは吐くけどねと教えられた。 彼女は自分1人では生きられない存在であり、私にとってそれは儚い命というべき存在だった。 兄夫婦の手を借りなければ死

          新生児を見て

          物語はここから始まる

          はじめてノートを書くことにしました。 まずは最初の一歩です。

          物語はここから始まる