ビースターズという漫画の魅力はなにか

皆さんはビースターズという漫画を読まれたことはあるだろうか。
私がこの漫画と出会ったのは大学生の頃で、もう4年も前になる。
絵の不思議さ、そして動物のことなのになぜか身近に感じてしまう話の展開に惹かれて、何巻も購入する事になった。

この漫画は肉食獣と草食獣が共存する社会で生きる狼が主人公となっている。肉食獣は体も大きく力も強い、狼である彼はそんな肉食獣の一員として生まれた。そんな彼はあることがきっかけでうさぎに恋をする。

少しでも力加減を間違えれば容易に死んでしまううさぎの彼女を相手に主人公の狼は悩みながら真剣に付き合っていく。

一見するとあまりに現実離れした話でこの漫画の世界に浸ることは難しいかもしれない。しかし、私たちのいる世界はこの漫画の世界とはかけ離れた世界だろうか?

私たちが生きる現代だって、生まれながらに強い物、弱い物、性別の違い、宗教の違いが存在する。
ビースターズの世界の肉食獣と草食獣のように無数に異なる存在同士がお互いを理解しようと努力している世界である。

私がこの漫画に強烈に惹かれたのも、この漫画の世界が特殊な世界だからではなく、現代に生きる私たちの悩みをより明確に描き出しているように感じたからであろう。

長年の友達でも全てを理解できる相手ではないし、親や兄弟だってわたしのことを完全に理解しているわけでは無い。なぜなら私たちは違うところがあるからだ。

うさぎの彼女と狼の彼が違いをどうやって乗り越えていくのか。そこには違いが前提となる他者との関係形成のヒントが隠れている。

是非色んな人に読んでほしい作品です。

ハンチバックが好きな方はこの作品も愛せるはず。

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