【詩】男と女(女)
生き死にの問題ではないのに
嘘の価値をはかろうと
ほほえみの角度やナミダの質を
占い師に売りつけた時
「愛のしるし」が流れてきて
尻込みしながら
ぺろりと時間を裏返す
邪(よこしま)な考えから
あなたの上半身を裏切ればいいのか
下半身を裏切ればいいのか
言葉にならなかったから
謝っているのに
言葉にならなかったから
謝っていないと罵られ
時間を二重に首に巻きつけて
愛や別れ、言葉の過負荷に
嗚咽する時
夢の中のアリクイが
二人の仲をほじくり出して
喰っている
姿がここにない時があることを
よく見ていればわかるはず
男がいう
女の皮を被った女、と
女がいう
女の皮を被った女、と
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