1日目(晴れ)30代夫婦のヨーロッパ珍道中



旅行開始2時間。乗り継ぎの時点でケンカ


2023年8月2日、私たちは関空から台北を経由してオーストリアのウィーン※に向かった。関空を18時に出発。台北まで2時間ほど。乗継ぎ待ちが約4時間。日本時間では日付が変わろうとしていた。眠たくなってきた妻は終始機嫌が悪い。
私はウィーンに着いてからの移動やホテルのことが心配で、携帯で調べていた。飛行機ではネットが使えないと思っていた私は、調べるには今しかないと思い、眉間にしわを寄せながらあれこれ調べていた。途中で妻に軽い質問をした時のことである。
「調べてばっかり!今調べなくてもいいじゃん!」と妻は激怒。眠たさに加えて、私が難しい顔で携帯をにらんでいたのがつまらなかったのだろう。私も私で、〈二人のために調べているのに何たる態度!〉と内心怒り、「じゃあもう調べない!」と切り返した。
気まずい雰囲気の中、何を見るでもなく雑誌をペラペラめくる私。寝たり起きたりを繰り返す妻。くだらない衝突から旅は始まった。海外旅行は下調べをしっかりとしておかなければ開始2時間で喧嘩になるのである。

※ウィーンは日本語発音らしく、英語では「ヴィエナ」と発音する。関空でスタッフの方に「ウィーンに行きます」と伝えると「ヴィエナですね」と返されて、この旅一つ目の恥をかいた。

台北からウィーンの飛行機で


台北からウィーンまで約12時間の飛行機旅。我々は3列席の窓側2席に座った。通路側の席は空いていた。広く使えてラッキーと思っていたら、CAが何やら早口の英語で話しかけてきた。
「隣は空いているか」ということを聞いてきたのだが、英語で何と答えたらいいのかも分からず、私は苦笑いを浮かべるしかなかった。もう一度強めの口調でCAが「~no one~!?」と詰め寄る。私は隣の席を指さしながら「no one…」と答えるだけで必死であった。妻は終始窓の外を見ていた。
CAはあきれたような表情で去ってゆく。海外旅行において英語でのコミュニケーションは当たり前で、その当たり前ができない私は呆れられる存在なのだ。その後、通路側の席には大柄な男性が座り、狭い座席に12時間詰め込まれる状態となった※。

※飛行機に乗りなれていない我々は「景色が見たい」という理由で窓側の席を取ったのが間違いであった。空路は変わり映えしない雲ばかり。しかも、トイレに行くたびに通路側の男性に気を使いながら声をかけなければならない。もし、飛行機で長旅をする場合は必ず通路側を予約した方が良いだろう。

謎の時間の機内食


日本時間では深夜。眠たいが、狭い座席では思うように眠れない。トイレに行くにも隣のごつい外国人の男性に一声かけなければならなかった。首に巻くタイプの枕を買っていたが、寝心地は変わらなかった。
ようやく眠くなってきた日本時間午前2時ごろ、暗かった機内が突然明るくなった。びっくりして周囲を見渡すと機内食の時間だった。「こんな時間に食べるの?」と妻と話していたが、淡々と料理が運ばれてきた。
台湾の航空会社なので台湾っぽい食事。パイナップルケーキが旨い。ふと妻を見るとパンを持ったまま寝ていた。その後もよく眠れず、ウィーンに着いたのは現地時間の午後12時ごろ。目の下にひどいクマを作りながら、我々は令和の奴隷船を後にした。

旅の概要と全日程のリンク


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