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〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その54)〉

「山賊むすび&海賊むすび
(セブンイレブン中国地域限定商品)」

さてさて、みなさんご無沙汰しておりますが、今回は少し毛色を変えた投稿でもしましょうか。
前回は山陽本線の227系普通列車、新山口行きに乗って、なんとか新山口駅までやってきたわけですが、今回はその道中で食べたおにぎりを紹介いたします。

山賊むすびと海賊むすび

その名も「山賊むすび&海賊むすび」です。
こちら、中国地方のセブンイレブンにて発売されている、いわゆる爆弾おにぎりの一種です。(爆弾おにぎりとなると、中身の具はなんじゃろなとなるかもしれませんが、その点については後程説明させていただきます。)

岩国駅から新山口駅まで山陽本線に乗ると約2時間ほど、かなりの距離があります。そんな長時間の乗車が予想されたため、僕は岩国駅併設のセブンイレブンにて、手持ちの駅弁とは別に小腹を満たせるものを物色していました。

そんななか、なにやら見たことのないおむすびがショーケースに並べられていて…
それが今回の「山賊むすび」と「海賊むすび」になります。
セブンイレブンの山賊むすびについては以前、中国地方を旅した際に山口県や広島県内の多くのセブンイレブンにて目撃しており、その際に購入して食べてはいるのですが、今回は海賊むすびとやらも別に発売されていることを知り、試しに食べ比べしてみようと思った所存です。
山賊むすびと海賊むすびをレジまで持っていき、現金で購入、我ながら新入りの海賊むすびを食べれると内心ニンマリに染まっていました。
(今になって思うことなのですが、あらかじめ西明石駅で購入した駅弁を持っているにも関わらず、小腹満たしとはいえこの時におにぎりを二つ、しかもどちらも爆弾おにぎりを小腹満たしとして購入しているのは、恐らく旅の疲れで判断力が鈍っていたからかもしれませんね。)

場面は新山口行き普通列車(前回投稿をご参照くださいませ)の車内に移ります。
列車は柳井駅を発車し、乗客をポツポツ乗せた状態で徳山駅へ向かっています。
前回の投稿で述べたとおり、お天道さんはとっくのとうに瀬戸内海の向こう側でかくれんぼをしており、車窓には何も写りません。
車窓を見る楽しみがないよ〜、いえいえ、車窓だけが鉄旅の楽しみではございません。ご当地のものを食べることも列車旅の楽しみの一つです。
真っ暗闇の瀬戸内海を横目に私は自前のバックから先ほど購入した山賊むすびと海賊むすびを取り出します。
えっへっへ、えっへっへっへっへ、どこぞのバンドのボーカルの発声練習のような声を出しているかのようなニンマリ顔で手の中の「ばくだん」を2つを睨みつけ、毎度お馴染み飲食前の記念撮影、これから僕の胃の中でバゴーンと消えていくこのばくだん達にとってみれば、遺影撮影そのものです。なんつって。
そんなことを抜かしつつ、まずは海賊むすびに手をつけます。

でたな、海賊め!
成敗してやろう…!
いざ成敗!
…おいしい(もぐもぐ)

小腹満たしとしていざ、海賊、いただきます。
海賊むすびの方に入っている具材は、我らが北部九州民が大好きな「辛子明太子」、おにぎりの定番こと「ツナマヨネーズ」、風味際立つ「しそ風味昆布」、それと全世代の人気者「海老マヨネーズ」です。ツナマヨも海老マヨもどちらもマヨネーズなものなので、この海賊はマヨネーズがベースとなってますね。具材のチョイスもお互いが口内で喧嘩しないようなほどよいチョイスで好感が持てます。
それでは、ひとくち。
嗚呼、安心安全安定のセブンイレブンのおにぎりだ…。
そりゃ、コンビニのおにぎりなので美味しいです。これまで食べてきたグルメたちと比べても特段に美味しい!なんてことではないですが、疲れているときはこれぐらいの優しいおいしさに包まれるのがちょうどいいぐらいです。
海賊の感想としましてはまず一口食べて、米のみっちり具合に驚かされます。ばくだんおにぎりあるあるの「まず具に辿り着かない」ってやつです。おにぎりびっしりの無数の米粒は、海賊の下っ端たちのように親分には近づけさせるもんか、と睨みつけてきている…のかも?
そんな妄想を疲れ切った脳内で働かせつつ、海賊のばくだんをもう一口。
二口目でやっと、コンビニおにぎり特有の程よい塩気以外の味が襲いかかってきます。海老マヨネーズの登場です。海賊の幹部のお出ましです。マヨネーズの甘みが口内に広がります。
「ふぁ〜、この味、落ち着く…」。
この時点で察していたのですが、僕と海賊との戦いはすでに海賊の方に軍配(海賊旗)が上がっていました。
お家で握って持ってきたおにぎりを平らげるかのように、素朴な味に安心感を感じつつ、その後も海賊のばくだんを食べていきます。
疲れた体に素朴な味わいは最高の組み合わせです。身体的な安心感を得られます。
そんな口の中が安堵に包まれるなか、いきなりぴりっと口内に食べ慣れた刺激が襲います?
ん、知覚過敏…?
ったく、失礼な。
いえいえ違います、海賊の親玉「辛子明太子」の登場です。辛子明太子のピリッとした辛みはそれまでマヨネーズの甘みに包まれていた口内を駆け巡ります。海賊の親玉らしくピリ辛の猛攻撃を仕掛けてきます。生まれも育ちも九州人の私は親玉(辛子明太子)の猛攻撃にもちろんなす術なんてありません。
ノックアウト確定です。
やはり故郷の味ともなると、安心感が段違いに違います。明太子のピリ辛は僕の舌を一足早く今回の旅の最終目的地、博多駅に連れてってくれます。ここまで安心を口内に届けてくれる海賊のボス、辛子明太子には太刀打ちもできません。相手の方が一枚上手ですね。
惨敗の一言です。はぁ、と安堵と無念のため息混じりに僕は海賊に惨敗を認めました。
とても美味しゅうございました。
ごちそうさまでし…いえいえ、もう一戦残っています。
海賊と対をなす存在、山賊が待ち構えています。

四角形の海賊むすびとは異なり
おにぎり界の伝統ともいえる
三角形の海賊むすび

列車のゆりかごのような程よい揺れの中、故郷を思い出させてくれるマヨネーズの甘みと辛子明太子のピリ辛を率いる海賊たちにおみまいされましたが、次は山賊の登場です。
もうやめて、たびびと。のお家に帰りたい欲はマックスよ。
そんな「次回、たびびと。山陽新幹線を使う」とか、「たびびと。、長旅の疲れのあまりにこれから乗る予定の末期色の国鉄のお古たちの鈍足さに嫌気を差し、白塗りの高級車(山陽新幹線)に乗ってしまい、オペレーターと話せる新幹線の券売機に課金の要求を持ちかけられる(※乗車券と新幹線特急券の購入)」みたいな展開にはなりませんが、ホームシックに襲われて満身創痍な僕を容赦なく襲いかかる山賊たちの登場です。
(こいつ何言ってんだかと思われた方は無視しててください)

なんといっても特徴的な大きさを誇る
セブンイレブンの山賊むすび

それでは気を取り戻して、中国地方が誇る山賊たちとご対面です。
山賊むすびは海賊むすびとは異なり、THEスタンダードな三角の形をしています。
おにぎりといえば三角形、なんてことは日本に生まれた以上、DNAレベルで潜在意識として体に刷り込まれているはずです。僕もその一人です。
そんな三角形の山賊むすびですが、先ほどの海賊むすびと比べてもとても大きいおにぎりとなっています。
これぞまさしく大柄な山賊が食べる大きなおにぎりだ!
そう感じさせてくれる大きさです。海賊むすびは野球ボールと同じぐらいの大きさですが、山賊むすびはそれよりも大きいソフトボールと同じぐらいの大きさですね。
ここまで話を聞いてきて、日本各地の郷土料理に詳しい方ならなんとなく察している方もいらっしゃるかもしれませんが、この商品は山口県岩国市のとある名物をモチーフにしたものとなっています。
その名も「山賊むすび」です。全くそのまま、全くおんなじ名前です。というのも、岩国には日本で唯一の山賊をモチーフとしたテーマパークのようなレストラン、「いろり山賊」があります。岩国に観光に行かれた方なら錦帯橋や岩国城とセットで訪れられているかもしれませんが、このいろり山賊というレストランは店の規模がとても大きく、店内に入るや山賊のアジトに紛れ込んだのではと錯覚するほど店内が凝った作りになっています。
そんな山賊のテーマパークのようなレストラン、いろり山賊では山賊が食べていそうなほど大きい「山賊焼き(焼き鳥)」や「山賊むすび(おむすび)」が名物となっており、いろり山賊に来た客の腹を毎度パンパンにさせているようです。そんないろり山賊ですが、岩国駅を発着する錦川鉄道でもアクセスができるため、鉄道ファンの皆さんも、そうでない皆さんもどうぞいろり山賊に足を運びくださいませ。

そんな、いろり山賊名物の山賊むすびをおそらくモチーフにして、中国地方のセブンイレブン限定で発売されているのが、この同名の山賊むすびです。こちらセブンイレブンの山賊むすびも、いろり山賊の山賊むすびよろしく見た目から重厚感を感じ取ることができます。
(ちなみに先ほどの海賊むすびは、いろり山賊には無いのですがおそらく、この山賊むすびと対をなす存在として開発されたのかもしれませんね。山賊が入れば海賊もいるだろうっていう面白い発想ですね。)

鮭、しそ昆布、梅おかかと
山賊というよりは海賊寄りな具材たち

それでは前置きが長くなりましたが、山賊のとバトルスタートです。
まずは先行、大きな口で僕が一口頬張ります。
ぱくっ…。
ふぁ〜、おいしい…。
海賊むすびと対をなすこちらも、ふっくらとした山賊の下っ端たちが襲いかかりますが、こちらは格が少し違います。山賊の下っ端たちですが、山賊とはいえ人海作戦に出てきてます。とにかく米粒の数が普通サイズのコンビニのおにぎりと比べると段違いに多いです。
山賊による人海作戦に苦戦し、こちらもなかなか親玉が現れませんが、なにやら鮭のような風味がしてきます。
こちらの山賊むすびのほうは、おにぎりの王様的存在「鮭」、隠れた名脇役「梅おかか」、そして「しそ昆布」で構成されており…。
あれ、しそ昆布さんはどこかでお会いしたような…?
あ、しそ昆布さん、あなた先ほど海賊なさってましたよね!
こ、この、裏切り者ぉ〜!
海賊なのか山賊なのか…?
実は賊を見張る潜入スパイかもしれませんね。
そんなことを考えていると、山賊むすびのラインナップに少し疑問が浮かびます。
鮭、おかか、そして昆布、なんだか海を故郷とした山賊らしからぬ面白いラインナップですね。
話が少しそれましたが、山賊むすびを三、四口食べたところで先ほど紹介した山賊の親玉達が下っ端たちに囲まれて頭角を現しました。
で、でたな、山賊たちめ!
今度こそ成敗してやる!
とはいえ、今回もやはり…惨敗です。
惨敗も惨敗、大惨敗もいいところです。
先ほどの海賊むすびには、多種多様な味わいによりホームシックになり惨敗したのですが、今回の山賊むすびに関しては具材もですがとにかく量が多いんですよ。
山賊むすびも具材は海賊に比べたら一品目少なくてなおかつスパイも紛れ込んでいるものの、その点をリカバリーするかよのうにとても物的質量が大きいです。
はてはて、小腹満たしとは一体…?
山賊むすびは鮭の塩気や梅おかかのしょっぱさが強い一方、賊に潜入調査中のスパイことしそ昆布の甘さがその塩気と程よくマッチしていて食べやすく、美味しいものとなっています。
…うっぷ。
食べすぎました。
とはいえ、残さずにきちんと食べ切って…
ごちそうさまでした。
まだ別途で購入した駅弁があるというものの、山賊むすびの物的圧力によって僕の胃袋はパンパンです。
食べきったけど、僕の胃袋はもうパンパン、試合に勝って勝負に負けたとはこんなことを指すのでしょうか?
また中国地方を再訪した際は、機会があれば是非これらの海賊、山賊たちと再勝負でもすることとしますか。とはいえ、おそらく次も惨敗すること確定ですね。
それとその際はまた岩国に訪れて、いろり山賊の山賊焼や山賊むすびでも食べに行くこととしますか。

山賊や海賊に成敗されているうちに列車は間も無く徳山駅とのことです。名残惜しい気持ちもありますが、胃袋を膨らませながらもさっさと食べてしましました。…うっぷ。
そして列車は徳山駅を発車し、新山口駅に…
(ここから先の展開は前回の投稿を参照にしてくださいませ)

今回の投稿で、なぜにコンビニのおむすびを紹介するのかと皆様、最初は疑問に思われたのかもしれません。というのも、今回の旅では岩国を往路と復路ともに通過してしまったため、なにか岩国らしいものでも食べたいなと思い、セブンイレブンの海賊むすびと山賊むすびに勝負を挑んだ次第でございます。
皆さんもぜひ、中国地方に行かれた際はセブンイレブンの中国地域限定商品、山賊むすびと海賊むすびに挑まれてみてはいかがですか?
期待を裏切らないボリュームの多さと美味しさで魅了してくれること間違いなしですよ。

今回の投稿はここまでです。
次回以降は気を取り直して、新山口駅からスゴい顔をしたやつに乗って本州を脱出しに行きます。
ここまでみていただき、ありがとうございました。
どうぞ、次回以降の投稿もお楽しみに。

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