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〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その46)〉

「明石名物 卵焼き(明石焼き)」

この度もご覧いただきありがとうございます。
前回、新快速にて大津駅から京都駅を経由して西明石駅までやってきたので、今回は西明石駅付近で明石名物の「卵焼き」を食べていきます。どうぞ今回も最後までご覧くださいませ。

ようこそ西明石へ

明石といえばタコの街、そして「卵焼き(明石焼き)」で有名です。そんな明石市の西明石駅前ではかわいいタコのキャラクターがお出迎えしてくれます。そして「僕たちを美味しく食べてくれ」と訴えかけるかのようにこの子は私を睨んできます。
あれ、どこかでデジャヴを感じたような…
あ、そうだ!
広島の三原駅前でも同じようにタコ睨みされてましたっけ…。
明石といい三原といい、タコ漁が盛んに行われるのは瀬戸内海のめぐみによるものなのでしょうね。

そんな明石に来たわけなので、さっそく本場の卵焼き(明石焼き)を食べに行くこととしますか。
それにしても、西明石駅って在来線ホームと新幹線ホームが新八代駅並みに離れているので、移動が少し大変です。こりゃまいったな。
西明石駅の新幹線ホーム側駅舎内でお目当ての駅弁を購入して、在来線ホーム側駅舎の出口まで来てみたのですが、少し遠いですね。

今回訪れた「明石玉 十三味」さん
では早速、入店
食べてくれと睨みつけるタコ、
そして奥でクルクルと焼かれるタコ

そして西明石駅(在来線側)から歩いて5分、西明石駅前の商店街の中に今回、卵焼きを食べるお店がございます。「明石玉 十三味」さんです。古き良き商店街の中にポツンと溶け込むシックな落ち着きを演出する店舗、良きものです。それでは中に入って行きます。

様々な卵焼きを楽しむことができる
素早い手捌きでタコを
クルクル回していく

店に入るとそれはそれはとても美味しそうな卵が焼ける匂いが漂ってきます。食欲は嗅覚からそそられるもんですね。それでは卵焼きをひとつ注文します。
「(小さく手を上げて)あのぉ、すみません。」
「はい、どちらにしますか?」
「シンプルな明石玉、一ついいですか?」
「はい、かしこまりました!」
「明石玉、いっちょ!」
そんな感じのやりとりをして、卵焼きが来るのを心待ちにします。

明石焼き、私が初めて食べた際は、それはそれはとても衝撃的でした。たしかあれは福岡・天神のデパ地下で明石焼きを食べた際の出来事です。普通のタコ焼きを出汁につけて食べるのか、変わった食べ方だなぁ、と恐る恐る口に頬張ると、あっちぃ!。我ながら子供でした。
そりゃ、焼きたてでしたから、口の中に火傷ができるぐらいほかほかでした。とはいえ、今まで食べてきたようなタコ焼きとは何か違う。
当時子供ながら、だし巻き卵のような味の温かみを、その当時食べた明石焼きから感じ取ることができていたように思います。これは美味しいぞ。そしてその時、「こんなに美味しいものがあるなら、本場の明石焼きが食べたい!」とおそらく脳内に深く刻まれていたのでしょう。そしてそこから十数年ほど経ち、いまこの瞬間、その夢が叶うのです。やったね!
自語りはこの辺にしておいて、卵焼きが来るのを待つとしましょう。

ちなみに、なぜさっきから明石焼き、明石焼きと呼ばずに卵焼き、卵焼きと呼ぶのかですが、明石市では明石焼きと呼ばずに卵焼きと呼んでいるのだそうです。それに倣って、今回は私も卵焼きと呼ばせていただきます。よくよく考えてみれば「広島風お好み焼き」のように、全国的に呼ばれているものは大抵他県民が名付けていたりしますもんね。

大阪のタコ焼きの祖先とも言える
明石の卵焼き(明石焼き)

卵焼きを待つなか、店内に卵焼きの由来なるものが書かれていました。
かつて江戸から遠く離れた讃岐の金比羅さんに参拝しにいった鼈甲(べっこう)職人が金比羅さんからの帰路で明石に滞在していた際に、明石で知人からもらった鶏卵が袂で割れて、その鶏卵の白身が固まっていたことが、明石の卵焼きの由来となっているそうです。なんとも不思議な成り立ちですね。そしていつのまにか、明石名物のタコが中に入り、現在の形に至ったのだそう。
そんな明石焼きが大阪に広がり、タコ焼きとして発展したのはこれまた別の話。
タコ焼きの元祖でもある明石の卵焼き、成り立ちがとても興味深いものですね。

これが本場の
「明石の卵焼き(明石焼き)」

奥の厨房で職人さんによって器用にクルクル回る卵焼きを見つめて、しばらくしているとやってきました。本場の「明石の卵焼き」です。見るからにプルンプルンしています。これが大阪のタコ焼きとの違いです。小麦の比率の高い大阪のタコ焼きはカリッカリに焼き上げてソースとマヨネーズをかけて食べますが、卵の比率の高い明石の卵焼きははんなりと出汁につけていただきます。
それではいざ、いただきます。

タコが大きすぎて
飛び出てきている

この卵焼き、タコが大きすぎていまにも卵焼きから顔をひょこり出しています。この卵焼きのでろーんってだらしない感じがとても堪りません。

箸で持ち上げるだけで
とろんとタコが出てきます
出汁に落とし込んで、味付け

箸で持ち上げただけで卵焼きのなかからタコゲソがこんにちは、なかなか大きめのタコゲソです。では出汁に落とし込み、パクッと一口。

明石名物のタコも
出汁の中に入れて大喜び…のはず?

うんまい、うまい!!!
激ウマです!
なんだか、大阪のタコ焼きをイメージしながら食べてみたのですが、全くの別物です!
とにかくその、生地のふわふわ度合いが今まで食べてきたものと比べると段違いにふわふわしています。火加減も程よく、すぐに口に入れて、あちっ、なんてこともありません。
とにかく、ふわふわなんです。卵の甘さが格段に活かされています。卵の甘さと少しの塩気がこれほど合うのかと思わされるほどです。
それと、肝心のタコもとても大きく、かみごたえもしっかりとあります。タコが新鮮な証拠です。
大満足の一品でした。

そんなこんなで、気づけば卵焼きは残り一個になってました。美味しいものは無言でパクパク食べてしまうものです。残る一個も箸で持ち上げると、タコゲソがまたまたこんちにわ。
はい、こんにちわ。
快くタコゲソに挨拶を交わし、礼儀を込めて出汁の中に入れて、そのまま僕の口の中にも入れてあげました。
うんみゃい。
…はっ!もう無い!
全て食べてしまいました。
ごちそうさまでした。

おかわりしようか迷ったものですが、次に乗る列車の時刻が迫っていたために、諦めることにしました。
また、明石に寄った際に食べに来るか。
そう決意して代金を払い、泣く泣く退店しました。
はぁ…、美味しかったな…。
そのまま卵焼きの余韻に浸りながら、西明石駅に足を運びました。

今回の投稿はここまでです。
次回は、予期せぬハプニングに遭遇、というよりは前回述べた「帰宅困難フラグ」を立てます。どうぞ、次回もご覧くださいませ。
ここまで見ていただきありがとうございました。

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