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〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その45)〉

「大津駅→京都駅:
  東海道本線(JR琵琶湖線)
         新快速(223系)」
        &
      「京都駅」
        &
「京都駅→(神戸駅)→西明石駅:
  東海道本線&山陽本線
    (JR京都線&JR神戸線)
         新快速(225系)」

みなさん、今回も引き続きご覧いただきありがとうございます。
前回は大津駅から歩いて10分ほどの琵琶湖の湖岸にあるなぎさ公園から滋賀県の名物、いや滋賀県そのものとも言える琵琶湖を眺めてまいりました。今回は琵琶湖、そして滋賀県を離れて進路を西に、兵庫県は西明石駅駅までディスカバーウェストして行きます。どうぞ最後までご覧くださいませ。

朝の琵琶湖の静寂に包まれ、今回の鉄旅のあれやこれを琵琶湖に投げかけるかのように琵琶湖を眺めつつ、私は琵琶湖湖岸のなぎさ公園を離れることとしました。快晴の琵琶湖は清々しい朝を迎えるにはもってこいの場所でしたね。
バイバイ、朝の琵琶湖。
ということでなぎさ公園を離れ、大津駅に再び歩いて戻ってきました。なぎさ公園と大津駅はほんの少し高低差があり、徒歩となると行きは下り坂、帰りは上り坂といった感じで高低差を感じとれます。わかりやすく言えば「行きは良い良い、帰りは怖い」のようなものです。
あたかもこれからの帰路を表すかのような坂道であり、また少し重たい荷物を背負った状態だったので体力を少し持っていかれた気分になりました。
旅とは復路が岐路、旅の本番そのものです。往路とは異なり、帰宅路を巡って行く最中にその旅のハイライトを思い浮かべつつも同時に、「ここから無事に帰り着くことができるだろうか」とそんな焦燥感に苛まれるのが復路であり、旅の本番なのです。人は同時に二つ以上の物事を考えるとあまりうまくいかなくなるものです。なので、ここから九州までは、「乗り継ぐ列車がちゃんと駅で接続しているだろうか、乗り間違えはないだろう」かと無事に帰り着けるように慎重に物事を進めていきました。
ちなみにこれ、のちに『フラグ』となります。
次回以降はそのフラグ回収となりますので、どうぞお楽しみに…

そうですね、こんな帰宅困難フラグに陥った時は焦らずに「急がば回れ」を実行することをお勧めします。列車が無ければバスかタクシーを利用する、もしくは徒歩か付近の宿泊施設に宿泊する、この遠回りが大切になってきます。次の日がお勤めだったとして帰宅困難者になって(=1日ぐらい帰宅予定が遅れて)も、よっぽどのことがない限りは、日本経済全体が一個人により影響されることなんてありません。命が無事ならそれで丸儲けってことですよ。
みなさんもぜひ、旅の途中に帰宅困難フラグが立ってしまった場合は「急がば回れ」を焦らずに実行してくださいね。そういえば、この「急がば回れ」ということわざ、琵琶湖が由来だったりします。

大津駅より新快速に乗車

話が長くなりましたが、大津駅からは新快速に乗っていきます。朝8時ごろの大津駅から京都方面へ向かう乗客の数は「ラッシュ」という言葉が似合うほどとても多く、新快速もこまめにやってくるとはいえ、それ以上の人々が新快速に詰め込まれていきます。

大津駅から京都駅までは
たったの二駅

そんな激混みな新快速の車内に運よく吸い込まれ、私も京都へ向かうこととします。大津から京都までの途中停車駅は山科駅、たった一駅のみ。
新快速だから距離感バグってるとかそんなことではありません。大津も京都も大都市同士なのに地形的に近すぎるんです。一説では「県庁所在地同士の距離感が日本一近い」とも言われていたりします。
とはいえ、乗り込んだ223系の新快速も特急並みのスピードを出すのは事実、車窓も溶け始めるような車窓で、気づけば山科駅、いつの間にか滋賀県を脱出していました。
バイバイ滋賀県、北陸本線の長閑な田園風景と、湖西線の爆速で流れる車窓はとても見ものでした。
そんなお名残はさておき、列車は山科駅に着き、列車のドアが開いたと思ったらすぐに閉まり、すぐに発車。
京阪神の大手私鉄群には負けていられないですもんね。新快速は停車からの発車も早かった。

距離感覚のバグを起こす
新快速の停車駅

激混みの車内に、近すぎる駅間、そして速すぎる新快速、この三要素が交わるが故に、大津から京都までちょちょいのちょいで到達することができました。そして由緒正しい京都駅のホームに吐き出される人々、私も同様です。ほんの少しの間でしたが、果敢に京都駅まで運んでくれた223系の新快速とお別れです。
ありがとう、223系。
そんな223系は礼の言葉など一切交わさずに、ぶっきらぼうに新大阪駅方面に走り去って行きました。そりゃ、相手は鉄の塊ですからね、クールビューティーなのはご愛嬌です。

吹きさらしの駅舎でたびたび話題になる
古都の玄関口、京都駅の改札口
特急やくも号と並ぶ
「陰陽連絡列車」の
特急スーパーはくと号が京都駅に停車中
京都駅に停車中の特急ひだ号、
狙わずにこれが見れるのは運がいい
2023年に引退予定の
キハ85系と、京都駅

さてとやってきました京都駅。
ここ京都駅は駅弁の調達でもしようと降りてみたのですが、駅構内は日本人、訪日外国人、旅行客、通勤客、そして鉄道員(ぽっぽや)。人気(ひとけ)の多さが、都会の駅だとより一層思わせてくれます。
なので、泣く泣く駅弁購入は断念、鉄活でもすることとしました。京都駅には多数の在来線特急がやってきます。日本一の速さで北陸路を駆け抜ける特急サンダーバード号、北近畿ビックエックスネットワークを形成し山陰路を駆け抜ける特急きのさき、はしだて、まいづる号、三セク線経由の陰陽連絡特急列車として名高い特急スーパーはくと号、南国の風を感じられる紀州路を疾走する特急くろしお号、関西の玄関口こと関空へのアクセス列車である特急はるか号、そして郷愁漂う飛騨路へ誘う特急ひだ号など、多種多様な在来線特急列車が京都駅には乗り入れています。また、かつては関西対九州の通称「関西ブルトレ」が数多く起点としていた駅でもありました。そのためやってくる車種も多種多様、みてて本当に飽きません。ま 私のお膝元の博多駅も多種多様な列車がやってくるとは言え、京都駅には叶いません。ほんと、羨ましいなぁ。
そんな、北陸路、山陰路、陰陽路、紀州路、関空路、飛騨路の玄関口である京都駅にてまず最初に遭遇したのは、これまた珍しい列車、キハ85系の特急ひだ号です。通常、先代の急行のりくら号を起源とした特急ひだ号の多くは、名古屋駅と高山駅もしくはその先の富山駅を高山本線経由で結んでいるのですが、1日に一往復だけ、名古屋駅ではなく大阪駅まで足を伸ばす特急ひだ号が存在します。ファンの間では「大阪ひだ」なんて愛称で呼ばれていたりもします。この大阪ひだ、朝に大阪駅を発車し、昼前に高山駅に到着し、折り返しお昼中頃に高山駅を出て、夜に大阪駅に到着する、特急ひだ号の中では珍しい運用です。なぜ一往復だけ大阪駅発着なのか?という疑問に関してですが、それは高山駅と大阪駅をかつて結んだ急行たかやま号を特急ひだ号として昇格させたためです。
これ以上話すと、話題が京都駅から大阪ひだの話題に離れてしまうので、特急ひだ号の話題はここでおしまいとしますが、何が言いたいかと言いますと、とにかく時間を調べない限り、大阪発の特急ひだ号を拝むことはかなり難しいということです。なにせ、一日一往復しか運転されていないですからね。
今日は運がいい、そんな気がしました。
それと、この特急ひだ号に使用されているキハ85系ですが、かなり前の今回の鉄旅投稿でお話しした通り、HC85系に置き換わり2023年中に引退します。
なので、今回は本当に運がいいのだと確信しました。そうか、キハ85系も引退するのか。
651系、キハ281系、2000系、783系、681系とJRの第一世代を築き上げた特急型車両たちもいまや末期の状態に陥っています。第一世代がエース級の活躍をしていた頃を知っているので、第一世代の引退ともなると歳を取ったのだなぁと、なんともやるせない気持ちに陥ります。

北陸路の入り口でもある
名誉ある京都駅の0番線
日本一長い駅のプラットホーム、
京都駅の0番線
京都駅の奈良線ホームにて

そんな気持ちで高山駅に向かうキハ85系の特急ひだ号を見送りつつ、京都駅を歩き進めます。
やってきたのは京都駅の栄光ある0番線。
ここ、京都駅の0番線は他の駅ホームにはないとある特徴を有しています。
「0番線」自体は米子駅(境線)や原田駅(筑豊本線)にもあるのでそこまで珍しくないのですが、ではなぜここを取り上げるのかというと、それはここが「日本一長い駅プラットホーム」だからです。
その長さ、558mです。恐れ入ります。
とはいえ、京都駅の0番線は、関西空港線用の30番線と地続きなので、0番線単独の長さというわけではありません。
ここまで長いと、欧州の幹線鉄道のターミナル駅のような佇まいを感じさせてくれます。
さすが京都駅。

そんな京都駅、もう一つ日本一を有しております。それは番線数の大きさです。京都駅には山陰本線用の34番線が存在し、この34という数字は日本一大きな駅の番線数となります。とはいえ、京都駅は近鉄線などを含めても34本も線路はありません。ではなぜかというと、京都駅を起点とする山陰本線用の駅ホームは山陰(3ん1ん)にちなみ31番から始まっています。そして、京都駅の山陰本線用の駅ホームは4つあり、その4つ目が34番線という訳です。
長さも数の大きさも日本一の京都駅、改めてですが恐れ入ります。

それと、京都駅は東海道本線と山陰本線(と私鉄なら近鉄線)が乗り入れる駅なのですが、それとは別に奈良線も乗り入れています。この奈良線、みやこ路快速号と呼ばれる快速列車が走っており、あたかも奈良県内を走る鉄道路線のように思えますが、奈良県内は一切走りません。名前詐欺な鉄道路線として有名です。
覚えておきましょう…。

発車スパンの短さは
都会の駅らしさを醸し出す

そんなこんなで、京都駅を巡ってみたのですが、次に乗る列車の到着時刻が迫ったため泣く泣く鉄活を終えることとしました。
もっと長く駅でトレインウォッチングしたかったなぁ…。

駅ホームに列車がやってきました、
次に乗る列車も新快速です

さてさて、列車の到着する5番線にやってきました。やってきた列車は225系の新快速。
18きっぷ旅、いや鉄旅の場合だと、関西圏の移動の際は新快速には本当にお世話になります。感謝の気持ちとしてお歳暮、お年賀、お年玉をあげたいぐらい、今回の旅では新快速が頼りになりました。といっても、鉄道車両は鉄の塊なので人様用のお祝いを送られても…なんつって。

気を取り直して、225系の新快速姫路行きに乗り込みます。京都駅から西明石駅までこの列車にお世話になります。
よろしく、225系。

網干(?)の車両基地にておねんね中の
特急ウエストエクスプレス銀河号
運よく和田岬線の103系と遭遇
日本一長い複々線を
爆走する新快速
奥に見えるは明石海峡大橋、
となると対岸は淡路島かな?

新快速は京都駅を発車して、そのまま高槻、新大阪、大阪、尼崎、芦屋と停車していきます。
沿線の風景は高層ビル、住宅地、低層ビル、そして明治の大きな板チョコ…ん?チョコレート?なんて思われるような車窓が続きます。
とにかくこれがある、あれがあると情報量が多すぎて、詳細を長ったらしく書くのもナンセンスなので一箇所だけ紹介いたします。と、その前に車内の様子ですが、京都〜大阪間の「JR京都線」と呼ばれる区間は激混みでずっと立ちっぱなし、致し方ないことです。新快速ありきの生活を関西圏の方々が送っていることが骨の髄まで伝わります。そして大阪と尼崎を出たあたりから空席が出てきて、東海道本線と山陽本線の接続駅である神戸駅を出たあたりで、JR西日本お得意の快適な転換クロスシートに腰掛けることができました。もちろん座るのは山側ではなく海側、瀬戸内海が見える方です。そして、ここからはその着席した座席から見えた兵庫県南東部の瀬戸内海の様子をお伝えします。尼崎から先の西明石までのこの区間では、兵庫県側から見える瀬戸内海や淡路島の美しい車窓を眺めることができます。新快速の車窓で一番の見所といっても差し支えはないでしょう。
晴れた日は明石海峡大橋と対岸の淡路島もくっきりと見え、潮路感溢れる光景が高速で流れてゆきます。それにしても山陽本線のこの区間、日本一長い複々線とも呼ばれるだけあって車窓にはずーーーーっと線路が続きます。
車窓に映る線路をずーーっと
ながめてみるとーーー…。
人によっては乗り物酔いが起きるらしいのですが、私はなぜか眠たくなってきます。兵庫県側の瀬戸内海を眺めつつ車内に差す日光を浴び、日本一長い複々線を眺めて…ぐーすかぴー。
気づけば瀬戸内の陽気に誘われ、うたた寝してました。
列車はゆったり、んなことはなくどこでも爆走して西へ西へ進んでいきます。新快速の微弱な揺れって眠気を誘うにはもってこいなもので…。
北陸本線の復路で乗った、521系の普通列車敦賀行きの車内で感じた眠気がデジャブとして襲ってきてたのです。
そして、気づけば「次は〜明石に止まりますぅ〜」。いけないいけない、もう降りなきゃ。
目的地の西明石駅は明石駅からすぐの場所にあります。そうして降りる準備をしていると、列車は明石駅に到着、そして間髪入れずに明石駅を発車。
「次は〜西明石ぃ〜」。
列車は定刻通りに動きます。
そして、気づけば列車は西明石駅に入線していました。それと同時に私の降車準備も完了、間一髪でした。

新快速を西明石駅にて下車

そして、列車のドアが開きます。
西明石駅に到着です。
大津、そして京都から1時間ちょい、兵庫県は西明石駅に到着です。
ばいばい、225系、快適な走りと居住性を届けてくれてありがとうございました。
また乗りくるからね〜。
もちろん、相手は鉄の塊、無言です。
ちっ、こいつもクールビューティーなやつやな。

山陽新幹線の駅でもある
西明石駅

実際のことを言うとこのまま乗り過ごすつもりだったのですが、京都駅で駅弁を買い損ねたことと、この先の区間で予期せぬトラブルが起こっていたことが原因で、西明石駅で一旦下車することとしたのです。トラブルは旅につきもので、それをどう楽しむかで旅の楽しみ具合が変化すると思います。よって本来下車予定ではなかった西明石駅にて、下車しました。

明石といえばタコの街、そして…
ちょいと文章が長くなってきたので、今回はここら辺でおしまいといたしましょう。
今回の投稿はここまでです。
次回は、ここ明石にて明石名物をぱくっと食べていきますので、次回もどうぞよろしくお願いします。
ここまで見てくださり、ありがとうございました。

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