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〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その52)〉

「広島駅→岩国駅:
   山陽本線 普通列車(227系)」

みなさんどうも、ご覧いただきありがとうございます。
今回は前々回に引き続き、広島地区の顔こと227系に乗って、広島駅から岩国駅へ向かって行きます。
どうぞ最後までご覧くださいませ。

広島駅にやってきた
普通列車岩国行き

岡山方から広島方へ向かう列車を乗り継いで、福山駅から広島県に入り、はや2時間ちょい、ここは広島いちの大ターミナル駅、広島駅です。そして、時刻は17時を過ぎたところ、広島駅から横川や五日市、可部や深川、海田市へ通勤通学客が帰宅の路につく時間です。
そのため、この時間帯の広島駅にやってくる列車の本数は数多く、ここぞ大都会の駅だなぁ、と広島駅の帰宅ラッシュの様子を見て思わされます。
とはいえ僕もその帰宅客の一人なので、帰宅中の広島市民と共に在来線の駅ホームで、岩国方面へ向かう227系がやってくるのを待ちます。
(まさか隣に並んでいるやつの帰宅先が博多駅だということは、広島駅の在来線ホームに集まる広島市民たちは知るはずもなく…。)

てなわけで、ここ広島駅から引き続き227系の普通列車に乗っていきます。
駅ホームで列車を心待ちにして待っていると、奥の方からヘッドライトを輝かせて227系がやってきました。
やってきた227系の普通列車は、広島・山口の県境を越える岩国行き。この普通列車に乗るために、あらかじめ広島駅で普通列車の五日市行き(前々回の投稿)を降りたものです。
もちろん駅のホーム上は、たくさんの帰宅客で溢れかえっています。
海田市方面からやって来たこの列車から、とても多くの降車客が溢れ出ていき、降車客よりも数多くの帰宅客が乗車します。まさしく百人乗っても大丈夫、と言ったところでしょうか。
もちろん僕は外で呑気に外気を吸い、体の疲れを軽減していたので列車の腰掛けに座れることはなく、終点の岩国まで立ちっぱなしでした。
長い長い鉄道旅の最終日の帰宅ラッシュ時間帯は、疲れがたまりに溜まっている上に座ることもままならないので、長旅をする上でかなりの難関だと個人的には思います。ただ、疲れた状態で座ってしまうと、座席の気持ちよさに癒されて寝過ごしてしまい、折り返し乗車をしてしまうことなんて、最悪の事態も考えられるため、旅の最終日の帰宅ラッシュ帯の列車は立つにしろ座るにしろ、メリットがあまりないですね。皆さんは、このようなシチュエーションに遭遇した場合はぜひ、早くて快適な新幹線をご利用くださいませ。

そんなこんなで、いざ乗車。
見渡す限りの人、人、人、そして人。
広島にはこんなにも広島県民がいるのかと驚かされます。やはり大都会岡山と対抗できるほどの地方中枢都市なだけはあります。

広大な広島シティネットワーク
広島の都市圏の夜景が流れゆく

車内はぎゅうぎゅう詰めまではいかないものの、この辺りの人々にとってみれば「満員電車」と思われても仕方ないほどの混み具合です。大都市と地方都市での「満員電車」の定義はかなり異なると思われますので、ここではあえて地方都市の人々が連想する「満員電車」の方で、今回の車内の混み具合を定義させていただきます。(※「≒おしくらまんじゅう状態ではない」ということです)

さてさて、列車は定刻通り広島駅を発車します。
車内は広島県民および岩国市民と一人の九州民によって占領されており、まさしく広島生活圏の縮図のような車内となっています。
私は乗り過ごしを防止するため、毎度のごとく車両の門番をしていたわけですが、そんな車内の門番スペースの一角にも老若男女、さまざまな属性の人が疲れた顔をして、相変わらず長方形の板と睨めっこをしながら立っています。

広島駅から岩国駅までは約41Km、52分ほどの旅路の始まりなわけですが、もうこの頃になるとお天道様はとっくのとうに明日の方向へ行ってしまい、その代わりにお月さまがひょこり、こんばんはと広島南部の夜景と瀬戸内海を照らしています。列車は横川、五日市、廿日市、宮島口、大竹と広島のベットタウンに止まって行きますが、車窓なんて全く持って見えたもんじゃあありません。今どこにいるかは車内アナウンスと、停車時の外の様子を頼りにすることで確認できます。
そのような状況のため、瀬戸内海の車窓を眺めてうっとりするのは諦めて、早く岩国に到着することを心から願っていました。

ある意味で思い出の場所となった
クモハ227-47

そんななか、どこからか聞きなれない洋楽が車内にほんの少し響き渡ります。車窓が見えないからと言ってJR西日本が用意したサプライズ、そんなもんじゃないことはすぐにわかりました。海外の女性シンガーのおしゃれな楽曲がどこからか聞こえて来ます。
ほぬ?、誰だ〜、誰か音漏れしているぞ〜。
そんな感じで混雑した車内を見渡すと、僕とは対岸の位置で門番をしていた、中高年の男性、おじさんのヘッドホンから流れていたのです。こりゃあ、驚きました。僕の目の前にいた大学生らしい二人組もそのことには驚いていたようです。
僕はてっきり、他の若い子がヘッドホンからガンガンに楽曲を聴いているかと思っていたので、少し目が覚めました。思い込みとはよくないものです。そして音楽に年齢なんて関係ないんだぁ…そんなことで感心している場合ではありません。
さすがに他の乗客たちも迷惑に思っていたようで、目の前の大学生二人組も声をかけようとしていましたが、相手が大の大人だったためかやはり躊躇っているようです。流石に僕も少しは迷惑していたので、僕の方から声掛けを…いえいえ、やはり出来ません。広島の人々というと、「内に秘めたる怖さ」のイメージが強すぎることもあり、どんな人が相手であれ九州の人のように、正義マンを振りかざすことは今回に限っては全く持って出来ません。特に広島のタクシードライバーの方々は群を抜いて怖いとのことなので、広島でタクシーを利用される際はご注意くださいませ。
正義マン自体、僕は嫌いなものなので、そもそも九州でも触らぬ神に祟りなし状態なのですが…。
そんなことを思っていると、目の前の大学生二人組が勇気を振り絞ったのか、宮島口駅を超えたあたりでそのおじさんを注意していました。
ここはこの大学生たちに心の中で賞賛を送っておきます。受賞おめでとうございます。

そんなこんなで、ほれ見ろ、年下に注意されて恥ずかしくはないのか、とおじさんを周りの人々が見つめていますが、やはりおじさんの方にもプライドがあったようで一向に注意を聞く耳はないようです。
あたりは凍り付きます、僕も凍っていました。
さっき寒くて身体そのものが凍り付きそうだった北陸から脱出して来たはずなのに、なぜか遠く離れた広島で心の芯から冷える体験をしました。そして相変わらず、僕は触らぬ神に祟りなし状態を発動しています。広島の人々、怖いなぁ…。

広島の人々の怖さを実感した上で、そのまま列車に揺られているとそのおじさんは何事もなかったかのように途中の駅で下車していきました。広島の人は本当に怖いものです。
とはいえ、何事もおこらずにとりあえず一件落着です。大学生たちもどこか腑に落ちないようでしたが、安堵の表情に戻っています。
そうしているうちに、列車は宮島口駅を出発。
宮島は今回の旅では行かなかったのですが、この旅をおこなったころに「令和の大改修」とも言われる厳島神社の鳥居復元工事が完了したとのことなので、次回、18きっぷの残り分(2日分)を使って行くこととしますか。

宮島口駅を出てから少し経って、車窓に映っているであろう宮島と瀬戸内の牡蠣の養殖籠を、真っ暗な車窓から探し出していましたが、当列車はまもなく終点の岩国に着くとのことです。
そりゃ、どうりで宮島も瀬戸内の養殖籠も見当たらないわけです。暗闇だと何にもわかりません。
とはいえ、列車は山口県に到着です。
やっと山口県まで戻ってこれました。

やっと岩国駅に到着、
山口県に再上陸
列車の疾走感を見事に
表現している広島地区の
227系"Red Wing"のロゴマーク
生まれも育ちも「広ヒロ」の
227系"Red Wing"
岩国駅にて下車、
折り返しは呉線の広行き
普通列車になるようだ

正直に言えばこの列車での思い出は、車窓や乗り心地、列車の快適性なんてそんな甘っちょろいものではなくて、先述した出来事がほぼ全てなわけで、宮島を車窓から必死に探し出した以外はあまり思い出にないのですが、やはり今回の乗車で広島の人々は怖い、ということを実感できました。
とはいえ、公共交通機関で迷惑行為はしてはいけませんよ〜、とここで念押ししておくこととしておきますか。
事件事故が列車内で発生した際は、緊急時を除いては車掌に頼ることをおすすめします。

終点の岩国駅で、広島から乗って来た乗客たちと共に列車を降りると、さっき乗って来た列車の行き先は広(ひろ)になっていました。いまから呉線の海岸部の夜景でもこの列車は楽しんでくるのでしょうか。
呉線もそうなのですが、いつか山陽本線のバイパス路線(小野田線・宇部線/岩徳線/呉線/赤穂線)を乗り継ぐ旅もしてみたいものです。

今回は少し変わった乗車記になってしまいましたが次回以降はいつも通りの、のほほんとした乗車記になる予定ですので、どうぞ次回以降もよろしくお願いします。

今回の投稿はここまでです。
次回はここ岩国駅から、再び227系に乗って新山口駅まで向かうこととします。
ここから、山口県内を横断する長い長い帰宅の旅が始まるわけですが、次回もどうぞ気長にご覧くださいませ。

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