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#20  自分の感性を信じたい

違和感をどうしたらいいのか

たまに違和感を感じることがある。
心がざわざわする感じ。
なんか違うんじゃない。
そうじゃないんじゃない。

そのたびに思うこと。

違和感って、どうすればいいんだろうか。
無視したほうがいいんだろうか。
そうやって迷ってしまう。

無視できないんだけどね。
無視したつもりでも、蓋をしているだけなんだけどね。
蓋の下には、しっかり残っているんだけどね。
無意識の自分は、嘘をつけないんだよね。

あるとき、出会えた一冊

でも、あるとき、出会うことができた。

違和感を無視しなくていいよ。
自分の感性を信じてもいいよ。
私は私の感性を信じて生きてきたよ。

そうやって言ってくれる一冊に。
私はそのとき気が付いた。
そうやって誰かにいってほしかったんだって。

それは、茨木のり子さんの詩集で、
選者・著者は、水内喜久雄さんです。

詩「自分の感受性くらい」茨城のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

私は、この詩を初めて知ったとき、衝撃を覚えました。

私は私の心に水をあげていただろうか。
私は私のご機嫌をとっていてあげていただろうか。

イライラしたり、悲しかったり、嫉妬したり、
そういう負の感情を
誰かにぶつけたり
誰かのせいにしたり
してばかりの自分に気づいたからです。

この詩の背景

この詩集の中で、
「自分の感受性くらい」という詩の背景について
茨木さんは下のように語られていました。

さかのぼれば、戦争中までいくように思います。

まわりに美しいものはなく、
ニュースや映画でも兵隊ものばかりで、まわりが殺伐、
少女って美しいものを求めているでしょう。
美しいものは、すべてタブーの時代で、
なにか変じゃないか、と思ったんです。

死ぬのがいちばん忠義っていわれたでしょう。
では、生まれてこないのがいちばんってこと?
生まれてくるのはどうしてだろう?って。


結果としても、自分のなかの小さな芽のほうが正しかったのです。
好ききらいというのも大切で、
自分の感性のほうが正しいと思うようになりました。

人から強制された思想やイデオロギーがまちがっているときって、
立つ瀬がないでしょう。
自分の感性を信じたいと思います。

茨木のり子詩集「落ちこぼれ」

この詩の背景を知ったとき、
「そうだったんだ」と勝手な親しみを覚えました。

こんな素晴らしい詩を書くのは、たいそう立派な別世界の人、
のように感じていたけれど、

私たちと同じ人間なんだ

同じ人間だからこそ、心の機微に触れる詩が書けるんだ

また、

こんな素晴らしい詩のはじまりも、心の中の小さな違和感だったのか。

世界を変えていくのは、心の中の小さな違和感を無視せずに、
何かを変えていこうとする力なのだと感じました。

自分の感性を信じたい

だから、違和感を無視しなくていい、
自分の感性を信じていい、と思いました。

選著の水内さんはこう言っています。

自分の感性を信じて、まちがっていればそれであきらめもつく、
それが自分なのだから。

同じ気持ちです。
間違ってもいいから、自分の感性を信じたいです。

いや、毎日間違ってばっかりな気がするけれど、
それでも、不思議ですね。
自分の感性を信じたいって思うんです。

自分の感性を信じて間違ったとしても、
自分の感性で自分で決めたことなら諦めもつくし、
間違いから素直に次どうすればいいか学ぶことができるから
です。

例えば、恥ずかしながら、先日こんなことがありました。

次女の助手席に乗りたいという気持ちを
私が優先してあげたくて、助手席に座らせました。
その結果、次女が車のドアをバーンと開けてしまって、
左隣の車のドアミラーに傷をつけてしまいました。

私は、次女を助手席に乗せたことが間違いだったと気づきました。

もちろん、それ以外にも反省点はあります。

  • ドアロックをして私が先にドアを開けるべきだった。

  • ケチらずにスライドドアの車にすればよかった。

  • 左隣に車が停められない場所を選んで駐車すべきだった。

今でもこの失敗を思い出すと、心が痛みます。
でも、どうやったら防止できるか、という対策へ注力できています。

小さな違和感から行動へ

生活の中で小さな違和感を感じることはいっぱいあります。

違和感を感じたら、家事でも子育てでも自分のことでも、
気づいたときにできることはすぐやるようにしています。

あれ、汚れてるなって思ったらすぐ拭いたり、
なんか様子が違うなって思ったら声をかけたり、
あれ、寒いなって思ったら上着をはおったり、

それらが日々の幸せにつながると実感しています。
目の前の小さなことからやっていきたいです。


読んで下さるあなたがいるから、今日もnoteが書けています。 またお時間のあるときに見に来てくださると嬉しいです。