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【読書メモ】『からっぽになったキャンディのはこのおはなし』

基本情報

タイトル:『からっぽになったキャンディのはこのおはなし』
著者:大久保雨咲(作)、出口かずみ(絵)

読了日:2024年7月23日
メモ:図書館から


引用と感想

さいごのキャンディがいなくなると、ふたが、スンッと、とじられました。
(みんな、いなくなっちゃった……)
はこは、自分のうちがわが、すぅすぅするのをかんじました。
「あぁ、なにもない。
ぼくは、しょうしんしょうめいの、からっぽだ……」

16ページ

自分を「価値あるもの」にしてくれているナニカがなくなった途端に足元が崩れる感覚。
「はこ」の不安と無力感が伝わって少し怖い。

「ゴミばこさんは、いいな。いつだって、ゴミばこで」
「あら、そうかしら」
「ぼくはいままで、キャンディのはこだったんだ。
でも、その……、
キャンディたちがいなくなったら……、
ぼくは、ただの……からっぽのはこだ……」

36~37ページ

自分に無いものをうらやむ気持ち。
自分の役割を、使命を理解している人をねたむ気持ち。
幼い「はこ」はなにも出来ず、先の展開が不安になる。

まいにちこんなにたのしいのに、はこの底にはいつだって、ちいさなちいさな不安があるのでした。

夜になって、みんながねしずまったころ、はこは、息をもらすように、こっそりとつぶやきました。
「あぁ……。いつか、また……、
みんな、どこかへいってしまうんじゃないのかなぁ……」

44~45ページ

新たな仲間たちと出会う。
楽しかった日々がよみがえる。
でも、自分自身に価値を見出したわけではないので、不安がぬぐえない。
自己肯定感と承認欲求。
「はこ」はどうすれば、自分自身を受け入れられるのだろうか。


全体まとめ

最近なにをしていても「noteのネタになるかな」と考える自分がいる。
本や映画に集中できず、後ろめたい気持ちになる。
初めてやるSNSで「承認欲求」というやつに囚われているのかもしれない。

自分の価値はなんだろう?
自分はどうしてここにいるんだろう?
自分は何のために生まれてきたのだろう?

「はこ」はずっと悩み続ける。

子どもには少し難しい内容な気がするが、大人が難しく考えすぎているだけかもしれない。
子ども達ならこの「はこ」に、なんて言ってあげるのだろうか。

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