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ズレていた女が引き寄せたモノ

 実を言うと、私はかなり強運の持ち主だと信じている。どうやって「運」を引き寄せたのだろうかと考えてみると、私は人より「ズレている」のが原因かもしれない。

強運というのは、人並み外れる。
つまりズレが大きい。

 常識的なように表面はみられる分、ズレに気づかれずに問題は多々起こりがちなのだ。
でも、ズレ行動が磁石のように様々な「運」を引き寄せるとしたら…。
私のズレた考えが元で引き寄せたモノがあった。

 札幌で会社員として勤めていた頃、電車通勤で唯一隣の市に住んでいた私は一番遠くから通う社員だった。
 ある吹雪が予想される日、会社に行かねばと目をこすり早朝たどりついたら、なんと数多くの他の社員がたどりつけず休んでいた。上司に「なんで出てきたんだ!」と怒鳴られる。え~、頑張ったのに怒られるの?
当時の命知らずのズレた行動ではあった。

 それなら会社の近くに住めばいいんじゃないの!
一人暮らしをしようと札幌市内のマンションの物件を探すもそこそこの家賃。でも通常は賃貸で手を打とうと考えるのだろう。しかし、私は違った。一生結婚せずに一人でいるかもしれない。
一般的な結婚への道から早くも老後の備えへと30歳そこそこで考えたのだ。

 ある日祖母のお墓参りの後、新聞の広告がふと目に入った。限定1室特別価格というマンションを発見する。すぐ連絡し、たまたま居合わせた義弟に車で現地に連れて行ってもらった。普通は周りに何があるかとか、ローンをどうするかと先に確認するはず。が、私は部屋に入って「なんとなくいい感じ~」と直観で、ものの数分もせず手付け金を払ったのだ。

 即決?!自分でも今ならありえないと思うが、「あんたはタンスを買うようにマンションを買うんだね」とあきれ顔で母から言われ「私ったら随分、大きなタンスを買ったのね~」と、のんきに笑っていた。

 そのマンションで私の味噌汁を飲み、「結婚したい!」と決意したのが
20年前出会った夫である。

今回のエッセイ塾「ふみサロ」での9月の課題図書
新版「科学がつきとめた運のいい人」 中野信子著
からのリブリオエッセイになります。

運のいい人は「自分が運がいい」と思い込み、「一般的な価値観や他人の意見に惑わされず、自分の価値観で自分なりのしあわせを把握することが重要です」

…とこちらの課題の本に書かれてありました。

そして、その運のいい人は、その人なりの「しあわせのものさし」を持っていて、それには人を呼び寄せる力があると…。

今回は、その昔、おそらく普通の人の価値観というか感覚ではやらないようなことをした私が引き寄せた不可思議な諸々(?)について書いたエッセイです。(若気の至りといっておきます)

良い子はマネしない方がよいと思いますよ(笑)

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