花の溢れる世界

先月青森に帰ってきたときは、まだ雪が残っていた。4月になると例年のより高めの気温で、一気に緑が芽吹き、花が咲き、カラフルな世界に。
母は花が好きで、かつては庭や鉢植えも熱心に構っていたけど、今は体も利かなくなり、もっぱらご近所さんのお庭を見て楽しませてもらっている。
母があるとき「どこのお庭にも花が植えられるようになった時、戦争は終わったんだって実感したよ。戦時中は食べ物を植えるのが優先だったし、青森も焼け野原になっちゃったし。食べられもしない花を植えるなんて平和の証だ。」と言った。
母の実家は市街地だったので、空襲に遭い、兄弟がばらばらにならないように防空頭巾がわりに布団をみんなでかぶって、途中の田んぼで布団を水につけて火の粉を逃れたそうだ。
今は観音様が立つ、柳町には川が流れていて、火傷をおった人たちが飛び込み、重なり合うように亡くなっていたそうだ。
母が9歳の時に終戦を迎えて、私のおじいちゃんは戦死したので、おばあちゃんは6人を子供を抱えて、母も長女として必死に働いたそうだ。
そんな悲惨な戦争が今現在ウクライナでも起こっていることが信じ難い。
ニュースに映るキーウの様子に母は戦時中を重ねるだろうか。
世界中が花で溢れる世の中になってほしい。


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